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良いものがでるまでひたすらリセット… 「厳選」

 「厳選」(げんせん) とは、ゲーム においてプレイ中にランダムでドロップ・排出される キャラ や スキル、装備品 などが最強のもの・最強の数値ばかりになるよう、入手の手順を何度も繰り返して選び抜き、取得・付与・保管・記録 (セーブ) することです。 「厳選作業」 とも云います。 全てが最強状態になったものは 「厳選」 のほか、「厳選済み」 あるいは 「パーフェクト」 などと呼びます。

 「厳選」 という言葉それ自体は文字通り 「厳しく選び抜く」 といった意味の普通の日本語ですが、ゲーム用語、あるいは オタク用語 としてのそれは、おおむね任天堂の人気ゲームタイトル 「ポケットモンスター」(ポケモン) において、得られるモンスターやその個体値 (パラメータ)、特性、性格などの厳選行為から広がりました。

 ただしキャラのパラメータや特性・スキルなどがランダムで付与されるゲームはそれ以前からあり、その時点でも 「一番良い数値が出るまでひたすらリセットしまくる」「繰り返す」 という遊び方はありましたので、厳選という言葉がこの意味で初めて使われだしたのがいつかについては諸説あります。

 なお厳選行為を行う時間を 厳選タイム と呼びますが、この言い方は他の意味で使うことの方が多いでしょう。

ゲーム開始前の厳選でいつまで経ってもゲームが始められない…

 いわゆる ガチャシステム を持つ ネトゲ などで、ゲーム開始時に初回のみ一定回数のガチャを無料で回せるものがあります。 この場合、「ゲームをダウンロードして開始する → ガチャを回す → 良いものが出なかったらゲームをアンインストール (削除) してまた最初からやり直す」 という厳選作業と似たプレイ方法・遊び方があります。 このスタイルの厳選行為はとくに 「リセマラ」(リセットマラソン) と呼びます。 この 「リセマラ」 は、ネトゲにおけるガチャを使った一度きりの厳選行為と云えるかもしれません。

 新規 ゲームがリリースされるとガチャで排出されるキャラや装備品の性能ランキングがすぐさま作られ、とくに高性能なものは 「当たり」 とされます。 この 「当たり」 か、それに近い性能のキャラや装備品が1つあるいは複数出るまでひたすらリセットを繰り返すことになります。 難易度が高いゲームの場合、最初にこれをやるかやらないかでスタートダッシュに大きな差がつくこともあります。

 また入手できるのが期間 限定 のキャラや アイテム が登場するゲームならば、取りこぼして悔しい思いをしたくなければ 周回 なりリセットなりをして厳選するしか方法はないでしょう。 ただしこの場合は厳選とは呼ばず、「堀り」(発掘するの意) と呼ぶ方が一般的でしょう。 ただしドロップするキャラや装備品などに個体差がある場合は、堀りつつ厳選もするという地獄の作業が必要となります。

「6Vメタモン創るんや…」 気が遠くなる厳選作業

 前述した 「ポケモン」 については、バージョンによって様々な違いはあるものの、おおむね獲得したモンスターに固有かつ複数の特性や個体値、性格や体色 (レア な色がある) といった要素があり、それぞれの要素に 「当たりとハズレ」 のような上下の振れ幅があります。 当然ながら 「当たり」 に相当するような特性や数値が付与される確率は極めて低く、また獲得できる数や頻度にも限りがあり、わずかなチャンスにかけて、ただひたすら厳選し続けることとなります。

 またゲーム開始時にキャラメイクなどでパラメータをランダムで割り振れるタイプのゲームなどでは、結果判定後に良い数値となるまでリセットを繰り返すこととなり、いつまで経ってもゲームが始められないといった状況になることもあります。

 しかし特定のキャラやアイテムの進化の一過程に厳選行為が必須なゲームもあり (そこで厳選しないと最終的に最強キャラにならず、やり直しもできない)、こうした 取り返しのつかない要素 に厳選行為を求められると、好きでやっていることとはいえ、うんざりすることになります。 とくに育成中心の遊び方をしている人や、ハクスラと呼ばれる自分のキャラなどを最強にすることが主目的のプレイをしている人だと、失敗によって一気にモチベーションもダウンしてしまうでしょう。

 ゲームに最適解や効率を求めるのも楽しみの一つでしょうが、事前に得た攻略情報を元にリセットを繰り返す行為は遊びというよりは単なる 「面倒な作業」 に近く、それが後々の楽なプレイを約束するものなのだとしても、敬遠する人も少なくありません。 厳選作業を極めれば、結果的にすべての プレイヤー が同じような狭い一本道のプレイをすることにもなり、それはそれでゲームとしてどうなのよって状況になる場合もあるでしょう。

「リセットさん」 と 「リセット監視センター」

 ちなみにポケモンと同じ任天堂の人気ゲーム 「どうぶつの森」 シリーズの一部には、厳選行為や失敗のやり直しでリセットをすると、プレイヤーの行為を咎め叱り飛ばしたり脅したり反省文を書かせようとするモグラのキャラ 「リセットさん」 が登場します。

 そのセリフの調子はかなり強いもので、「くらぁーーっ! ちょっと 待たんかぃ、こら!」「キミ 今 何した?」「何をとぼけとるんじゃー!」「もう 2度と リセットはしたらアカンでぇ!」 などと延々お説教を聞かされる羽目になります。 時には右手に持つツルハシで物理的に威嚇されることも。 またゲーム内に公共事業として「リセット監視センター」 を建設することもできたりします。

 「プレイ中に気にくわないことがあっても、リセットせずその過程を楽しんで遊んで欲しい」「やり直さない方が楽しいことだってある」 との意図から生まれたキャラや施設なのですが、その叱り方がかなりきつめだったこともあり、一部では ネタ としても話題となりました (一番怒らせる方法みたいな)。 ちなみにその後 オートセーブ が導入されリセットが難しくなったこともあり、リセットさんは登場しなくなりました…。

 ゲームなどに触れるプレイヤーの年代にもよるのでしょうが、この 「リセットさん」 と 「ぼのぼの」 の 「しまっちゃうおじさん」 が頭の中の同じ場所に格納され、強いトラウマとなっている人はわりといるようです。 何となく後ろめたく感じる行為をした後に、それを見透かし正論で問い詰められると子供心にも辛いものがあるのでしょうね。 まあ正論による問い詰めは、最近ではモラハラ (モラスハラスメント) とか呼んで避けましょうみたいな空気になってますが。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2014年7月6日)
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