守りを固めることこそ戦いの基本! 「防御」
「防御」 とは、外部、とくに敵や危険な相手からの 攻撃 や脅威に対して自分や組織、システムなどの身や立場、領域、資産などを守るための行動や備え全般を指す言葉です。 それらの能力があることは防御力と呼びます。 軍事的 あるいは何らかの 戦闘 における危害に対する守りだけでなく、スポーツにおけるガード・ディフェンスや、IT・情報に関するセキュリティ、医療における生物の免疫や心理的な保護・緩和反応など、幅広い分野で使われます。 対義語は一般に攻撃ですが、侵攻とか攻勢が使われることもあります。
似たような言葉として 「防衛」 や 「守備」「防護」 などがあります。 いずれも外部からの攻撃や脅威から身を守るという点では同じですが、防衛はもっぱら国や組織といった大きな存在を守る場合に使いがちで、守備は拠点や場所を守ったり、そこから転じてスポーツの世界で自分のいる場やゴールを守るといったスポーツ用語としての扱いが多いでしょう。 防護の場合は個人の身体や個々の単独の兵器、施設の一部のみを守るといった個別的な意味で使われることが比較的多いかもしれません。 ただし個人が持つチャンピオンなどのタイトルを挑戦者から守ることも防衛と呼びますし、厳密な定義はともかく、あくまで慣習的な使い方が多いでしょう。
防御にはシステムや仕組みで行うものもあれば、敵の打撃や砲弾から直接身を守るための防護服とか鎧、兜、盾を含めた 防具 などの 装備品 や兵器の装甲、あるいは外部からの侵入を防ぐための壁や柵や掘、あるいは網や 地雷 などを指すこともあります。 ミサイルなどの電子機器を用いた兵器や 武器 による攻撃に対しては、敵のレーダーや熱感知を攪乱するために空中に散布する金属片 (チャフ) や火炎弾 (フレア) などもあります。 SF などではバリア、魔術などが登場する ファンタジー なら結界などが使われることもあります。
いずれも敵からの攻撃の無効化や ダメージ の低減を意図したものですが、方法自体は、攻撃を受け止めて耐えるか、跳ね返したり弾き飛ばすか、あるいは回避するかといった点でそれぞれ異なります。
軍事的な意味における 「防御」
軍事の世界では攻撃を受ける側が、自軍の兵力や陣地、拠点、領土などを敵の手から守り支配・保持し続けるために取る行動を指します。 攻撃側が主導権を握って敵の戦力や拠点を奪おうとするのに対し、防御側は与えられた地勢や構築物を活かしながら相手の攻撃を減殺し、最終的に撃退することを目指します。
具体的な手法としては、軍勢単位の場合は塹壕や城壁、トーチカといった防御施設の構築、地雷原や鉄条網の設置、狙撃や待ち伏せによる遅滞戦術などが挙げられます。 個人の場合は前述した防具などを身につけたり、致命傷になりかねない頭や胸への銃撃や打撃を手やその他の身体部位で庇って守る、攻撃を受けづらい場所に潜むなどがあります。 防御は単に受け身であるだけでなく、「機動防御」のように、あえて一部の陣地を放棄して敵を誘い込み、反撃 によって撃破するという能動的な要素を含む場合もあります。
戦術理論の古典として知られるクラウゼヴィッツの 「戦争論」 では、防御は攻撃よりも本質的に強い形態であるとされています。 これは防御側が地の利や準備の時間を活かせるためで、歴史上でも攻撃側が防御側の何倍もの兵力を必要とすることが少なくありませんでした。 城攻めには最低でも城側の3倍の兵力が必要であるとされ (攻撃3倍の法則)、堅城ならばより多くの兵力が必要となります。 そのため城側は基本的には籠城して戦うこととなります。
もっとも単純に敵の撃退だけが目的ならともかく、防御に徹し続ければ最終的な勝利は得られず、どこかで城側が攻勢に転じる必要があります。 また基本的に籠城戦は後詰 (援軍) が来ることが前提で行うもので、それが期待できない孤立無援の城の場合は、籠城にあまり意味はありません。 補給 ができないため城が包囲され兵糧攻めにされれば最終的には敗北が待っているだけであり、それが早いか遅いかの違いだけです。 長期に及ぶ消極的な防御戦は兵士らの士気低下も考えられますし、地勢に恵まれず防御のための準備も整っていなければ前述した攻撃3倍の法則も絵に描いた餅です。 状況によっては 「攻撃こそ最大の防御」 といった考え方が当てはまることもあります。
個人のバトルやゲームにおける 「防御」
個人の バトル や ゲーム の文脈における防御の場合は、対戦相手や モンスター といった存在からの攻撃によるダメージを軽減したり、あるいは無効化するための行動や能力を指します。 それぞれの ジャンル や個別の状況によって具体的に何をするかは大きく異なります。
格闘戦やそれを模した対戦格闘ゲームでは、相手の攻撃に対して自分や自分が操作する キャラクター がガードやブロックをすることで被ダメージを抑えます。 的確なタイミングでガードできればダメージを大幅に軽減あるいは攻撃そのものを無効化 (ノーダメ/ ノーダメージ) にすることもできます。 また攻撃側は攻撃モーションや防御による攻撃の無効化によって隙ができることが多いため、防御に加えて反撃を試みることもあります。 こちらは一般に カウンター などと呼びます。
ゲームの場合、人間の打たれ強さといった部分をシミュレーションしたキャラや ユニット ごとの 「防御力」 という ステータス や パラメータ が 設定 されており、これが高いほど受けるダメージ (ヒットポイント の減少) が少なくなります。 また攻撃には クリティカル といった、一定の確率で発生する効果の増加などがありますが、同様に防御にも特別に強い防御を発揮するようなシステムを持つものもあります。
1対1の対戦ではなく、チームやパーティーといった複数のキャラなどで戦うゲームの場合、全体でもっとも効果的な戦い方ができる役割分担がされることもあります。 例えば前衛・後衛といった概念があるゲームならば、防御力の高いキャラを敵の前面に立て、敵の攻撃を一手に引き受け味方を守りる役割を担わせることもあります。 この場合、盾とかタンクといった呼び方をすることもあります。





