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協調フィルタリング

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「◯◯を買った人は□□も買ってます」… 「協調フィルタリング」

 「協調フィルタリング」 とは、不特定多数のユーザーの行動を記録し、その記録 (履歴) を集計して、ユーザーの嗜好や傾向を分類、分析することです。 「Collaborative Filtering」 の略で、「CF」 とも呼びます。

 例えばあるショッピングサイトで、商品Aの購入履歴があるユーザーの多くが商品Bも購入している場合、商品Aのみの購入ユーザーは、他のユーザーと同じように商品Bをその後購入する可能性が高いと判断できるでしょう。 実際は商品購入履歴だけでなく、年齢や性別、住んでいるところなどなど、様々な要素がからみ合ってこうした傾向は導かれますが、精度の高い協調フィルタリングが実施できれば、より効果的な商品の案内や売り込み、プロモーションが実施できる可能性も高まると云えます。

 こうした フィルタリング を実際に行なっているケースでわかりやすいものは、amazon などの通販サイトで頻繁に目にする、「◯◯を買った人は□□も買っています」「◯◯を見た人は、こんな商品も見ています」 といった案内 (リコメンデーションサービス) でしょう。 これはユーザーにとっても 「自分の欲しそうな商品を把握して薦めてくれる」 という点でメリットがあり、適切な情報管理が行われている限りは、有益なマーケティング手法のひとつとも云えるでしょう。

 ただし協調フィルタリングにも欠点はあり、ひとつには統計学的手法を使った分析を行うために、十分な数のサンプルがあらかじめ必要になるという問題があります。 統計に使うサンプル数が適切でない場合、分析結果も間違ったものになるでしょう。

 そしてもうひとつは、この精度の高い結果を得るために必要な膨大なサンプルやデータを保存、更新してゆくことに、大きなコストがかかるという点です。 これらはその多くが単なる電子データではありますが、顧客情報と結びついたそれは 「個人情報のカタマリ」 であり、プライバシーの尊重や個人情報の適切な管理が強く求められる現代にあっては、万が一の事故に備えるなどのコストは、無視できないレベルになっています。

通販サイトだけでなく、キーワード検索の結果や、メールの内容まで…

 協調フィルタリングは、昔から様々なレベルで実施されています。 ネット通販などが存在しない時代から、POSシステムを使ってユーザーの大雑把なカテゴライズ (年齢・性別・地域、時間帯など) と購入品目のリスト作りは在庫管理のために行われていましたし、そもそも一般の店舗で接客係が 「こういうお客さんはこういう商品を欲しがっているはずだ」 との 「自分の経験」 から、勧める商品を変えたりもあったわけで、それは 「客をしっかり理解している接客係」 として、店からも客からも重宝される存在でしょう。

 ただし インターネット の時代となり、通販サイトの購入履歴だけでなく、検索エンジンで調べた検索キーワード、メール の文面、ソーシャルサービス掲示板 での発言内容、スマートフォンによる ネット の利用状況全てから、さらに位置情報や友人知人の動向までもが総動員されつつあるのは、ちょっと怖い状況になりつつあるのかも知れません。

 これらが単に 「通販サイトのオススメ商品や、サイトに掲載される広告の種類を選ぶため」「決済や商品発送のため」 だけに使われるのならまだしも、不適切な個人情報や ネガティブ な情報を運営者側で恣意的に付加したり、個人情報の取扱いがルーズでコンプライアンス意識の低い企業が間に入って情報が漏洩されるなどした場合、「自分の趣味嗜好や健康状態、家族・人間関係、その他すべての個人情報」 が、ダダ漏れになってしまう場合もあります。

 また漏洩した情報が反社会的な団体に利用されたり、こうして蓄積された情報が、その後の法改正で国や公的機関に利用されるようなことがあっては、憲法で保障された 「通信の秘密」 が踏みにじられることにもなります。

別々に登録されていた同じユーザー情報を統合する 「名寄せ」 で、個人情報が丸裸に?

 とくにネット企業のマーケティングでこの協調フィルタリングや、その前提の行動履歴記録が問題になるのは、別の記録と別の記録との照合・統合による 「名寄せ」「紐付け」 が容易に生じることでしょう。

 通販や転職サイトを運営するネット企業などは営業に際して個人情報の収集は必須となりますし、他の企業との提携や協業、さらに企業買収や他企業との合併などを繰り返しています。 それぞれは別々に集められた顧客情報が、名前や住所、年齢やクレジットカード番号などから一つに統合された時、その個人の情報は丸裸になると考えて良いでしょう。 また特定サービスを退会しても、その時の情報が別のサービスで引き継がれるのも不便なケースがあるでしょう。

 これを便利だと考えるユーザーや、これも時代なのだと受け入れるユーザーも少なくないのでしょうが、少なくとも希望するユーザーが自分に関する情報を明確に削除する仕組みくらいは整備してから、顧客情報についての取扱いを定めて欲しいものです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年4月11日)
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