ああ素晴らしきVHSデッキの世界/ ビクター HR-S9800 HR-20000 HR-W1 HR-W5 その他

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 ■ VHS フォーマット全盛期&バブル真っ盛りの物量時代豪華デッキ

 我が家にある、各種VHSビデオの紹介です。 元々あたしは映像関係に非常に興味があって、子供の頃は8ミリシネを趣味としていました。 その後本格的なビデオ時代が到来。 個人が手軽に持ち歩けるビデオカメラの登場はしばらく先でしたが、家庭用の据え置き型VTRは、俗に 「ベータ vs VHS 戦争」 とも呼ばれる熾烈な争いを経て一気に普及し、フォーマット争いでは VHS が勝利。 このページは、その絶頂とも思われる時代、VHS 規格を生み出した日本ビクター/ JVC によって作られた 「超弩級」 のフラッグシップビデオデッキたちの写真集です。

 今となっては過去の遺産のようなデッキばかりですが、どれも手にした時の興奮、感動が、エクステリアをじっくり眺めていると蘇ってくる愛機ばかり。 それなりにどの機種も酷使したので、不調になって修理したもの、いまだに不調なものなどありますが、デジタル時代になってなお、その独特な存在感を発揮する 「往年の名機」 の迫力はそのまま。

 興味のある方は暇つぶしにぜひご覧ください ヾ(´▽`)ノ゙
ニッパーくん
HR-S9800 前面パネル

端正なビデオデッキ (ビデオカセッター) らしい風貌の HR-S9800。
各種スイッチ類の配置は、原則的に HR-Sx800 シリーズ共通。

HR-S9800 背面
背面部の接続端子群は、必要にして十分な数が揃ってます。 ハイエンド機の特徴でもある端子部分の金メッキはなし。

HR-S9800 操作部
正面向かって左の電源スイッチの上にある小さいつまみを押すと、各種スイッチ類が載ったドアがゆっくりと開き、テープ挿入口が現れる仕組み。

HR-S9800 操作部俯瞰

後から見ると、価格的には中級機レベルの製品ですが、この時代のハイエンド VHS 機開発の気合の入り方はたいしたもの。 インサートやオフレコ機能など、編集のための機能も盛りだくさん。
 ビクター/ Victor S-VHS HR-S9800 1990年製

 あたしが生まれて初めて買ったビデオは、ビクターの HR-D565 (1985年製/ 定価 189,800円) ってビデオデッキでした。 まだ S-VHS など登場する前でしたが、後に VHS の標準規格ともなる HQ 規格の最初の一台で、もうずいぶん昔の事なので正確な記憶はありませんが、当時放映していたアニメ (ダーティペア) がどうしても保存したくて (^-^;)、丸井で 12回払いかなんかのローンで買って、必死でバイトして払っていたのを覚えています (ちなみにまだ家にあります)。

 この HR-D565 の画質は当時としては画期的なもので大満足、結果、VHS は基本的にビクターばかり購入することになるんですが、就職して少ないながらも自由になるお金が手に入るようになって、「これだ」 と決めて購入したのが、この HR-S9800 です。 当時の定価は 175,000円。 確か新宿のヨドバシかサクラヤでお持ち帰り購入しました。

 HR-S9800 の特徴ともなっている誇らしげに設置された正面パネルの大きなジョグシャトルダイアルが、いかにも 「編集もバリバリできる高級機」 って感じです。 手にもよく馴染み (ラバーが巻かれていて高級感たっぷり、これを超えるジョグシャトルはないと思う)、使っていた期間 (我が家の他のデッキが次々戦線離脱する中、最後の最後まで健在でした)、当時の思い入れともに、人生最良のビデオデッキの1台になっています。

 またこのデッキは、衛星放送チューナーが初めて載った本格的ビデオでもありました。 1989年に本放送が開始された衛星放送 (BS) は、この当時はまだ NHK しかなく、また専用のパラボラアンテナが別途必要など、まだまだ高嶺の花のような存在でした。 あたしは大型テレビや冷蔵庫以外はたいてい車で電気製品の買出しをしていたんですが、ピカピカの BS アンテナと一緒にこのビデオを買ったときは、なんとなくちょっとした優越感を覚えたりしたものでした。 BS は結局、変な外人がスラスラ油絵を描く番組ばかり見てましたが…。

