同人用語の基礎知識

2ちゃんねる(2ch BBS)
2ちゃん/ 2ch

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世界最大の 「自由な言論の場」 2ちゃんねる掲示板

 「2ちゃんねる」 は、誰でもが書き込み出来る、自由と匿名性を前面に打ち出した世界最大の 掲示板 サイトです (こちら)。 ネットコンサルタント、西村博之氏 (ひろゆき氏) がアメリカ留学中の 1999年5月30日に立ち上げた個人サイトですが、大勢のボランティアや有志参加者によって運営されており、一方の大手掲示板サイト、Yahoo! 掲示板に圧倒的な差をつけた利用者規模を誇っています。

 若者への影響力は絶大で、利用者の多くが 2ちゃんねる用語 と呼ばれる独特な云い回しの言葉を使い、そうした人々を俗に にちゃんねらー などと呼びます。 かつての パソコン通信 時代の ニフの人 などと同じく、ネット の部外者が彼らを指してそう呼ぶケースが大半な気がします (まぁ 「にちゃんねら」 を自称する参加者も結構いますけど)。

 存外に参加者の年齢層は幅広く、一説には平均年齢35歳なんて話もあるほどです。 板 (専門掲示板) によって、参加者 (住人) の年齢や性別もバラバラです。

一昔前は、悪のすくつ (巣窟) などと呼ばれていたり…

2ちゃんねるトップページ
2ちゃんねる」 のトップページ

 参加者の引き起こした事件や、掲示板上でのプライバシーの侵害や誹謗中傷、あるいは犯罪予告などにより社会問題化した書き込みや利用者も多く、度重なる既存メディア (新聞や雑誌、テレビなど) からのバッシングもあり ネガティブ な印象を持つ人も多いようです。

 しかし内部は ジャンル や用途、話題の カテゴリ で細かく分類されており、板によっては非常に高度で有益な情報の行き来がされている場合も少なくありません。

 利用者の激増により質の悪い書き込みや書き込み数の増加からくる チャット 化など、雰囲気が年々悪くなってきているのは残念ですが、90年代末から現在、そしてしばらく先までの日本のネットを語る上で、絶対に欠くことのできない巨大な存在であるといって良いでしょう。

 なお 「2ちゃんねる」 名称の由来・語源は、同様の形式の伝説的な掲示板サイト 「あめぞう」 の実質的な2番手であり、また古いテレビの ビデオデッキ 用空きチャンネルである 2ch の意から来ています。

 また同掲示板の別称でありトップページのシンボルでもある 「壷」 ですが、これは前出した掲示板 「あめぞう」 が縮小してゆく中で、「あめぞう」 住人を吸収して膨張する 「2ちゃんねる」 に対し、反感を覚える人々が管理人のひろゆき氏に対して 「彼は新興宗教をやっていて、付き合っていると最後には壷を高値で買わされる」、「2ちゃんなど、痰壷だ」 と誹謗中傷したのを逆手にとってシャレとして使い始めたものが由来・語源となっています。

アングラ傍流というイメージがありますが、筆者的には極めつけの保守本流だと思います

 匿名掲示板 「あめぞう」 やその流れを汲むパソ通発祥の源流 「ぁゃιぃわーるど」 系の掲示板は、しばしば アングラ、「アンダーグラウンド」 という言葉で語られます。

 ハッキングや違法コピーソフト、無修正エロ画像などのワイセツ物、官庁や企業、芸能界など業界裏話や個人情報のやり取り、さらには薬物やその他非合法の物品の情報のやり取りなど、実社会はもちろん、一般的なネットの世界からも隔絶した地下情報のやり取りが行われている場所だと認識されていたんですね。

 これが 「2ちゃんねる」 時代となり、社会問題化する事件の報道で一般から注目を浴び、さらにネットが一般人に身近になって大量に流入したことから、「匿名掲示板=アングラ」 のイメージを 「2ちゃん」 が一般化して薄めた…というような認識がされているような印象があります。

パソコン通信時代には、法整備もほとんどされてませんでした

 筆者的には、ちょっとこの分析は的ハズレな気がします。 というのは、例えば 「2ちゃんねる」 やその実質的な前身である 「あめぞう」 などが現れる以前、すなわち パソコン通信 時代でも、こうした話題を扱う場はいくらでもありましたし、当時はネット全体が 「アングラ」 的な印象を持たれた閉ざされた世界でした。

 例えばパソ通最大手の NIFTY-Serve (現 @nifty) や PC-VAN (現 BIGLOBE)、アスキーネット などの商用パソコン通信ホスト局は、一般に会員登録に実名実住所、銀行口座やクレジットカード番号などが必要で、匿名性からはかけ離れた存在でしたが、当時はパソコン通信ホスト局に対する情報開示などの法整備が現在よりさらに未発達で、売買掲示板などには違法や違法スレスレの商品がズラリと並んでいました (ただし会員規約に触れるので、運営側で即削除になっていましたが、それではと削除時間帯を先読みして情報をやり取るするようなイタチゴッコもその頃からありました)。

