アキバ系と呼ばれて幾星霜…それにしても JR 秋葉原駅の迷路は
いい加減、どうにかならないか ← かなり改善されました
「秋葉原」(AKIHABARA) とは、同人 関係や おたく系 のマニアショップが建ち並ぶ オタク街、そのスジでの世界的特濃の街です。 略して 「アキバ」(秋葉)「AKB」 とも呼び、訪れる人を俗に 「アキバ系」「秋葉系」「A-Boy (AKIBA-Boy)」 などと呼んだりもします。
地名の直接のルーツは、江戸時代、火災から江戸を守るために広大な空き地 (草原) をこの地域に設けていたこと、遠州、現在の静岡より秋葉大権現 (あきばだいごんげん) を鎮火の神様として神社にまつったことに由来します。 すなわち秋葉様のいらっしゃる原っぱだった…という訳です。 いわゆる 「アラハバキ」(荒覇吐/ 東日流外三郡誌) のアナグラム (Anagram/ 文字入れ替え) とか、そっち系統とは何の関係もありません。
時代の変化と共に揺れ動き成長する秋葉原
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アキバ系聖地 秋葉原 |
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秋葉原ガード下 |
もともとは電気製品やパーツ類の専門店が建ち並ぶ街でしたが、レーザーディスクなどマニア向けのAV機器や ゲーム (要電源)、またパソコンの普及による各種ソフト類の販売を手がかりに、次々と 「おたく」 向きのお店がオープンするにつれ、段々と怪しさと濃さが加速しました。
現在では中古や 委託 された 同人誌、同人ソフト の専門店や、フィギュア、エロポン (アダルトフィギュアのガシャポン) を始めプライズ系グッズの専門店、おたく、アキバ系のあらゆる物欲を満たす、世界最大の拠点となっています。
代表的なお店を並べても、「メッセサンオー」(ホームページは こちら)、「K-BOOKS」(こちら)、「コミックとらのあな」(こちら)、「Dカルト」(こちら)、あるいはそういった店が詰まっている 「ラジオ会館」 や 秋葉原デパート (アキデパ) 等々…全国的な有名店がズラリと揃っています。
コスプレ や メイドさん が人気になるにつれ、キャラクターグッズショップのイベント広場などを利用した特設のコスプレメイド喫茶も企画され、それの成功を受けて 2000年2月には 「ゲーマーズカフェ」 が日本初の常設 「コスプレ喫茶」 としてオープン。 これを皮切りに、秋葉原駅周辺には メイド喫茶 やら 「メイドカフェ」 やらイベントとしての 「ツンデレ喫茶」 やらが次々とオープンしていたりもします。 また 「プレアイドル」、U-15アイドル の店なども複数存在します。
アキバ系目当てのコスプレメイドがチラシを配り、変な日本語のTシャツを着た外人が闊歩し、手裏剣を持った忍者も捕まるデンジャラスシティ、アキバ
この街の特異性としてしばしば語られるのは、街の特色や街並みの 雰囲気 が、他の地域、例えば渋谷だとか原宿だとか、大手ゼネコンや行政、特定の仕掛け人などが主体となって行う大規模開発によって作られたものではなく、訪れる客の好み、欲求に、各店舗が個別に対応をし続けていった結果、ある方向に一気に街の傾向が染まって行った点があります。
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ラジオ会館正面 世界の秋葉原の文字が躍る |
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コミックとらのあな 秋葉原本店 (閉店) |
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クロスフィールドプロジェクトの再開発は続く |
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秋葉原名物の歩行者天国 2011年1月23日、秋葉原歩行者天国が 厳戒態勢の中で2年半ぶりに再開 |
