同人用語の基礎知識

決戦

トップ 同人用語 項目一覧 決戦

いよいよ雌雄を決する時…! いざ 「決戦」

 「決戦」 とは、ある戦争において 勝ち負け の行方を決定づける明白な 戦果 が生じ、その後の政治的な解決を勝った側が有利な条件の下で行える単一の 戦闘 (会戦) のことです。 とくに大規模だったり決定的な戦いは一大決戦とか最終決戦、頂上決戦みたいに呼ぶこともあります。

 攻撃 によって敵の戦力に 反撃回復・立て直しが不可能なほどの大きな ダメージ を一気に与えて戦局の挽回・戦闘の継続を著しく困難にし、政治的な交渉の場で敗北を認めさせて要求を呑ませるためにしばしば行われます。 それぞれの戦闘フィールドによって陸上決戦 (地上決戦) や海上決戦 (艦隊決戦)、航空決戦 (空中決戦)、あるいは本土決戦といった呼び方をすることもあります。 軍事 における対概念は持久戦 (長期戦・消耗戦)、話題の カテゴリ によっては決勝戦や、歴史上の出来事にならって天下分け目の天王山や関ケ原と呼ぶこともあります。 

 戦争や紛争において当事者らがある戦闘をそのように位置づける 概念 としてのそれや、俗語的な 「伸るか反るかの勝負」「ここ一番の大勝負」 といった意味で使われることもあります。 またこれから行う戦闘をそう呼ぶこともあれば、戦争終結後に振り返って結果的にある一つの戦いが大勢を決した決戦だったと 認知 されることもあります。

 俗語的な使い方、例えばスポーツの試合であれば、トーナメント形式の大会で 優勝 を決める決勝戦がルール上の決戦になります。 それ以前の試合でも、優勝の最有力候補との試合が事実上のそれだと認識されることも多いでしょう。 また実際の意味はともかく、雌雄や命運を決するという威勢の良い言葉でもあり、成否のある大切な行動を大げさに伝える ニュアンス でもよく使われる言葉でしょう。 例えば受験の日を決戦日、試験に臨む際に 「いざ決戦」 と云うなどです。

一戦のみで雌雄を決することが果たして可能なのか論

 現実の戦争においては、決戦主義といった軍事的なドクトリンもあります。 一進一退の長期に渡るダラダラとした持久戦や消耗戦に陥って被害を増大させるのではなく、主力部隊を結集して一撃で相手を粉砕し屈服させる、短期決戦によって勝敗を決しようとする考え方です。 兵法書 「孫子」 でいう 「兵は拙速を尊ぶ」 ですね。 大国が強大な軍事力にものを云わせて企図することもあれば、通常の戦闘では敗北不可避の小国が、文字通りの乾坤一擲・一発逆転の賭けとして打って出ることもあります。

 とはいえ決戦は、交戦国がそれぞれ持てる力の全てか大部分を投入して初めて成立します。 一方が決戦を望まず戦力の温存を図るなら、決戦そのものが成り立ちません。 また歴史上の戦争では、有効な戦力を全て失った側がそれでも敗北を認めずに逃げ回ってゲリラ戦を展開するなどして泥沼の長期戦に持ち込み、最終的に勝利を掴むといった事例も数多くあります。 決戦主義に近い考え方として、敵国の首都を陥落させるとか、敵国の指導者を打倒するといった戦い方もありますが、これらも上手くいくこともあれば何の効果もない場合もあります。 また彼我の戦力差があまりに大きければ、こちらがいくら戦力を集中させても決戦など行いようがないという状況もありますし、敵がこちらに攻め込んできた場合に撃退するのが精一杯であれば、いくら侵攻してきた敵を決戦で破ってもその後の外交で国力差を背景に屈辱的な譲歩を強いられることもあります。

 戦争の目的は武力で政治的な要求を相手に呑ませることにあるので、それが必ずしも達成できない決戦主義に国家の命運を賭ける戦略としての価値を認めない意見もあります。 決戦主義に基づいて軍を整備すると、どうしても攻撃力にばかり注目した整備計画になりますし、そうなると補給や兵站は軽視され、相手が持久戦を繰り広げたら不利な立場になってしまいます。 成り行きで決戦が有効な場合もあるけれど、不確実性が高すぎてリスクが大きく、戦略の名に値しないという考え方です。 また戦争の目的が極論すれば戦争そのもの、別の云い方をすれば敵国や敵対勢力の壊滅や皆殺しにあるのであれば、別に決戦などする必要はありません。

 日本においては主力部隊同士の一度の会戦で戦争の行方を決したと認識されがちな日露戦争などの成功体験から、旧日本軍 (とりわけ1905年 (明治38年) の日本海海戦で大勝利を収めた海軍) が艦隊決戦主義 (大艦巨砲主義) に固執し、主力艦、なかんずく戦艦などの整備に力を入れ過ぎてしまったという事例があります。 輸送船や輸送船団を護衛する艦、工作艦などの補助艦艇は相対的に軽視され、結果的に勝っているうちは破竹の進撃をするけれど、いったん劣勢に立たされるや継戦能力に著しく欠ける弱点が露呈し、成すすべなく敗退を続けるという失敗を犯しています。

 これについてはそもそも強大な敵国に対して国力に劣る日本には長期戦など論外でありその選択しかなかったとか、決戦=大艦巨砲主義では必ずしもないとか、大艦巨砲主義は列強どこも同じで日本はむしろ航空戦力にいち早く取り組んだ方だとか様々な意見がありますが、「決戦主義って イマイチ だよね」 と、反省すべき教訓として様々な場で語られるものとなっています。 もっとも、では現在の自衛隊はどうなのかと云えば、相変わらず直接戦闘に使用される正面装備重視だとは散々指摘される状況ではありますけれど。

 なお実際の戦争においても、俗語的な威勢のよさから決戦という言葉そのものがしばしば大きく用いられます。 もっぱら総力戦の末期に劣勢にある側が戦局の転換や挽回を願い、また兵士や国民らの士気高揚のための戦時スローガンに多用しがちです。 新兵器を決戦兵器と呼んだり、局地用の戦闘機を決戦機と呼ぶなどです。 日本では先の大戦において日本本土で敵を迎え撃つとした本土決戦スローガンとして用いたり、迎撃 に特化したり調達に民間の力を借りた局地戦闘機を大東亜決戦機や国民決戦機と呼ぶなどしています。 ドイツでは世界初の実用量産ジェット機やロケット戦闘機などが決戦機となっています。

Twitterこのエントリーをはてなブックマークに追加FacebookLINEGoogle+

関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック

(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年12月2日/ 項目を分離しました)
破線
トップページへページの先頭へ

トップ
 旧同人用語メイン
 同人用語辞典 収録語 項目一覧表
 同人おたく年表
 同人関連リンク
 付録・資料
サイトについて
書籍版について
リンク・引用・転載について
閲覧環境
サイトマップ
のんびりやってます
フッター