 編集機能も盛りだくさんで、そのせいでむしろ使いづらいのはビクターのお家芸ですが (^-^;)、ジョグシャトルダイアルのおかげでフレーム (コマ) 単位で正確な頭出しやつなぎができるようになった効果は絶大でした。 画質は TBC が搭載されておらず、また3次元なんたらもデジタル変調もない時代のビデオですので、「地味」 な印象もありますが、贅沢な設計と高品質なパーツで組み上げられた HR-S9800 は、ビクター風味ながら 「素性の良い上品な画質」 を出力してくれます。

 なお、いわゆる HR-Sx800 シリーズは、この S9800 をトップモデルとしてこの世代で消え、翌 1991年になり、VHS の 15周年記念モデルの代表格となる新しい X シリーズに移行しました (HR-Z1 なども15周年モデル)。 初代トップモデルである HR-X1 は3次元 Y/C 分離や3次元 DNR といった、その後ハイエンドモデルでは標準装備となる高画質技術が採用され、S-VHS の新しい時代の幕開けを告げました。 初代最上位モデル HR-X1 は定価 231,000円、そのスペシャルモデルである HR-X1 LTD はサイドパネルがつき耐震性能をあげるなど、高級オーディオのような風貌のマシンで定価は 270,000円。 各社が30万円オーバーの高級 VHS 機を競って発売する絶頂期前夜のことです。

 なお、これらの機種のちょい前に発売された超ド級ビデオに Panasonic の NV-V10000 ってのがあって (定価 417,000円、しかも重量 19.8kg)、実はこれが憧れのマシンだったのですが…その頃は車にも凝っていてそちらにやたらお金がかかり、あたしの収入では購入は無理でした…。 この時にパナを買っていたら、それ以降はパナばかり買うパナ党になっていたかも知れません。

HR-20000 前面パネル

ビデオデッキ (ビデオカセッター) というより、高級オーディオのような風貌の HR-20000。
重量は 14.5Kg。 寸法は 445(幅)x170(高さ)x462(奥行)mm

HR-20000 背面

大口径のベンチレーターは温度感知式で ON OFF が切り替わります。 口径で対流を稼ぐタイプのため、回転自体は非常に低速で、大型ケースもあって音もほとんどしません。

HR-20000 フロントドアと操作部
ホームシアターを持ってる人が使うのを前提としたような、暗くした室内で映えるダウンライトがテープ挿入口、操作部についています。 実用性はもとより、ムードのある照明ですね。
テープ挿入口は、やたら壊れる電動ローディングドアの中にあります。

HR-20000 正面

スッキリとした風貌の HR-20000。 高画質 S-VHS の系譜はその後 X シリーズを中心に受け継がれますが、20000 系を超えるボリュームの S-VHS 機は、結局二度と発売されることはありませんでした。
 ビクター/ Victor S-VHS HR-20000 1993年製

 1992年の年末にデビューした、史上最強の S-VHS とも呼ばれるデッキです。 定価 400,000円の受注生産品で (もっともかなりの数が先行出荷されたようですが)、VHS 規格生みの親、ビクターが VHS 絶頂期に持てる技術の全てを注ぎ込んだ最高級機、もう名機中の名機と呼んで差し支えないビデオデッキだと思います。

 ちなみに国立科学博物館−産業技術の歴史−では、超高画質 S-VHS とのタイトルがつけられ紹介されています。 ただし初歩的なデジタル処理 (629デジタルTBC など) がされているので、「アナログ最高峰は HR-X3 もしくは HR-X3 Spirit だ」 という意見は多いようです (んで、たぶん正しいw)。

 当時はバブルデッキの最盛期で、各社が技術力を誇示するような弩級デッキを次々発表していましたが、あらゆるビデオ関係の雑誌で最高峰タイトルを総なめにし、絶賛されまくりだった本機。 「民生用ビデオに業務用ビデオ (特機) の画質をもたらした」 ってのはちょっとオーバーだと思いますが (まぁ業務用にもいろんなレベルがありますし…ただデビュー当時 TBC を載っけてるような民生用デッキが他にあまりなかった)、シャンパンゴールドに輝く筐体はこれ以上ないくらいの高級感があり、オーディオラックに並べて眺め満足感を満喫するような上質さがあります。

 当時メーカー下請けの工業モデル試作屋の営業をやっている知人がいて、それを通じてビクターの開発の人なんかと連絡が取れる状態になっていたんですが、社内価格でそれなりの値段で購入できたのはラッキーでした。 やたら故障するデッキ正面のドア部分のローディングギアはうちでもやっぱり故障しましたがw、重々しく動くテープ挿入部分には、「最高のデッキで最高の画質をこれから楽しむ」 ような高揚感がありました。