個人的には街の雰囲気の成立過程は屋台街や闇市が生まれる姿に似ている印象があり、その後の商店街と客層の、お互いに引っ張られる形での雰囲気の変貌もあまり特徴がなく、こうした街の作られ方は別にそれほど珍しいものではないと判断しています。 一部でことさらに秋葉原を特別視したり、あるいは神格化のような ニュアンス で持ち上げる向きがありますが、発展の仕方は極めてありきたりのよくあるパターンです。
しかし扱う商品や情報が流行の服だったり美味しいグルメ料理や伝統的文化などではなく、一般人から見ると極めて特殊に見える 「おたく」 や 「萌え」「アキバ系」 だったのが、街の発展フローそのものの特異性をも感じさせる要因になっているのかも知れません。
加えて 「おたく」 文化が猛烈に勢いを増してゆく時期があったこと、東京23区内でも屈指の交通に便利な立地であったことなどが、相乗効果を持ってイメージとともに膨張し、とくにバブル崩壊後の経済的停滞で他の地域の発展が停滞する中、極めて目に付く大きな存在になったのでしょうね。
元々電気街であった秋葉原は、完成した家電製品を並べているだけの街ではなく、そもそも電子パーツなどのマニアックな商品を売っている街でした (家電の街としては 戦前 からその歴史があり、戦後は米軍の払い下げたラジオ部品の闇市などが集まって街並みが作られた経緯があります)。
戦後本格的に家電が市民生活に入ってくると、この傾向はさらに顕著化。 テレビ、洗濯機、冷蔵庫などが三種の神器としてもてはやされるようになった時代を経て、その後のオーディオや無線、鉄道模型、ラジコン、BCL と呼ばれた海外放送受信や初期のマイコンなどのパーツや製品が人気に。
映像ソフト、ゲーム・PC関係
さらに時代を下ってファミコンなどのゲームハードやソフトが確実に手に入る日本でほぼ唯一の街でしたし、アイドル関係の商品を扱う店もありました。 「アキバ系」 はもとより、「おたく」 の名前が作られる遥か以前から、おたく的な性格の人々をそもそも強く惹きつけていた街だったんですね。現在世界で通用している日本の製品や文化の代表は自動車のほか家電製品と アニメ やゲーム、マンガ ですが、これらには、一方がもう一方を牽引する両輪のような関係がありますし、作り手に 「技術者」 や 「職人」 という、似た傾向を持つ人々が当たるという共通点があります。
秋葉原が他でもない、「家電」 と 「おたく」 という2つの特徴を持つに至ったのは、単なる偶然ではないと思います。 そこに 「エロ」 という超強力で普遍的な誘引エッセンスが合わさって膨張したと考えて良いと思います。
現在では世界的にも非常に有名で、ある種日本の一断面を象徴、代表する街ともなっている秋葉原ですが、その一方でアダルトアニメやエロゲーの裸体の 画像、エロ看板が堂々と表通りに 露出 していたりして (再開発と共に激減していますが)、眉をひそめる向きもあるようです。
また元々江戸時代から藩邸が立ち並んでいて交通の要衝であったり、大戦中は一部のみが焼け野原になったり、戦後すぐに闇市が集まり、オフィス雑居ビルが乱立したり、さらにバブル期には隣接する神田に引きずられる形で猛烈な地上げに遭うなど世相に翻弄された地域であったため、権利関係が複雑に入り込んだビルや土地が多いのも特徴のようです (とくに神田はバブル発祥の地・崩壊の地とも呼ばれるくらいすごかったですし)。
秋葉原でマニアショップの経営や旅行ガイド的事業を行っている友人知人がいくらかいるのですが、物件によっては契約更新時にむちゃくちゃな賃上げを要求され、やっと軌道に乗ってきた店舗経営が家賃負担で傾いたり、一部のアダルト系ショップの系列によって事実上出店できない縄張りかのような通りがあったりで、なかなか大変だといっていました。 経営者の中には名物男のような尖った人も結構いたりして、真偽不明な伝説や真偽が分かっていても表向き話せないようなもろもろの裏話もあったりします。
昨今はマスコミのエロ産業攻撃のターゲットになることもあり、また2000年代から本格化した再開発の問題もあり、「夢もあるけどリスクもある地域」 のようです。
