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「歴史の必然」 から後退するもの…だから 「反動」?

ソ連国旗
進歩の名のもとに、多くの人間を
死に追いやったソ連邦の国旗

 「反動」 とは、何かの力、動きに対する反作用のことですが、政治や歴史、イデオロギーの話をする際には、「あるべき歴史の歩みに背を向ける動き、考え方」 を指す独特な言葉となります。 「逆コース」 などと呼ぶ場合もあります。

 元々は、保守的 (もっぱら右派、守旧派とされる) に対し進歩的 (もっぱら左派、革新系) の人たちが貼る 「レッテル」 のようなもので、敵対勢力に対し、「右翼反動」 とか 「右派反動」、「保守反動」、「反動勢力」 なんて感じで使います。

 考え方としては、一部の金持ちだけが豊かになる弱肉強食、前時代的で非人間的な政治体制である資本主義はいずれ廃れ、世界は歴史の必然としてやがて共産主義の時代へと移行するが、右派や保守派はその 「正しい動き、あるべき人類の歩み、進歩」 に背くから、すなわち 「反動」 となる訳ですね。

 共産主義の基本的な考え方に、人間の社会はもともと皆が平等で豊かさを分かち合った原始的な共産主義社会だった (原始共同体)、しかしその後、奴隷制や封建制になり地位や富の独占が始まり、その後、資本主義が台頭、現在のような弱肉強食の世界になってしまったとの歴史観があります (こういった歴史観には強い反論もあります)。 これを改め、正しい方向に進めましょうと言うわけです。

ソ連崩壊で進歩的が古臭く…

 こうした考え方や表現は 1950年代から60年代、日本でイデオロギー論争が盛んな頃に論文や政治結社、活動家のビラや チラシ、看板、一部マスコミなどでもよく見られていましたが、1970年代からの極左テロによる無差別殺人事件などでイメージが極端に悪化。 一般的にはほとんど使われることがなくなりました。

 その後、1989年に東欧諸国が民主化 (民主革命と呼ばれます)、さらに1991年にソ連が崩壊するに及んで進歩的だったはずの共産主義は完全に時代遅れとなり、「反動」 という言葉も真面目な政治用語というよりは、「左翼反動」 のように、それまでこうしたレッテルを貼っていた側を、貼られていた側が揶揄するような使い方で触れられるようにもなっています。

 現在でも共産主義を信奉している人たちは、「ソ連は途中から変質し、共産主義とは名ばかりの全く別の政治体制になっていた」 とし、「ソ連崩壊や東欧の自由化は、共産主義の正しさに何の影響も与えない」 としていますが、中国でも北朝鮮でも、その他の共産主義の国いずれもが、資本主義よりも酷い一部の特権階級のみが富と権利を独占する状態になっています。

 仮に共産主義が正しいのだとしても、人類の歴史の中で 「成功例がひとつもない」 状況でその正しさを説明するのは難しく、「日本こそがその最初の成功例になるのだ」 という意見も、根拠がないのでとても賛同できるものではないでしょう。 これはこうしたイデオロギーについてくる、平和や人権に関する極端な考えや、矛盾した ダブルスタンダード な意見も同様です。

 資本主義も行き着くところは幸せな社会でない気がしますから、反対勢力と切磋琢磨するのは大切ですが、冷戦も終わり共産主義はその対立軸にふさわしいのか、そもそも対立軸は資本主義と共産主義しかないのかについては、これからも考え続けなくてはならないテーマなのでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年10月10日
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