 また内部は公式のフォーラムやシグ (SIG) の他、会員がスペースを借りて勝手気ままに運営している賃貸の小規模な掲示板 (NIFTY-Serve における HP や PATIO など) がそれこそ無数にあり、そこでは特定の政治団体や宗教団体の布教活動や誹謗中傷が普通に行われていましたし、ホスト局内での論争 (バトル) を見つけてウォッチする、現在のネットウォッチ的なものも既に生まれていました。

 チャットなどでは定番のテレビ中継のほか、セックスフレンド募集のチャンネル (部屋) も普通にありましたし、匿名性の走りともいうべき、霊魂チャンネル(バンドA−8で、参加者が全員 ハンドル を 「霊魂」 にして発言するチャットルーム、今の 「名無し」 みたいなもんですね) もありました。

 小規模な 草の根BBS に至っては、完全な不法情報をやり取りしているところもたくさんあり、およそ現在ネット上で 「アングラだ」 と称されるあらゆる ネタ が、1980年代末から 1990年代初頭には登場していました。 これらは 「あめぞう」 だから、「2ちゃんねる」 だから、といった現象ではなく、ネットだからこそ現れたと見るべきでしょう。

 個人的にはこうしたパソコン通信のアクティブなユーザがそのまま、ウェブの時代になって 「ぁゃιぃわーるど」 やその流れを汲む 「あめぞう」 系 (一時期大量のあめぞう系掲示板があふれた時期があります)、そして 「2ちゃんねる」 に流れていった 「実感」 があるので、その意味で 「ネットは元々アングラ的なものを含む混沌雑多の世界」 であり、「いずれネットは一般の人のほとんどが利用するものになる」、したがって 「アングラ」 なる実社会において影や闇の存在であった情報は、ネットの普及によって否応なしに表の世界に引き出され光を当てられてしまう。

 そしてその変革期に 「2ちゃんねる」 が出くわした…ってのが、この20年ばかりのネットの状況じゃないかと思っています (ちなみに あやしいわーるど自体、ウェブ上での開設は1996年8月21日でしたが、前身は 1995年に NIFTY-Serve のレンタル掲示板上で誕生しました。 あめぞうは1997年8月5日)。 他にもセガBBSとか自動アンケート作成とかパワートダイとかいろいろありましたね…。

実社会とネット社会、管理人と利用者の関係とは

 では 「あめぞう」 や 「2ちゃんねる」 はたまたまその場に存在し、居合わせただけで、別の何かがあれば容易に取って代わられる程度のものであったのか、と云えば、答えは否です。 そもそもなぜ 「あめぞう」 が一時期あれほどネットの世界で一世を風靡したのかと云えば、第一にスレッドフロート型という、現在多くの大型掲示板が採用している掲示板システムを持っていたからです。

 常に最新のホットな話題を扱ったスレッド (トピック) が最上位にくるこのシステムは、パソコン通信などのユーザ管理型のツリー形式掲示板に慣れていたがゆえに、既存のウェブ掲示板のショボい仕様に不満を感じていたユーザに、熱烈に支持されるシステム (CGI) でした。 しかしこれは、「あめぞう」 の魅力のごく一部でしか、ありません。 「あめぞう」 の素晴らしさとは、すなわち管理人 (あめぞう氏) の運営姿勢であり、また管理人の人柄でした。 これは 「2ちゃんねる」 の管理人、ひろゆき氏も同じで、その運営姿勢とは端的に云えば、「発言内容が全て」 の姿勢なんだと思います。

嘘を嘘と見抜けない人は…

 そこには嘘や捏造、冷やかし、単なる 煽り叩き荒らし、およそ 「言論」 などとは呼べないような痴劣な落書きもあります。 しかしそれを読み判断するのは、管理人や編集長やマスコミ、どこかの権威や有識者でなく、利用するユーザ自身なのです。 管理人はそうした場を提供することに徹し、余計な誘導や耳障りが良いだけのマナーや理想論を述べたりはしない。 馴れ合いもしない。 そしてその場を提供・維持するために、常人では考えられない努力…というか、負担を受け持っている。 これは一種の才能といっても良いでしょう。

 有名人や著名な知識人の書いた文章も、そこらの無名の一般人が書いた文章も等しく扱われ、その判断は利用者にのみ委ねられる。 そうした場をむちゃくちゃな裁判沙汰を抱えながらも提供し続ける管理人がいる。 これは一方的な情報ばかりを垂れ流す既存のメディアや、あるいは削除 (大げさに云えば言論統制) 当たり前の掲示板と比べると、たいそう魅力的な 「場」 であるのは間違いありません。