 他方、編集とかにバリバリ使うのはかなり不便で (^-^;)、 本体にはジョグシャトルダイアルすらなく、もっぱらダビングの送り出しや録画機として使ってました。 上で紹介している HR-Sx800 シリーズや X シリーズ、80年代末期のビデオデッキ最高峰、EDV-9000 と横綱相撲を取っていた HR-S10000 (1988年製/ 300,000円/ CLIAZ クリアーツ) なんかとは、全く違ったコンセプトのデッキとなっています。 派手さはなく液晶表示部もおとなしく、安定感と静粛性を高めたそれは、部屋の明かりを落としたホームシアターで使うような質感です。

 まぁ、そうは云いつつも、当時はそれなりに酷使はしていたはずなんですが、現在はもう怖くて、テープの巻き戻しもなるべく避けるような感じになってます (安いパナのデッキをリワインダー代わりにしてます σ(´ω`。)。

 ちなみに当時フリーで雑誌なんかで仕事をしていたあたしは、94年頃をピークに仕事が激減し、また実質同性能の HR-W1 を後に購入したこともあり、使用期間はわずかでこのデッキは好事家の知人宅に売り飛ばされてしまったのでした… (;_;)/~~ ドナドナ〜。 その後なんとか経済状態も持ち直し、また知人がデジタルに移行しモスボール状態となっていたので、無事我が家に戻ってきました。

 うちはタバコを吸うんですが知人は吸わないので、結果的にうちのVTRの中でも、現在もっとも状態の良いデッキの一台になってますw

HR-W1 前面パネル

HR-20000 と同じ質感、雰囲気ですが、ちょっと派手めな印象の HR-W1。
重量は 16.2 Kg もあります。 寸法は 445(幅)x182(高さ)x463(奥行)mm

HR-W1 背面
金メッキされた端子群が整然と並ぶ HR-W1 の背面部。
HR-20000 と同じ温度感知式の大口径ベンチレーターも装備。

HR-W1 電動ローディングドア
HR-W1 の、この重厚感がたまらない(〃▽〃)。
パネルの質感はその後、普及タイプの HR-W5 にもうけつがれました。

HR-W1 背面の大きな冷却ファン
大きなケースにしまわれた冷却ファンの音は驚くほど静か。 デッキのテープ走行部が2重蓋となって通気孔もないため、稼動中はほぼ無音と云ってもいいレベル。

HR-W1 操作部

各画質調整の設定や機能のオンオフ、使用するビデオテープの選択、テレビの調整、録画モードや利用条件の取捨択一などなど、画質を自分好みに少しずつ追い込んで行くのも HR-W1 レベルのデッキの楽しみのひとつ。
 ビクター/ Victor W-VHS HR-W1 1994年製

 アナログハイビジョンをそのまま録画できる新規格、W-VHS 方式を最初に採用したビクターのフラッグシップモデルです。 定価は 620,000円。 重厚感といいエクステリアフィニッシュの上質感といい、物量時代、バブル時代を象徴するような超高級デッキですね。

 それまでの VHS や S-VHS と互換性があり、その部分は先に発売されたビクター S-VHS デッキの最高峰、HR-20000 のパーツやシステムをそのまま移植してます。 つまり HR-20000 に W-VHS デッキを載せたような構造ですね。

 背面を見るとそれは端的で、大きく飛び出した空冷ファン、その右側のモジュラージャック類は HR-20000 と同じで、その下にハイビジョン関係のジャック類が突き出すように追加されています。 ただし全高は、2cm 高いだけでほぼ同じ (外見上は、足 (インシュレーター) が延長されただけみたいに見える)。 フロントのドア部分も同じつくりですが、正面パネルやサイドパネルは全く新しくなっていて、ムードは同じだけどちょっと違うような感じです。

 画質はさすがに文句のつけようがなく、音質もちょっとしたオーディオ機なみの高品質で出力します。 ただし使い勝手はあまりよくなく、全体的にもっさりとした感じがするのは残念なところ。 あたしゃ貧乏な時期に 「カセットをいきなり突っ込むとそのまま電源が入って再生を始める」 ような格安 VHS 機をやむなく使っていた時期があって、それに比べると何をするにもひと手間、ふた手間といった感じがします。 ゆったり高級感に包まれながらホームシアターでビデオを楽しむなんて使い方だと、ぴったりなんでしょうけどね。

 使い勝手と云えば、元々複雑な HR-20000 をベースに、これでもかとビス1本まで選ぶようなつくりになっているので (実際、パネル類も見るからに高そうなビスでとめてあります)、経年による新品パーツの不足も含め、故障した時が恐ろしいのがこの機種の特徴でしょうか。

