同人用語の基礎知識

同人作家/ アマチュア作家

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同人作家の定義は難しい…って云うか、筆者も立場は微妙です(笑)

 「同人作家」(どうじんさっか)「同人漫画家」 とは、生業・本業としてではなく、マンガ や小説の執筆を “非営利の趣味、道楽” として行う人を一般に指して呼ぶ言葉です。

 ただし非常に定義の難しい テーマ として、同人作家と、いわゆるプロ作家との境界線の問題があります。 同人誌 と、ロリコン誌美少女コミック誌 などの商業誌に同時に携わる作家の存在や、またマイナーの商業誌と人気のある 大手サークル 発行同人誌の発行部数 (影響力や、得られる収入も含めて) の逆転傾向、更には 商業 の流通に乗った半同人誌的な商業出版社刊行の アンソロジー本 の存在などが大雑把な分類すら難しくしているのですが、要するにこうした区分は、もはやあまり意味がないのかも知れませんね。

 現在では、過去に一度でも商業誌 (もしくは商業 ゲーム のシナリオ作成や キャラ のデザインなど) に携わった作家、ISBN コード付の書籍を発行した人はプロ、それ以外は同人作家として見なすようですが、もちろん、自分で 「プロ作家」 だ、「同人作家」 だと云った場合には、それがそのままその作家の立場を明瞭に表すのは云うまでもありません。 ただし、自称 「同人作家」 の場合、観点がまた全然違った税務的な基準もあったりして、やっぱり複雑ですけど… (^-^;)

同人作家とプロ作家、その境界線と違いとは

 ところで 「同人作家」 と 「プロ作家」 を明確に分けられるとして、そのどちらが上か下かはまったくのナンセンスな命題ですが、商業誌デビューを果たした同人作家の同人誌が、ほぼ例外なく古本市場などで価格高騰するのは不思議な現象ですね。

 これはもちろん、作家本人の意思とは無関係な、いわば 読者 側の価値基準にもっぱら基づいて起こっている現象な訳ですが、読み手の多くや同人誌界に詳しくない一般の人たちにとって、やはり依然としてコミック・小説の 「同人誌」 は、“プロ予備軍” や “プロ志願” の人たちによって作られているものだ… と云う固定観念が (信じられない事に未だに) 強いような気がするのは不思議です。 “プロになり損ねた連中が自費出版でやっているつまらないマンガ” なんて煽る人もしばらく前まではかなりいましたしね。

 確かに、例えば 同人イベント の最大手である コミケ なんかだと、初期の頃は才能発掘をテーマとして掲げている時期もありましたし、実際に高橋留美子さんや柴門ふみさん、あさりよしとおさん、坂田靖子さん、高河ゆんさん、CLAMPさんら著名漫画家が多く誕生しています。 けれど同人誌やコミケの規模が広がるにつれ、逆に同人に全く触れずにマンガや イラスト の世界にデビューする人はいないのではないか…あたりになると、参加者の人数も増えさまざまな別の意図で参加する人も多くなってきて、コアなマンガ ファン やマニアだけのものではなくなってきているような気がします。

 それでもやっぱり、全く興味のない人にとってはアマチュア作家=プロ予備軍になってしまうようで、う〜ん、同人作家本人には、そうした意識や印象はほとんどないんですけれど、これはちょっと不思議な感覚のズレです。

素晴らしい 「趣味」 としての 「マンガの執筆」

 日曜に草野球へ行く人がべつにプロ野球選手を目指していないように、趣味としての楽しみ方がマンガや小説の “執筆” にも当然あるハズなんですが、そうした想像力が部外者とは云えほとんど働かない点には、ちょっと驚きを感じますね (^-^;)。 もっとも、同人誌やコミケの世界が注目されるにつれ、さすがに一般の認識もここ数年で変わってきてはいるようですが。

あまり参考にならない具体例…

 ちなみに 筆者 の場合のスタンスですが、プロ・商業としての活動と同人としての活動は完全に別にしていて、ペンネームや扱うテーマ、流通経路から関わる人脈まで、まったくの別々になっています (意図的にそうしたのではなく、かなり成り行きです)。

 ただし税務上は、両方とも合わせて申告しています。 専業同人作家の場合は個人事業主になるので青色申告も可能になりますが (帳簿類の提出が求められかなり面倒な申告になりますが、税制上かなり有利な納税になります)、白色申告 (手続きは青色に比べ簡易ですが、税控除などが少ない) による納税も可能です。

 まあ筆者が商業で仕事をしていた時は今とは慣行とか常識なども色々と違っていましたが、当時の何かにつけてゆるい感じに甘えてしまったり、自分の才能のなさや生来のズボラな性格によって様々迷惑をかけたりといったこともあり、反省とともに自分に嫌気がさしてほとんど 断筆 の状態ですけれど。 気楽にやれる同人や ネット での発信などが、自分には合っているような気がします。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年3月12日)
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