 もちろんこれは、個人情報の侵害や名誉毀損の問題と表裏一体のもので、どのあたりに折り合いをつけるべきなのかは、非常に難しい個別的判断の積み重ねしか解決策はなさそうなテーマなのではありますが、しかしネットと 「2ちゃんねる」 の持つ魅力と問題点とはすなわち、これに尽きると思うのですがどうでしょうか。

様々なネット上の居場所

 パソコン通信のホスト局には、前述した全国ネットの大手のほかに、草の根BBS と呼ばれる個人やグループが運営する小規模なものがありました。 またパソコン通信から インターネット への過渡期には、「fj」 を頂点とするニュースグループがあり、メーリングリストがあり、さらに2ちゃん系のアングラ掲示板の対極に Yahoo! 掲示板のような大手ポータルやプロバイダの直営の掲示板もあります。

 個人サイトの掲示板と云えばそれこそシステムも仕様も物理的な数も無数にありますし、「Slashdot Japan」 のようなオープンソース・ジャーナリズムの拠点となっている場所や、様々なサービスを複合させて独特な世界を築いている 「はてな」、2004年になって相次いで登場した 「GREE」 や 「mixi」 のような実名制を大幅に取り入れたソーシャルネットワーキングサイト、逆に Nych のような P2P による極端に匿名性の高い掲示板システムもあります。 ゲーム を中核とした 「ガンホー」 や、その雰囲気を持つ若年層コミュニティ 「カフェスタ」 なんかもあります。

 これらは既存の掲示板システムやコミュニケーションツールの機能や考え方を複雑に反映しながら栄枯盛衰、世代交代を繰り返しており、掲示板のカテゴリだけでなく場所によっても雰囲気や利用のされ方も様々です。 古いシステムは消え去るものがある一方、別の装いをまとって再び人気が出たりして、大雑把な流れは分かってても、全体を誰かが見渡すのは不可能ではないかと云うくらいの規模になっています。

 そもそも2ちゃんねる自体、膨大な板、そこに立てられた無数のスレッドによって構成されていて、初期の初期から2ちゃんに書き込みをしていた人でも、「おや、こんな板があったのか」 と思うことがしきりの状態となっています (ちなみに2ちゃんでも、荒らし対策のためにリモートホストがデフォルトの板や、必ず IP 表示がされる板、実名制は担保しないけれど、書きっぱなしをある程度制限するユーザ登録制の 2ちゃんねる Be 、2ch SNS など、実験中の板やサービスなどが多数あり、運営を模索しています)。

 自分のサイトや blog を持っていても、何となくネット上の住処、居場所 (常駐先なんていいますが) は自然と決まるものです。 古いネット住人も、電車男で初めて2ちゃんねるを知ったという新しい人も、ネットという別の世界で気持ちよく利用できるよう、時に用心深く、時に寛容に、時には寒いギャグも使いながら、ネット世界で自由に発言ができる環境を守ってゆける振る舞いをして行けたらいいですね。

 いずれ2ちゃんねるも終焉の日を迎えるのかも知れませんが、それまでの常駐先が消えてなくなるのは寂しいものです。 少しでも自分の好きな、居心地のよい場所が残ってゆくよう、人の振り見て我が振り直せで、利用して行きましょう (自戒も込めて… (´□`)。

殺伐と馴れ合いの狭間で

 馴れ合い とは、利用者同士が過度に親しくなって、他の参加者が疎外感を味わったり新規参加者が入りづらい雰囲気になったりしてしまう状態のことです。 パソコン通信の時代からこれは散々云われていて、例えば100人参加のコミュニティがあったとして、そのうち50人が 「OFF会」 に参加すると、残りの50人とOFF会参加者との間に、見えない溝ができてしまったりします。

 掲示板なりコミュニティなりで読める、分かる話題以外の話題 「オフ会ネタ」 とか 「オフネタ」 とかは、昔から嫌われる傾向がありますね。 あるいはネット上の場所に、リアル世界での 幼馴染 や友人が1人だけ、突然馴れ馴れしい口調で参加してきて、もうそれだけで場の空気が一変してしまうようなケースすらあります。

 ある程度以上、実名制が求められている mixi のようなソーシャル系のネットワークは、個人的には掲示板などの不特定多数が集うコミュニティと云うより、むしろ ネットワークゲーム に近い感触を受けますが (義務に対する強迫観念とかw)、ここらへんはリアル社会の人間関係の持つ便利さ、危うさがネットというツールでより先鋭化しているきらいはあります。

 まぁ mixi なんかは閉じたネットワークですし、そのくせネタやデータ、リソースはインターネットから持ち込んだものが多いので、内部で再生産・消費する一方ではなくて、少しは外部に還元してもいいのでは? …なんて、パソ通時代の互助みたいなものを原点とするあたしなんかは思ってしまいますが (^-^;)。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年08月05日)
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