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脊髄反射レス

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脳みそを使わず神経だけで激怒・反論 「脊髄反射レス」

 「脊髄反射レス」 とは、ネット掲示板 などで、自分宛か自分宛だと思い込んだ他人の 書き込み をちゃんと読まず、理解もせず、目に入った語句や些細な言い回しだけに着目して勝手に批判されたと判断して感情を爆発させ、逆上した勢いで勘違いや見当違いの、しばしばヒステリーじみた反論の レス をすることです。

 脊髄反射とは、人や脊椎のある生物が何らかの刺激を受けて反射行動を取る際に、脳を介さず脊髄内だけで反射が完結する反応のことです。 緊急時に脳へ情報を伝達し判断していては間に合わない場合に、とっさに身を守るために行われます。 例えば火や熱湯などに触れると無意識に手を引っ込める、座った状態で膝頭を叩くと足がピクンと跳ねるなどがそれにあたります。 義務教育で習う範囲であり、ネットスラング として使われる以前から、似たような意味で使われてきた言葉でしょう。 これが転じて、「脳みそを使わずに脊髄反射だけで書き込みをしている」 との意味で 「脊髄反射レス」 や単に 「脊髄反射」 と呼ぶようになりました。

 こうしたレスをする人は、文章がまともに読めないとか論理的思考ができないなど元々話が通じないタイプの場合もありますが、疲労や飲酒で判断力が低下しているとか、イライラが募って頭に血が上って興奮し、一時的にそうした状態になっているだけの場合もあります。 話が通じないタイプはどうしようもありませんが、一時的に興奮していたり、精神的に疲れていて簡単な文章の読解や論理的な思考ができないような場合は、「ついカッとなって 思わず手が出たみたいなレス」 といった ニュアンス としても認識されます。 「脊髄反射してすまん」 みたいな感じですね。 もし自分のレスに 「脊髄反射」 とレスが付いた場合は、一度冷静になって相手の文章を読み返す方が良いですし、相手がそれを認めたなら、勘違いだったで不問に付すのがスマートなやり方でしょう。

 パソ通 時代ならいざ知らず、何かとスピードアップしている インターネット の時代にはそぐわない考え方だとは思いますが、腹に据えかねる意見に反論する場合は即レスはせず、一晩置いて冷静になってから、あるいは正常な思考ができる状態になってから書き込むかどうか判断する方が良いかもしれません。 実際、怒りに任せて即レスをしようとして踏みとどまり、改めて相手の文章を見たらこちらの勘違いだった…レスする前で良かった…なんてことは、長くネットをやってるといくらでもあるものです。

 一方で、文意が伝わりにくい長文や無駄にひねったレトリック、比喩や反語そのものが、ネットでは誤解や意図しない チェリーピッキング、脊髄反射を招く悪文だとして批判される部分もあります。 とくに掲示板では、3行を超えるような長文は読むのも面倒なため、「長い」「短くまとめろ」 との苦情がでる場合も少なくありません。

掲示板の外でも…迷惑な脊髄反射による怒りや拡散

 掲示板のレス以外でも、ネット上で迷惑な脊髄反射をする人は結構います。 例えば ツイッター などで、事実関係を調べずに他人の恣意的な要約を読んだだけで激怒し誤った情報を RT などで 拡散 する人、全体の意味や文脈や行間を見ずに特定のキーワードだけに過剰反応して頭に血が上ってしまう人、ニュース記事などで 本文 を確認せずに不正確な記事タイトルだけを見て罵詈雑言を浴びせるような人たちです。

 掲示板で脊髄反射するだけなら本人が赤っ恥をかいて終わりですが、悪意のある 切り抜き を怒りに任せて広めたり、勘違いやデマに踊らされて怒っている人と一緒になって誰かに石を投げるような行為は、デマを広め他者へ危害を及ぼしかねない脊髄反射でしょう。 場合によっては強い 党派性 の元に、デマや不確かな情報だとわかった上で、意図的に脊髄反射のふりをして拡散する人もいます (後でそれを批判されても 「RT は必ずしも賛同ではない」「私も騙された」 と被害者ぶることができるかなり悪質なやり方です)。

 大手メディアだって誤報することがありますし、世間話をする程度の感覚で SNS を使っている人がいちいち事実関係の確認などしてられないという気持ちは分かりますが、誰か特定個人を悪しざまに表現している個人の ツイート とか、震災時における不確か・不正確な緊急情報などを安易に拡散するのは避けた方が無難でしょう。

 確かにこうしたツイートは社会正義の側に立って悪を叩いたり弱者を救うようなものが多く、拡散したくなるのは分かりますが、デマや不正確な情報を拡散して人を追い詰める可能性がありますし、最初にそれを目にするのは他ならぬ自分の フォロワー や友人知人だという点は、自戒も込めて忘れないようにしたいものです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年10月9日)
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