 カタログによるとヘッドは 11個もついているそうで (^-^;)、ヘッド周りを交換ともなると、オーバーホール込みで修理代が10万から15万だと云うから恐ろしい。 趣味の 「クラシックデッキ」 と化した今、維持にお金がかかるのは仕方ないとは云え、無頓着に使うのは怖い感じです。 さりとて電源を長期間入れなかったりテープを回さないとそれはそれで問題ですし、う〜ん、手間のかかるのが家に住んでるって感じでしょうか。 電解コンデンサー劣化とか、避けられない運命はありますが…何とか長生きして欲しいものです。

HR-20000、HR-W1、HR-W5 のリモコン
使いづらいと評判のリモコン 左から HR-20000、HR-W1、HR-W5
HR-S9800 の巨大リモコンは行方知れず…。

 なお、このビデオが華々しく登場した 1992年、ビクターは前年より続く売上不振にあえいでいる時で、1993年には VHS 関連の特許の多くが消失し、ビクターは上場以来初の無配に転落。

 技術者は最高のデッキを作り、また後にスタンダードになるワイドテレビ一号機を開発、発売し、さらに DVD の原型とも呼ばれるビデオ CD 規格を他社と共同で開発するなど、技術立国日本を支える屋台骨のひとつでしたが、時代の流れか、バブル崩壊以上の苦境の時を迎えることになります。

 94年頃をピークに仕事が激減しした我が家のデッキも、売りに出したり質屋を出たり入ったりを繰り返す事態に…。

HR-W5 前面パネル

HR-W5 の正面はドアパネルで覆われスイッチ類はひとつもありません。

HR-W5 背面
電源コードは脱着式。

HR-W5 操作部を開けたところ
HR-W5 のフロントドアを開けると、共通の筐体を持つビクター最後のハイエンド S-VHS である HR-X7 とほとんど区別がつかない感じです。 エンブレムの文字と、天板の突起、通気孔の位置 (HR-X7 は正面方向、HR-W5は背面方向) と孔の数が違う程度。
後にビクター最初の D-VHS 機である HM-DR10000 の筐体にも流用されてます。

HR-W5 操作部

HR-W5 と同世代の HR-X5 は黒とシルバーを基調としたデザインで、フロントパネルは HR-X7 同様、透明なアクリル板で覆われるタイプでした。
 ビクター/ Victor W-VHS HR-W5 1995年製

 W-VHS 最後のデッキで、HR-W1 の廉価普及機のような位置づけのデッキです。 とは云え定価は 340,000円で、時代がアナログからデジタルに移る、まさにその瞬間に輝いたハイエンドモデルデッキです。 自分が入手した後のことは詳しく知りませんが、これがなくなると事実上 W-VHS フォーマットの終焉となるので (業務用としては使われているようですけど)、結構長い間ラインナップに載っていたような記憶があります。

 ちなみにあたしがビデオやオーディオ関係にお金を使えた幸せな時期最後のデッキで、その意味でも感慨深い…。 故障しても修理代も払えない、サービスセンターに運ぼうにも車もない時代が続き、ごく最近、やっと完全復活しました。

 HR-W1 との変更点は多々ありますが、コストダウンを図るためか、全体ではかなり貧弱な感じがします (HR-W1 とかと比べるとってだけで、重量 10kg の大型機なんですがw)。 背面の冷却ファンは省略され、上部パネルに通気孔が多数開くボディになりましたし、HR-20000 などで重々しく開閉したフローティングドアもなくなっています (S-VHS 部分が他の2機とは違うので当然ですが)。 一方、ハイエンドモデルらしく、本体にジョグダイアルがあるのは嬉しいところ。 純然たる S-VHS リファレンスモデルである、HR-X5 (1995年/ 定価 225,000円) や HR-X7 (1998年/ 定価 250,000円/ 最後のハイエンド S-VHS) と同じレイアウトで、これらをベースに W-VHS が乗っている格好です。

 しかし両モデルの後に満を持して発売された機種だけに、その後の技術革新なども取り入れられ、画質、音質では引けを取らないモデルとなっています。 とりわけチューナー部分とオーディオ部分の改善が著しく、テレビ放送を受信し録画する使い方では、HR-20000 や HR-W1 に負けない (と云うか、むしろ凌駕する) 画質、音質レベルに到達しています。

