同人用語の基礎知識

カラコン/ カラーコンタクト

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表情が一変する魅惑的なアイテム 「カラコン」、しかし…

 「カラコン」「カラーコンタクト」(Collar Contact Lens) とは、目の瞳 (角膜) 部分に装着するコンタクトレンズのうち、しばしば医療用途外の派手な色、模様がプリントされたファッション要素の高いコンタクトのことです。 コスプレ の世界でもよく使われることから、「コスプレレンズ」「アニメレンズ」 と呼ぶ場合もあります。

 「コンタクト」 とは、そのまんまですが 「接触」 の意味で、目に直接装着することからこう呼ばれます。 うち 「カラコン」 については、視力矯正・補正用の 「度」 の入ったものも多く (高度管理医療機器扱い)、使い方も通常のコンタクトレンズと同様ですが、度のないおしゃれ用のカラコンは、しばしばコンタクトに不慣れな人が見た目重視、ファッション用として十分な知識のないまま装着、もしくは常用し、目に 回復 できない深刻な ダメージ を受ける場合もあります。

 また2008年になって法律により規制があったものの、医療用でないファッション用カラコンは長年医療器具として扱われておらず (雑貨品、玩具扱い)、薬事法による規制や基準がなかったため、粗悪な商品が出回り問題となったこともあります。 色が角膜に滲み出したり、酸素透過性が悪く目が炎症を起こしたり、目とレンズのカーブが合わず、まばたきする度に角膜を直接傷つけ、アカントアメーバなどの深刻な細菌感染を引き起こしたり、その症状を悪化させるようなものまであります。 また長時間装着により眼瞼下垂を引き起こし、目が開きにくく瞼の筋肉を痛める (結果として視力障害や腫れぼったい目になったりもする) 場合もあります。

 高ければ良いという訳ではありませんが、もし利用するのなら、国内の医療用コンタクトを製造もしくは販売しているきちんとしたメーカー製のものを、専門の店員さんのいるきちんとしたお店で指導を受けて買うようにしましょう。 よく分からないメーカーのものを通販や雑貨店、ディスカウントショップなどで買うのは大変危険です。 また常用はせず、少しでも違和感や異常、充血を覚えたら直ちに使用を中止して、すぐに眼科の診療を受けるべきです。 街の大きな病院には眼科があり、保険もちゃんと効きますから、「そのうち治るだろう」 で放置しないことが大切です。

カラコンの前提として、そもそもなぜ目の色は違うのか?

 目 (瞳) の色には様々なものがあります。 人種によって大きく変わりますが、同じ人種であっても、個人差もかなりあります。 この色の違いの原因ですが、肌の色や髪の毛の色と同様、目の中のメラニン色素の含有量によって決まります。 より正確には、瞳の虹彩上皮細胞部分 (虹彩/ 角膜から 透け て見える、瞳孔のサイズを調節する茶色っぽい部分) にあるメラニン細胞が作り出すメラニン色素が、ストロマ (Stroma) にどのくらい付着しているかによって色が決まります。

 ストロマは目に入る光をブロックする役割を果たし、この部分にメラニン色素がたくさん入っている場合はより黒く (濃褐色)、そうでない場合は茶褐色や琥珀色になったり、青や緑、場合によっては赤くなったりもします。 ちなみに 「赤」 は、メラニン色素がほとんどなく (アルビノ)、血液の色がそのまま透けて見えている状態です。 一般的に日本人を含む黄色人種や黒人は黒っぽい目が多く、白人は薄い色、グレーや緑、青などの瞳を持つ人が多くなっています。

 なお稀に、左右で瞳の色が異なる場合もあります。 その場合は オッドアイ などと呼びます。 カラコンで再現する場合は、左右で異なる色のカラコンを入れたり、片方だけにカラコンを入れることになります。

カラーコンタクト再現図 レッドカラコン カモ〜ン

 左画像は、様々なカラコンの再現図です。

「カラーコンタクトの再現図」

これは再現図です。下のサムネイル画像へマウスオーバーすると、左側に大きな再現図が表示されます。

回線の状態によっては、表示までに少々時間がかかる場合があります。

自然体 デカ目カラコン グリーンカラコン
ブルーカラコン レッドカラコン イエローカラコン

「目」 がおしゃれの重要な要素といえど…

 元々おしゃれ用のカラコンは、欧米などで広く普及していました。 欧米人は虹彩の色が薄く、装着した際の効果が高かったからですね。

 また日本などと違い 「青い目」 を持つ人も多く、それがチャームポイントとなっていることもあって、「碧眼」(Blue-Eyes) のために利用したり、ちょっとしたパーティーで目立つためのグッズとして非常に人気があったようです。

 日本の場合、元々虹彩が黒っぽい上に、ほとんどの日本人が同じような目の色だったため、こういった種類の 「おしゃれ」 は流行らなかった歴史があります。 「ファッション」 というより、お祭りなどの 「仮装」 のための アイテム みたいな扱いだったのですね。

 歌手の沢田研二さん (ジュリー) が 「恋のバッドチューニング」(1980年4月21日) で派手なパフォーマンスのひとつとして青いカラーコンタクトをしてテレビなどに出演していましたが、一般にも強烈に 「カラコン」 を意識させたのは、この頃からではないでしょうか。 ただし次の曲となる 「酒場でDABADA」(1980年9月21日) でカラーコンタクトを使うことはなく、ほとんど一過性の話題にしかなりませんでした。

