同人用語の基礎知識

J禁/ ジャニーズ禁止/ 事務所禁止

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昔も今も、最大のメジャージャンルのひとつ、ジャニーズ…

 「J禁」 とは、芸能を扱った ジャンル芸能同人・ナマモノ同人) における一大勢力、ジャニーズ事務所所属タレント系の創作活動を行っている 同人サークル 間で使われる言葉で、ジャニーズ (Johnny's) 事務所禁止…、すなわち、事務所関係者やタレント本人への配布や閲覧を禁じます…との意味の略語です。 Jを 「事務所」(Jimusyo) の頭文字とし、ジャニーズ以外のタレントさん、サークルさんの間でも使われる場合があります。 内容は取りあえず、やおい が大半です。

 なぜこのような言葉が生まれるに至ったのかと云えば、初期の頃の芸能同人誌は純粋な ファン 活動として、タレントさん本人への応援メッセージやファン同士が語るタレントさんの魅力など、タレントさんを応援するための寄せ書きのようだったことがあります (大半が FC と呼ばれる私設のファンクラブの会報や、手作りの 肉筆回覧誌 のようなもの)。

 こうした内容でしたから、ファンレターを郵便で送るように 同人誌 そのものを事務所やプロダクションに送付したり、コンサートなどで対象となるタレントさんに手渡したりといった行為が、慣習として 普通に 行われていたのでした。

ファンの 「似顔絵」 から 「創作」 の世界、そして 「J禁」 へ…

 もちろんこうしたタレント本のご本人への献本は現在でも行われていますし、それ自体はファンレターの延長であり問題はないと思うのですが、似顔絵から発展した芸能同人誌の イラスト は、やがて マンガ のようなストーリーのあるものになって行き、また少女漫画に登場する ヒーロー のように極端な美化やデフォルメが行わるようになりました。

 さらには同じジャニーズ事務所のタレント同士の 「やおい」 表現が登場するに至って、「こりゃ本人には渡せないし、事務所の人に見せる訳にもいかない」 との 雰囲気 が時代を経るごとに蔓延していったのでした。 以降、こうした事情と必要性もあり、「この同人誌はタレントさんに献本しても大丈夫」「こちらの同人誌はダメ」 との分化が始まり、後者を 「J禁」 と呼ぶようになりました。

 本来の言葉としては、文字通り 「本人への献本禁止、事務所への配布禁止」 ですが、これが転じて 「本人には見せられないような内容を含んでいます (やおい表現などがあります)」 との代名詞となり、いわば芸能同人における 「健全本」 か 「18禁、同人本」 かの違いを示す表記のようにもなっています。 興味のない人が後者を見ても気分を悪くし、さらに問題を起こすだけだったりするので、苦手な人は近づかないようにするのが大切です。

創作ものを快く思わないファンから事務所へ通報されるなどの実害も

 なおこうしたジャンルが大きくなるにつれ、そうした風潮を快く思わないファンらが、こうした同人誌を事務所などへ 「通報、チクリ」 のような形で送付したり (当時の同人誌には 奥付作者 の連絡先などが載っているケースが多く、作者が事務所に呼び出されて謝罪させられた…なんて話が、真偽はともかくとして 1980年代からいくつもあります)、それらに対する牽制、あるいは免責でもあったりします。

 ジャニーズに限らず、他の芸能事務所や芸能プロでも、こうしたアダルトな表現を用いた同人誌は 「タレントのイメージを悪くする」 と禁止する方向で考えているところが多く、同人誌の作者側からしたら、これは切実なお願いかも知れません。 事務所やタレント本人から明確に存在を否定されたり禁止されてしまったら、そのジャンルは終わってしまいますから。 とりわけ 2000年代となり、ネット の利用者の低年齢化が進み、結果的に広く作品が世の中に出回るようになったこと、もともとジャニーズはじめアイドル関係は新しくデビューするタレントが未成年の場合も多く、その相乗効果によって通常のファンらとそのつど細かい問題が発生し、それを避けようという空気もますます強まっています。

 また同人誌の世界の規模が大きくなり、値段をつけて 頒布 するようになったり、同人専門の古書店が誕生し、作者本人が望まない形で作品の 二次流通 による市場が開拓され拡大が始まると、著作権 や肖像権、知的財産にまつわる金銭面の問題も生じ、無視できない レベル にまで至っています。 タレント事務所にとってタレントは商品であり、相手が企業であれ個人であれ、その商品を勝手に使ってお金を得ているのを看過することはできないのですね。

J禁P禁…いろんな趣味を持つファンが共存するために

 ナマモノ同人系のサークルの作者や同人サイトの 管理人 は、自分の作品を一般にも広く見せてゆこう、などとは考えていない人がほとんどです。 それなりに節度を持って、閉じた世界の中でやっている人がほとんどなので、必要以上に表に出して、無用な トラブル を起こすような行いは慎んだほうが良いでしょう。 トラブルになっても、タレントさん、事務所の関係者、同人好きなファン、同人の嫌いなファン、誰も得はしないのですから。

 なお 「一般人」 の閲覧を禁止しますという意味で 「一般禁」「パンピ禁」、あるいは P禁 と呼ぶ場合があります。 J禁P禁 (二大禁) と云えば、事務所禁止で一般人も見ないで下さい、あるいは勝手に見た場合の責任は負いませんよ…と云う意味になります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年11月26日)
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