同人用語の基礎知識

拡散

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ネット中で情報を共有し広める 「拡散」

 「拡散」 とは、一般的な日本語では何らかの物質やエネルギーが広がって散ること、異なる濃度の気体や液体が混ざり合って均一化していくことです。 例えば水の入ったバケツにコップのお湯を入れるとお湯 (熱) が水の中に広がっていずれ同じ温度になりますが、これが拡散となります。 単に散らばっている状態を指したり、一方で ネット を中心に情報を配布・散布すること、大勢の人間の間で 共有 されることを指すこともあります。 とくに爆発的な拡散は バズ、拡散する力は 拡散力 と呼びます。

 掲示板SNS などで情報が広がるとの意味で非常によく使われる言い回しで、拡散する意図を伝えるフレーズとして 「拡散希望」 もあります。 「この情報が少しでも多くの人の目に届くよう希望します」「そのために拡散を手伝ってください」 といった意味になります。

 拡散を意図する目的は様々ですが、主に何らかの立場にあって自らが問題だと考える情報などを問題提起を促すために拡散させようとしたり、そうした情報が隠蔽などのためにネット上から削除されることを警戒し、不特定多数の利用者の間で個別に保存・公開されるために行われます。

意図的拡散と、ミスや事故による望まない拡散

 国や大企業などの不正疑惑にまつわる情報などは、ある程度以上の公共性やそれに伴う正当性があり、かつ闇から闇へと消されてしまうような情報の共有や拡散は、社会正義に叶う有益な場合もあります。

 一方で、いったんネット上に拡散された情報は完全にネットから消すのはほぼ不可能であり、また確実に消えたとの確証を得るのもいよいよ不可能となります (実質的に消えたのと同じくらい存在感を薄めることはできますが)。 拡散された情報や秘密が誤っていたり、著作権 で守られるべき創作物データだったり、公共性などほとんど存在しない民間人の個人情報などの悪意に基づく拡散の場合、むやみに情報をバラまかれた側の受ける被害は極めて甚大です。 拡散された情報を元に不特定多数から好奇の目を向けられたり誹謗中傷を受けると云った直接的な被害の他、ネットから完全に消えた確証も得られないため、その後もずっと怯え続けなくてはなりません。

 「拡散希望」 や 「緊急拡散」 などと積極的に拡散するだけでなく、そうした情報に賛成の立場であれ反対の立場であれネット上の 書き込み で触れたりすることは、結果的に拡散に手を貸していることと同じとなります。 それはときに深刻な人権侵害などを引き起こす恐れのある行為でしょう。 内容や頻度、拡散の規模によっては違法性を問われることもあります。

それは本当に拡散すべき情報なのか、立ち止まって考えることが大切

 拡散を促す情報には、つい義憤を感じて拡散の手助けをしたくなったり、ひとこと苦言を呈したいようなものも少なくありませんが、何かのきっかけで偶然見てしまっても、加担するような行為はなるべく避ける方が良いでしょう。 その時点では絶対悪に見えていても、実際はそうでないケースも多く、一度拡散させてしまったら取り返しのつかない情報も少なくないからです。

 またこれは多分に偏見が入りますが、年がら年中 「拡散希望」 を行っている掲示板利用者や SNS の アカウント などとは、距離を置いた方が何かと精神衛生上良いかもしれません。 こうした行為を行う人は常に何かに怒りを感じていて、自らが主張する平和だ平等だ多様性だなどとは正反対に、毎日のように口汚く不快な表現で他者攻撃に明け暮れていることが多いからです。 見ているだけでこちらの魂の レベル まで下がりそうな勢いです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年4月21日)
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