 映画やテレビドラマなどでの 「特殊メイク」 の道具としては昔からその存在が知られ、有名なところでは手塚治虫原作のテレビドラマ 「バンパイヤ」(フジテレビ系列/ 1968年10月5日〜1969年3月29日/ 全26話/ アニメと実写を組み合わせた モノクロ 作品でした) において、狼男である立花特平(トッペイ) 役を演じた中学生時代の水谷豊さんが、金色のカラーコンタクトを使用。 独特のムードをかもし出しています。

 ちなみにこの俳優さんと同姓同名となる著名な眼科医に水谷豊さん (1913年〜1991年) という方がいて、この方が日本で初めてコンタクトレンズの開発をはじめ (1949年)、1951年に臨床的な成功をおさめ、後にコンタクトレンズメーカー 日本コンタクトレンズ (ニチコン) を創業 (1958年) しています。 これにより医師水谷さんは日本コンタクトレンズの父と呼ばれることとなり、後年このエピソードがあわさったためや、映像や 画像 として記録が残っていることもあり、前述した俳優の水谷豊さんが日本で最初のカラコン使用者との話も広まっているようです。

 なお特異な瞳の虹彩模様が描かれるマンガ・アニメ 「NARUTO -ナルト-」 の血継限界や血継淘汰における三大瞳術 (写輪眼・白眼・輪廻眼) の様子を モチーフ とした専用カラコンなども発売されており、万華鏡写輪眼を瞳に宿した海外の コスプレイヤー などが見かけられます。

目元のおしゃれ、コスプレでカラーコンタクトが広まりブームに

 その後1990年代になり、カラーコンタクトが徐々に普及。 一部芸能人が瞳を大きく見せるためのカラーコンタクト (「デカ目カラコン」 など) を着用するようになり、それを紹介し販売する業者も出現。 ドレスアップアイテムとして 認知 されていったようです。

 こうした傾向はコスプレイヤーの世界にも入ってきて、アニメチック、ゲーム キャラ っぽい目の色を再現したり、独特のクールな印象を得るために利用する人が増えるようになりました。 ジュリーの 「恋のバッドチューニング」 の時代と違い、カラコンではない普通の医療用コンタクトレンズも桁違いに普及していましたから、コンタクトレンズにあまり抵抗感がなくなっていたこともあるのでしょう。

 しかしブームとともに安価な粗悪品も出回るようになり、とりわけいい加減な技術、劣悪な衛生状態の下で作られた中国製や韓国製のカラコン利用による、深刻な視力障害や眼病を発症するケースも 2000年代に入って目立つようになりました。 製品から色素が溶け出し、着色用の金属が角膜に入ったなんてケースもあります。 一度入ってしまったら、現在の医療では取り除く方法はありません。 最悪の場合はその後の何十年の人生を、視界に影がでたままで生活することになってしまう場合もあります。

 またきちんとしたメーカーのものでも、利用者が煮沸殺菌・洗浄などをきちんと行わない、酸素透過性の低いカラコンを装着したまま寝てしまった…などといった誤った使い方から生じる トラブル や、サイズや形状が合わないレンズで角膜や視神経、筋肉を損傷するなど、深刻な健康被害も頻発しています。

どうしても装着したいなら、きちんとしたメーカー製を

 コスプレでは小物類として、手に持つアイテム (武器などの 得物 など) や 「ウィッグ」(カツラ)、「ツケマ」(つけまつげ)、ネイルアートなどで、細部に凝るケースも多いものです。 しかし他のアイテムと違い、カラーコンタクトは直接デリケートな目につけるものです。

 目は脳と直結した器官で唯一外部に 露出 している特殊なものですし、角膜は血管がなく空気中から酸素を取り込んでいる特殊な細胞でできています。 また単に視覚を得るだけでなく、脳の活動 (心理状態の変化や頭痛・肩こりなど) に様々な影響を及ぼすとても大切で重要な器官です。 しかも角膜細胞は一度損なわれると、二度と元に戻ることはありません。 眼病にかかった際、角膜を削ることで治療を行うケースがありますが、角膜が損なわれていると、それができなくなってしまいます。

 化粧品も体や皮膚に直接つけるものなのでリスクの高い 「おしゃれ」 となりますが、皮膚細胞と違い再生せず、人生の質、ライフクオリティーに極めて大きな影響を持つ眼球に装着するカラーコンタクトは、それらとは比べ物にならないくらいはるかに高いリスクを持っているのは強く認識すべきでしょう。

 カラコンなどは長い間使うものでもないし、できるだけ安上がりにしたい気持ちは分かります。 しかし大切な目を痛めてしまったり、最悪 失明などになってしまっては、大好きな アニメマンガゲームライトノベル も楽しめなくなってしまいます (カラコンとは異なりますが、100円ショップなどで売っている安価な外国製の化粧品やつけまつげなども、目を始め健康トラブルがよく起こっています)。

 なにやらクドクドと 「お母さんの説教」 みたいな話ばかりするのもアレですが、人生は長いです。 そして自分の身を守るのは、最終的には自分だけです。 あまり口やかましく注意点ばかり述べるのもあれですが、自分の体は一つだけです。 大事に大切にするようにしましょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2007年9月20日)
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