つくばエクスプレス開業でますます便利に
秋葉原の目抜き通り 休日は歩行者天国に |
秋葉原への交通アクセスは電車がべんりで、
JR東京駅から山手線内回りで乗車時間3分(1駅)、JR新宿駅から中央線→ JR神田駅で山手線内回り乗り換えで13分(3駅)、JR池袋駅から山手線外回り→ JR田端駅で京浜東北線・根岸線乗り換えで16分(4駅)です。 2005年8月24日からは、つくばエクスプレスも開業、つくばと秋葉原とが一本で結ばれました。
ところで 2002年10月1日より施行された 「千代田区路上喫煙禁止条例」 により、秋葉原 界隈 での路上喫煙には罰金 (過料) が課せられるようになりました (2,000円)。 ポイ捨て条例はそこら中に制定されているので気にされる方は多いでしょうが、歩きタバコ (正確には条例施行地域内での私有地外における喫煙) だけで罰金となりますので、無意識にタバコに点火してしまう人は、注意するようにしましょう…。
蛇足ですが、小学生の頃ハンダゴテマニア・電子ブロック大好き少年だった 筆者 にとって、「秋葉原」 にはまた格別の感慨がありますね。 当時 (20年〜30年前)も既に、大きな家電製品専門店の大型ビルが建ち並ぶ世界最大の電気街となっていましたが、現在も残っているガード下の小さく怪しいパーツ専門店がもっとたくさんあって、まるで宝箱に迷い込んだような印象を持ったものでした。 もちろん チラシ を配るメイドさんもおらず、アキバ系どころか、オタクなんて言葉が生まれる前の話です。
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アキバ系筆者 行きつけだった 東洋看板(閉店) |
東京にはこのほか、腐女子 のアキバとも呼ばれる 「池袋」(サンシャイン60近辺/ 俗に 乙女ロード とも) や、秋葉原がパソコンや家電など理系おたくの聖地だとすると、文系おたくの聖地としての 中野ブロードウェイ や 神田神保町 (秋葉原から徒歩圏内の世界最大の古本屋街) があります。 神田神保町は元々神田界隈や御茶ノ水に出版社が多かったこともあり、おたくスポットとして現在も欠くべからざる地域となっています。
まぁさすがに、アキバ系と地名を冠して呼ばれるほど結びつきは強くはないようですが。 日本全体で見ると、大阪の 日本橋」(でんでんタウン/ オタロード)、愛知 (名古屋) の 大須、兵庫の 三宮、京都の 寺町 あたりも結構有名ですね。
写真で見る秋葉原、アキバ界隈 (マップ準備中です…)
![]() JR秋葉原駅の駅名看板 これは山手線ホームのもの ![]() JR秋葉原駅 電気街口 内部はかなり複雑 ![]() 中央通りを上空で横切って JR線の高架が走る ![]() アキバ系御用達 ガチャポン会館 上の階にはコスパやメイド喫茶 |
![]() アキハバラデパート駅構内入り口 アキデバの3Fに当たる ![]() アキハバラデパートにある ラーメン屋 ミスター陳 ![]() アキバ系の聖地 ラジオ会館正面 内部はオタクショップがてんこもり ![]() そこかしこにメイド喫茶の看板 あるいはチラシ配りが出没 |
![]() アキハバラデパート [フジヤマ] 2006年12月末で閉店…(;_;) ![]() アキデパと電波会館の隙間には 真光無線。電波会館にはパーツ屋 ![]() ラジオ会館といえば フィギュアでお馴染み海洋堂 ![]() メッセサンオーVと、オタク系の ショップが入る第一北澤ビル |
![]() アキバ名物と云えばゲーム購入の 行列。ものによっては長蛇の列に ![]() 早期導入された禁煙条例により 喫煙スペースも何箇所か存在 ![]() ラオックスのコンピュータ館、 愛称「ザ・コン」はトイレが便利 ![]() アキバ散策で非常に重宝した 今は亡き「ザ・コン」のトイレ |
![]() 神田明神通り沿い、ラオックス前の チチブデンキはおでん缶で有名 ![]() 日曜の歩行者天国では、 様々な路上パフォーマーの姿も ![]() 駅前はチラシ配りや告知が多く 臨時撮影会場のようになることも ![]() オタク議員? 麻生太郎議員も 総裁選ではたびたびアキバで演説 |
