同人用語の基礎知識

合宿

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仲間と寝食を共にする、絆深まる 「合宿」

 「合宿」 とは、複数人が同じ場所で宿泊すること、何らかの目的をもって仲間や友人と泊まりがけで生活すること、あるいは何らかの作業を 徹夜 で行って夜を明かすことです。 とくに大人数で行う場合は集団合宿と呼ぶこともあります。

 言葉自体は普通の日本語ですが、とりわけ中学校や高校の部活動や大学のサークル活動において、夏休みを中心に長期休暇中の合宿 (強化合宿) が広く行われており、この言葉が学校を離れてもシャレとしてよく使われる理由の一つとなっています。 なお部活動における目的は、練習を集中的に行うことによる参加者の技術向上や、生活を共にすることによる部やチーム参加者同士の信頼関係醸成、一体感や団結力を高めるためのものとなっています。 これが転じて、試験前に友人らと誰かの家に集って自主的に行う勉強会を合宿と呼んだりすることも多いでしょう。

 なお電話を使ったり、ネット が普及して以降の通話アプリや音声グループチャット、web 会議アプリなどを通じて、それぞれは自分の家にいながら遠隔地の友人らと通話をしながら作業すること (作業通話) も合宿と呼ぶことがあります (後述します)。

同人イベント合わせの同人誌を作るための合宿とか

 同人おたく腐女子 に密着した世界でも、学校に漫画研究会 (学漫) などがあればそこで合宿が行われることもありますが、むしろ学校や部活の行事としてより、仲の良い趣味仲間との自主的な合宿や、社会人になった後に泊りがけで何かを一緒にすることを、シャレや ノリ でそう呼ぶケースが多いでしょう。

 例えば コミケ といった 同人イベント に合わせた 同人誌 を作るために、サークル の仲間や仲の良いサークルと合同で 原稿 を描くための合宿をしたり、遠隔地から東京のコミケへと向かうための 遠征 と、それを含めた前日からの泊りがけ全体を合宿と呼ぶこともあります。 またコミケ自体にも、初期の頃は合宿のように同好の人たちが集まる催しがあったり、24時間耐久で夜を徹するイベント (2005年3月21日開催/ コミスぺ) が開催されてたこともあります。

 とりわけ若いうちは、夜に友人らと一緒にいること (オールナイト/ オール) とか、誰かと家以外の場所で寝泊まりする (お泊り会) というのは特別な体験に感じられるものなので、星空の元での様々な悲喜こもごもの舞台になったりもするでしょう。

学生でも社会人でも、合宿は楽しい

 同人の世界でもっともポピュラーなのは、同人誌作りのための徹夜の作業合宿でしょう。 マンガ などの執筆は一人の方が集中できる人も少なくありませんが、それは合宿に参加する他の人も同じなので、お互い無意味な干渉はせず、気が散ることもないのでむしろ効率は上がることが多いでしょう。 周りがみんな頑張って原稿を描いているのに、自分だけサボるわけにはいきませんし、行き詰った時、自分では解決できない問題が生じた時に、周囲に助けを求めることもできます。

 それより何より、仲間や友人と同じ目標に向かって励まし合いながら作業するのは本当に楽しく、また後々まで大切な思い出として残るものです。 筆者 のサークルは パソ通 で集まった者で作られたもので、多い時には10人以上でどこかの場所を借りて合宿をしましたが、同人誌に参加できない仲間が真夜中に車で 差し入れ に訪れてくれたり、一晩中 萌え語り をしたり、一息ついたら近所の温泉に繰り出すなど、ほぼ全員が社会人ながら 「これぞ青春」 のような瞬間を過ごせたのは人生の宝物となっています。

 布団の数が足りなくて一つの布団に友人と潜り込み、天井を眺めながら語り合って寝るとか、こんなの社会人になってからも経験できるとは思いませんでしたw

「合宿」 と 「作業通話」

 実際にどこかに集まるのではなく、電話や通話アプリ、音声グループチャット、web 会議アプリなどを通じて、それぞれは自宅にいながら遠くの友人らと通話をしながら作業することも、シャレとして合宿と呼ぶことがあります。 一般にこうした方法は、「作業通話」 と呼ぶことが多いでしょう。

 広がりだしたのは1985年に電電公社が民営化 (NTT) し、民間の電話機器が多数発売され普及しだした頃からで、それまでは一家に一台、居間や廊下においてあるだけだった電話機が、コードレス方式の子機を持ち、さらにハンズフリー通話機能を持ち始めた頃に、主に若い女性の間で広がったものです。 この頃に年頃の娘を持つ親は、多額の通話料に困ることが多かったかもしれません。

 1990年代に入って本格的な携帯電話の登場や インターネット の普及、それに伴う電話や通話機器の 「一人に一台」 の時代が前後しながら訪れると、通話料がかからない Skype (スカイプ) や LINE (ライン) といった通話アプリの登場と普及によって、「通話による合宿」 が広く行われるようになります。 作業通話という言葉が使われるようになったのも、おおむねこの頃以降でしょう。 その後は作業通話に特化したアプリ (単に友人知人と通話しあうだけでなく、集まれる場所や、知らない人ともマッチングできる専門コミュニティを持つアプリ) も登場しています。

 これらは本来の合宿のように一か所に集まって行う訳ではありませんが、友人や仲間と雑談したり励まし合ったり愚痴を言い合ったり、時にはお互いを監視し合うことで、本来の合宿同様の効果が見込めることもあります。 通話音の背景に集中力が高まる 環境 音を混ぜて流せるサービスなどもあります。 作品の制作方法は人それぞれですが、1人の方が集中できる時間と何人かでワイワイ言いながら作業する方が 捗る 気分がランダムに生じるような人は、実際に集まる合宿より手軽なこともあり、向いているかもしれません。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2001年4月15日/ 項目を再構成しました)
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