足が長く細く見える人気のアイテム 「ハイヒール」
「ハイヒール」(high heels) とは、靴 のうち ソール (靴底) のヒール (かかと) 部分が他の部分より高くなったもの、あるいはヒール部分そのものを指して使われる言葉です。 一般的には7cm 以上の高さを持つものがそう呼ばれることが多いでしょう。 ヒールの形状にはいくつか種類があり、ヒール部分が極端に細くなったものはピンヒール、ずんぐりとした太いものはチャンキーヒール、つま先からヒール部分までの底部が繋がっていて横から見るとクサビ形になるものはウェッジヒールと呼びます。
パンプスやサンダル、ブーツ など靴の種類を選ばず、またもっぱら女性用の靴でよく見られる形状ですが、男性用のものも存在します。 対義語はローヒール、あるいはぺたんこで、ヒールだけでなく靴底全体が高くなったものは 厚底 と呼びます。 また外から見てわかりやすい靴底部分だけではなく、主に身長アップ効果を見込んで中底部分に隠れるようにヒールを高くしたものはシークレットシューズと呼ぶことがあります。
いずれも足を長く細く見せ、女性のスタイルを美しくする効果があります。 とくにピンヒールについてはエレガント、あるいは厳格さや拘束性、ある種の フェチ的 な エロ さを覚えるとする 性癖 もあります。 ピンヒールパンプスは SM における女王様の 定番 の靴ですし、編み上げ の ロングブーツ にピンヒールなどは、ボンテージファッションのひとつのシンボルでもあります。
何かと辛いハイヒール…反対運動なども
一方で履いた際に足に対する負担はかなりのものです。 靴擦れが起こりやすくなりますし、ヒールの高さによっては実質的につま先立ちして歩いているのとさほど大差がない姿勢ですし、慣れの問題とは云え、しばらくすると足 (とくにつま先部分) が痛くなってきます。 また恒常的にハイヒールを履いていることで足や膝、腰に負担がかかったり、つま先に体重の多くが集まることで、靴のトゥ部分 (先端) の形状によっては外反母趾 (親指がそれぞれの足の内側に向かって曲がる) になってしまう可能性があります。
2019年には女性が職場で業務と無関係のハイヒールやパンプスの着用を有形無形に強制されがちな現状を憂い、それに反対する運動 (#KuToo (クートゥー/ 靴と苦痛を合わせ、また2017年頃からアメリカで話題となっていた #MeToo (ミートゥー/ セクハラや性的暴行を受けた女性被害者による加害告発) 運動の名称 (SNS での ハッシュタグ) とを掛けたもの) も生じています。
この運動は ネット を通じて大きな反響を受け、2020年3月3日には 「パンプス強制許されない」 として参院予算委員会でも共産党小池議員の質問の形で取り上げられ、安倍総理も質疑の中で 「女性に対して服装において苦痛を強いることはあってはならないということは明確に申し上げておきたい」 と 同意 しています。
ファッション の多くは、その源を探れば身に着ける人の身体や社会的なあれこれを縛ったり明確化するものでもあり、成立し社会通念として広がる中で時代と共に形骸化したり一部の人に苦痛や不快感を与えてしまうようになったものもあります。 業務上必要なもの (例えば冠婚葬祭に関わる業務での礼服とか、より極端なものでは工事現場での安全靴とか) ならともかく、そうでないなら規則で縛ったりそれが当たり前みたいな通念や風習はなくす方向に動くのが当然でしょう。
このあたり、社会通念は誰が作っているのかの議論も含め、色々と難しい問題ではあります。 自分の好みや恋人の好みに合わせるとか、職場や学校の常識的な 制服 ならともかく、それ以外で衣服のあれこれを決められてしまうのも時代に合ってはいないでしょう。 とはいえ社会通連、あるいは マナー などは、それに価値を感じている人が多数派であるうちは、その通念の中にいれば自分を守ってくれるものでもあります。 それに従うにせよ異を唱え抗うにせよ、自分は自分、他人は他人という考え方ができるようになるといいですね。 現代のファッションの多くは、歴史的経緯はともかくそれ自体に 罪 があるわけではありませんので。
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック
