同人用語の基礎知識

部数

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発行部数と販売部数があります

 「部数」(ぶすう) とは、書籍やパンフレット類の印刷発行数の事です。 本来は、「枚」 や 「冊」 などと同じ、「部」 という数の単位の数え方で、200 部と云えば、200 冊 (もしくは 200 枚)作られた事を意味します。 なおこれは厳密に云えば、「刷り部数」 とか、「発行部数」 となります。

 数値のカウントの仕方は様々で、例えば 「発行部数」(実際に完成して外部に出せる状態になった部数) と 「刷り部数」(紙の断裁ミスや汚れによる選別廃棄による減数を計算にいれて、若干多めに刷って作る 余部 を含めた部数) とを厳密に分けたり、一緒くたにしてカウントする場合もあります。

 また発行した後に、それが実際に外部に配布、頒布 できた数を、「配布部数」 とか 「頒布部数」「販売部数」「実売部数」 などと呼びます。 例えば 同人誌 の 「発行部数」 が 200部でも、1冊も売れなければ 「頒布部数」 はゼロとなります。

「刷り部数」 は多ければ多いほど、「割安」 になりますが…

 印刷物でも工業製品でも何でもそうですが、同じものを作る場合、数が多ければ多いほど量産効果が出て、1冊 (1部数) あたりの制作コストは安くつきます。 紙やインキのコストは微々たるもので、実際の オフセット印刷 のコストの多くが 「版下」 の制作や、印刷機稼動のコストだったりしますので、「刷れば刷るほど安くなる」 訳ですね。 ここらは、少部数印刷などが前提の コピー誌 などとは違うところです。

 また一定の 「刷り部数」 を超えると、大量印刷に強い 「輪転機」 が使えるようになり、コストがグーンと下がることもあります。 実際、50冊と 100冊、300冊の印刷費用を比べれば、単純に2倍、6倍になっていないことに気づかれると思います。 これが 2,000冊とか、千を超えるような数になると、1冊あたりのコストが劇的に安くなります。

 ではたくさん刷ればそのぶんお得か…? と思いますが、売れ残ったらその分の印刷代や製本代は全て売れた本の価格にかかってきてしまいますから、全体でみたら大損になる場合もあります。 また 「売れ残り」 の自分の本を 「捨てる」 というのは、精神的にそうとう堪えます (おかげで 筆者 の自宅には在庫がうずたかく積まれています…)。 小さい 「部数」 で作って、思いのほか売れるようであれば、「増刷」 をかけるとか、次の 「同人誌」 からちょっと 「部数」 を増やしてみる…なんてのが、やっぱり現実的かと思います。

 なお 「頒布部数」 は、それを発行している 同人サークル の人気のバロメーター、あるいは 大手サークルピコ手 かの基準にもなったりします。 ただし本当の数はそのサークルの人間でなければ把握できませんから、公称値はあまり当てになりませんし、わざわざ自分から 「○○部売れた」 なんて大声で話す人も少ないですから、「大体の目安」 になります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年6月20日)
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