 現在発売されている新しい S-VHS デッキはどれもコストダウンしか頭にないようなものばかりなので (まぁ終わったフォーマットだから仕方ないんでしょうけど)、もし S-VHS テープのデジタル化や通常波放送の高画質記録をするなら、「信頼できる中古ショップで状態の良い W5 を買え」 と云うと思います。 他の人に聞いたら 「Panasonic NV-SB900 にしなさい」 と云われると思いますが、耳を貸してはいけません! (´□`。)。

 相変わらず編集に使うには、やたら機能が盛りだくさんで使いづらいんですが (^-^;)、これぞ S-VHS の重厚モデルって感じの存在感が素敵です。 こんな贅沢なデッキ、もう現在の PSE マークつきの薄っぺらいレコーダーじゃ作られることはないんでしょうねぇ。

 ちなみに W-VHS はアナログハイビジョンを録画再生することができるんですが、SD モードという独特な使い方もあり (SDTV/ Standard Definition Television/ 通常の NTSC 標準画質テレビ放送を、ほとんど 「そのまま」 記録再生できる)、これがまた非常に実用性があり、また使い勝手の良いものでした。
 S-VHS の高級テープを使ったときの標準録画なみ、あるいはそれを凌駕する画質で3倍速録画ができ、さすがに W-VHS テープ自体がバカ高かったので多用するのは無理でしたが (120分テープで 3,000円くらいした)、こいつだけはずっと保存したいって取っておきの番組は、これで収録していたものです。

 この後、ハイエンドビデオデッキはデジタルの時代に突入。 D-VHS や DV などを経て現在に至るわけですが、「重厚な機械仕掛けのデッキ」 は、HDD 時代となるに及んで、もう完全に過去の話になってゆくんでしょうね。 あたしゃ映像は8ミリシネから入ったし、音楽もアナログレコードを聴いていた期間が長いですし、携帯電話もアナログをずっと使ってました。 そういやぜんぜん関係ないけど、パソコン通信からインターネットに移る時も、結構最後の方まで粘ったなぁ…。 「デジタルなんかダメダメ、アナログには勝てない」「デジタル録画など便利なだけ、S-VHS の超高画質の前にはしょせん子供だまし」 なんて、攻撃的なことを云うつもりは全くないんですが (当時のD-VHS のフラッグシップ機、HM-DH30000 は定価 235,000円と、S-VHS なら中級機程度の値段だったので、当時新鋭機を買うお金があったら、あっさりデジタルに移行してたと思いますw)、う〜ん、何でもかんでも薄っぺらくなって行くのは、ちょっと寂しい感じです。

 でもまぁ、デジタルも過渡期を経て本格的なデジタルハイビジョンなんかがずいぶん身近になってきましたし (58インチとか65インチとかのフルハイビジョンを店で見ると、さすがに圧倒的な画質と迫力に衝撃を受けます)、VHS は懐かしい思い出として、歴史の中で輝くのかな。 ビクターは松下の傘下からはずれ、アメリカの投資ファンドに身売りが決まったようですが… (日本企業のケンウッドの買収をビクターが蹴ったようなんで、社内的には成算する見込みがあるんでしょうけど)、D-VHS までの栄光の歴史も今は薄れ、HDD レコや DVD レコでは散々な評判ですが (しかも大半がシャープの OEM だし)、先進的であたしのような人種がワクワクする製品を作り続けてくれることを期待します。 子供の頃、町の電気屋の 「ビクター犬」 の頭をなでていたあたし、これからも輝く素敵な電気メーカーでいてください。

 ええとそれと、デッドストックの HM-DHX1 はどこかにありませんか!? ><。
 ■ その他の過去愛用していた VHS デッキ

■ Victor VHS HR-D565 1985年購入。 現物あり、写真そのうち。
■ Sharp VC-BS600 1992年購入。 定価 250,000円 現物、写真なし。
■ AIWA HV-FR100 2002年購入。 価格 20,475円 (1万円くらいだった) 現物、写真なし。
■ Panasonic NV-VP51S 2004年購入。 現物あり、写真そのうち。

ベータ、Hi8 デッキは SONY ばかり、カメラは 8ミリビデオと Hi8 (SONY と Sharp) のみでした。 こちらは周辺機器と一緒にまとめて売ってしまって実機がないものが大半なので、まとめることはなさそうです。 写真くらい撮っておけばよかったな…。 なお姉妹サイトの 「同人用語の基礎知識」 ページでも、ビデオの解説を行っています。 こちら 「ビデオデッキ」 です。
 
(喫茶《ぱらだいす☆あ〜み〜》皿洗い/ うっ!)
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