友達の友達は…みんなでつなげよう友達の輪 「ウェブリング」
「ウェブリング」(webring) とは、インターネット に アップ された個人の ホームページ (ウェブサイト) を、似た 趣味、同じ テーマ などの ジャンル や カテゴリ ごとにひとまとめにして、それぞれを連携させるサービスやシステムのことです。 単に 「リング」 とも呼びます。
サイト同士を繋げる方法には通常の リンク (ハイパーリンク) や、それをそれぞれがお互いに行う 相互リンク などがありますが、「ウェブリング」 はシステムを介してグループ単位・複数でまとめて行うような仕組みのものとなります。
ウェブリングの具体的な利用法は?
具体的な利用方法としては、まずウェブリングを提供・管理するサービスに URL などを登録して自分のウェブリングを作成します。 同時にウェブリング参加者共通の HTML や JavaScript のタグとサイト識別用の ID が発行されるため、それを自分のサイトに貼り付けます。 参加者がいれば、その人にも固有の識別ID が付与されたタグを自分のサイトに貼り付けてもらいます。 タグをサイトに貼り付けると、ウェブリングのパーツ (ナビゲーションバー) が表示され、参加しているサイトへのリンクが 「次へ」「戻る」 といった文字とともに矢印表示によって表示されます。
サイトの閲覧者は 「次へ」 をクリックすればリングに参加している他のサイトへ次々に訪れることができますし、サイトの 管理人 は似たジャンルのサイトから訪問者を呼ぶことができるでしょう。 そしてこの 「次へ」 を延々とクリックすると、最終的には輪を一巡するように一番最初にいたサイトに戻ります。 これが 「ウェブリング」 の名称の由来です。
リンクで飛ぶ先のサイトは登録順に表示される場合もあれば、ランダムで選ばれる場合もありますが (サービスや 設定 によります)、このつながりによってサイト同士が数珠つなぎに緩やかに結ばれ、同じテーマのサイトで管理人の興味関心も近いけれど今まで訪れたことがない新しいサイトを見つけたり、リングを通じて他のサイトの管理人や閲覧者同士の交流が生まれたり、総合的なアクセスアップを目指すこともできるでしょう。
ウェブリングへの参加を希望する場合はサイト上に表示されたウェブリングの バナー などをクリックして、リングサービスのリング紹介を見て参加申請を行うか、アドレスを知っていれば メール で声をかける、掲示板 などがあればそこで参加希望を書き込むなどになります。 なおリングの作成者 (主催者) はリングマスターやリング主、あるいはリングが 同盟 を名乗っている場合は主催者の他、同盟主や盟主などと呼ぶこともあります。
サイトとサイトを緩く結ぶコミュニティサービスとして
ウェブリングJapan |
この種のサービスや仕組みは1990年代中頃、世界的なインターネットとホームページブームが起こる中、個人による趣味のウェブサイトをつなぐ試みとして始められました。 有名なところでは 「webring.org」「webring.com」 などがあり、2000年代前後にそれぞれヤフー (Yahoo!) やジオシティーズ (GeoCities) といった大手ネットサービスに買収されるなどして、それぞれが提供するサービスで提供されるなどしました。
日本では1998年に 運営 を開始した 「ウェブリングJapan」(兼松コミュニケーションズ) によるウェブリングが良く使われているようです (http://www.webring.ne.jp/)。
その後検索エンジンの精度が上がるとともに検索経由のネット利用が増え、また2004年に ブログ がブームとなると、個人のホームページ運営も徐々に衰退。 登録型サーチエンジンなどとともにウェブリングもその存在感を徐々に喪失し、あまり使われなくなるようになりました。 日本における同種サービスの草分けであるウェブリングJapan も2007年3月31日に 新規 登録を終了、惜しまれつつ4月30日には全てのサービス提供を終了しました。