苦労して手に入れたキャラが、武器が、弱体化… 「ナーフ」
「ナーフ」 とは、主に オンライン で遊ぶ ネトゲ などにおいて、ゲーム に登場する キャラ や 装備品、アイテム、スキルや攻撃といった 行為判定 を行う要素の能力 （スペック） を下げること、弱体化させることです。 「下方修正」 や 「弱化」「劣化」 とも呼びます。
もっぱらゲームにおける 難易度 をコントロールするための調整として行われ、「ナーフした」「ナーフされた」 といった動詞としても使われます。
元々は英語の 「Nerf」（Nerfed/ 弱体化） から来ており、語源は諸説あるものの、2004年11月23日にリリースされた MMORPG 「World of Warcraft」（ワールド オブ ウォークラフト/ WoW） にて装備品が弱体化された際に、プレイヤー が ネット で批判するために広く使われるようになって定着したとされます。 せっかく入手した武器がゲーム調整で弱くなってしまったことを嘆く文脈での言葉となっていますが、2010年に登録ユーザ数が1,000万人を突破する大ヒット作品となっていたこともあり、こうした状況を指す汎用性のある言葉として広がったようです。
なお対義語は beef up （ビーフアップ） や Buff （バフ）、強化、上方修正 などとなります。 ただしバフは一般に 「一時的な能力上昇」 をあらわすことが多いので （逆は デバフ）、beef up ともども、ナーフのような広がり方はしておらず、日本では上方修正という呼び方が一般的でしょう。
下方修正のみナーフという言い回しが日本で普及したのは、使いやすいカタカナ文字列だという点もさることながら、上方修正に比べるとプレイヤー側が苛立ちやすく、影響力のある 実況 の 配信者 をはじめネットで苦情が 書き込み されやすく目によくつく点が影響しているのでしょう。
いずれの場合も アップデート を伴う メンテナンス と同時に行われることが多くなっていますが、バグ などの不都合を原因とする致命的な問題があった場合は、臨時メンテナンスやメンテナンスなし （ノンメンテ） で稼働しながら即時に行われることもあります。
ゲームバランス維持のための調整は仕方がないとは云うものの…
ナーフ対応は、特定の武器などが持っている攻撃力や連射性能といった素の パラメータ や 設定 が減らされるといった分かりやすいものから、特殊攻撃の範囲が狭くされたり装備できるキャラやジョブに制限が課せられる、他の武器やスキルとの複合効果が消されるといった間接的なものまで様々です。
キャラや装備品、ジョブといった要素は様々な他の要素や 環境 と組み合わせることで能力が変化しますから、プレイヤーがゲーム制作者側の想定外の使い方を行ってゲームバランスを崩すほどの強さとなった場合 （いわゆる ぶっ壊れ）、全体のバランスを維持するために微調整をするのは仕方がない部分があります。
とはいえ、それまでその 「強さ」 に慣れてしまったプレイヤーや、その強さに憧れて必死にキャラなり武器なりジョブなりを手間暇かけて、あるいは大金をつぎ込んで手に入れたプレイヤーにとっては、後出しで弱体化させられるのは当然ながら納得がいかない部分もあります。 ましてそれが自分の好きなキャラや武器なら、なおさらでしょう。
アレンジ・派生した言葉も様々
なお能力の弱体化とは直接関係がなくとも、下方修正や劣化といった意味を拡大してアレンジした派生語としても使われるようになっています。 例えばキャラのおっぱいが小さくなってしまった場合は 「乳ナーフ」、エッチな服装やキャラの仕草が改変された場合は 「エロナーフ」 などと呼びます。
18禁 やパソコン向けのゲームなどが全年齢向けの家庭用ゲーム機やスマホ向けゲームとして移植されたりリニューアルなどをすると、こうした部分の視覚的な健全化？ が図られることもあり、しばしば揶揄や批判的な ニュアンス で使われます。
なお逆におっぱいが大きく描かれるといった場合は 「盛る」 といった云い方をしたり上方修正として扱う場合もありますが、健全系の作品に不必要なほどのエロ要素が追加されたり正真正銘の 18禁・成人向け 作品としてリニューアルなどをした場合は、エロゲ堕ち といった云い方がされます。
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