![]() こてんぐ おでん缶は2種類 つみれ入りと牛スジ入り ![]() アニメやゲームの宣伝のために ラッピング広告トラックが走る ![]() カメラの砲列に囲まれながら、 ポーズや表情がビシビシ決まる ![]() アキバの麻生人気を裏付ける、 麻生太郎グッズやお土産も |
![]() 2008年6月8日の通り魔事件で 翌週の日曜からホコ天が中止に |
![]() 35年間続いた日曜の歩行者天国が 中止されるのは初めて |
![]() 万世橋警察署が設置した 献花台には被害者を悼む人の列 |
大きく生まれ変わる秋葉原…再開発、大型店舗出店、そして 電車男
秋葉原の電気街口を出てすぐに右方向に進むと、少し前までは空き地で (バスケやスケボーのコースなんかがあり、駅前広場や立体駐車場だった)、それ以前は 350年の歴史を有する 「東洋第一の青物市場」 と呼ばれた神田市場 (初期の神田市場は神田多町2丁目近辺で、昭和3年に移転、さらに平成元年に大田区へ移動) がありました。

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アキバ系の街から ビジネスの街へ 変貌する秋葉原 |
2004年4月になって、かねてから推進されていた 秋葉原再開発プロジェクト の正式名称が 「AKIHABARA CROSS FIELD」 アキハバラ クロス フィールド) に決まりました。 JR 秋葉原駅の形がクロスなので、商業 や交通、情報の交差路としての意味なども付加してこの名称になったんでしょうけど、なんかどうにも、かっこよすぎでイマイチな印象があります。
まさか 「萌え王国アキバ」 とか 「オタク王国」「アキバ系帝都」 とか、そんな名称にするわけにはいかないでしょうし、品川とか汐留とかのかっこいい再開発プロジェクトの向こうを張るクールな名称にしたかったのでしょう。
しかし訪れる客の趣味や欲望の混沌の中で、ある種スプロール現象化的に変貌を遂げてきたのが秋葉原。 できることなら行政や大手ゼネコンの思惑だけで街の形が変わらないのを祈ります。 もちろん別にアキバ系だけの街であり続ける必要はありませんが。
そういや 「2ちゃんねる」 で話題となり、そのまま書籍や映画、ドラマが大ヒットした 「電車男」 効果で、若いお姉さんの姿も多くなっているとのウワサもありますが…「ドンキホーテ」 の進出や、日本最大級の売り場面積を持つヨドバシカメラ マルチメディア Akiba の誕生もあり、変貌著しいアキバ、いったいどうなるんでしょうかね。
近年、歩行者天国で一部の コスプレイヤー の度が過ぎたパフォーマンスや オタ芸 などもあり警察の取り締まりが厳しくなったり、渋谷あたりにいそうなチャラ男が物見遊山のつもりなのかフラフラ徘徊していたりして、「ええい、住み分けてるんだから、こっち来るな」 という気もしないでもないですが…。
なお 「アキバ系」 という呼び名自体、オシャレな若者のイメージのある 「渋谷系」 などの対義語として、「オタク」 に替わるギャグの蔑称として出たのが最初でした。
ホコテン (歩行者天国) ではストリートミュージシャンの姿と、中には悪乗りする人たちも
秋葉原人気が盛り上がる一方、原宿のホコテンの中止 (交通渋滞、大勢のストリートパフォーマーや、それを見るための見物人らによる騒音やゴミ問題、さらに青少年非行の問題などにより、1998年7月5日から廃止) などによる若者の移動、さらに一部のアダルトビデオや 「U-15 アイドル」 のプロダクションなどによる路上撮影会や、ほとんど路上ストリップがごとき公然露出と、一部の カメコ による ローアングラー の問題や、さらに一部の若者のおふざけや脱線などにより、近隣商店街や住民、利用者らの注ぐ目は年々厳しくなっているようです。
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