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ゲーム内容を保存して同じ状態で再開できる… 「セーブ」

 「セーブ」(Save) とは、コンピュータでソフトウェア (プログラム) を利用してデータを記録媒体に 保存 することです。 英語の Save の意味は多岐にわたっていて、救うとか助けるの他、抑制する、節約するとか、守る、保存するといった意味があります。

 日本の場合、パソコンで作業して制作したデータはそのまま保存と呼ぶことが多く、わざわざセーブとは、あまり云わないかも知れません。 一方で救う守るの意味で野球用語として使われたり、減らすという意味で仕事をセーブするといった使い方もするなど、日常 の会話でも非常に良く使われるカタカナ英語の代表みたいな部分もあります。

 ゲーム においては、それまでの プレイ 内容を保存するとの意味で、もっぱらセーブが使われる場合が多いでしょう (それに伴いパソコン作業での保存もセーブと呼ぶことがあります)。

 なお記録した セーブデータ を読み込むことは ロード、失うことは ロスト と呼びます。

ゲームにおけるセーブの目的と誕生

 ゲームにおけるセーブの基本的な目的は、一度のプレイでは終わらないほどの長いプレイ時間を必要とするゲームにおいて、いったん中断した後に再開する際、同じ状態・続きからプレイできるようにするためです。 したがって短時間で終わるようなゲームにはセーブする機能がない場合もあります。 また内容が一本道のゲームであれば、プレイヤー がゲーム内容のどこまで到達したかだけを記録すればよく、保存すべきデータ容量も小さくて済むでしょう。

 ただしコンピュータゲームが広がりだした頃は、記録媒体の容量が小さく、ゲーム本体のプログラムですら十分に格納することが難しい時代でした。 当然ながらセーブのために記録エリアを設けることも厳しい状態でしたし、カートリッジに情報を書き込んで電源がない状態で長期保存する方法もありませんでした。

 当初はゲーム自体も一本道の短く単純なゲームが多かったためそれでも困りませんでしたが、その後 RPG などの クリア まで時間がかかるゲームが登場、いったん中断した後に途中から再開する必要性が生じるようになりました。 またゲームプレイの途中で何らかのミスを犯すなりして ゲームオーバー (ゲームの中途強制終了) が発生した際に、前回セーブした部分からやり直すことを主な目的とする場合もあります。 さらに キャラクターレベル経験値アイテム、勝敗履歴やハイスコアの記録といった 概念 も登場し、保存すべきデータの量も増大することになります。

ゲームにおける様々なセーブの記録方法

 日本においてセーブ機能以前にこの機能に近い役割を担ったのは、ゲーム中断時に パスワード を発行し、ゲーム再開時にその入力を求める パスワード入力制 でしょう。

 この方式で代名詞にもなっているものに、1986年5月に初代がリリースされた 「ドラゴンクエスト」 シリーズにおける 「復活の呪文」 があり、この方式での再開を 「復活の呪文式」 とか 「初期ドラクエ式」 と呼んだりもします。

 このパスワード式はデータの記録や保存ではなく、特定文字列による同じ状況の 新規 生成であり、その後バッテリー バックアップ 式によるセーブ機能が実装されるようになります。 ドラクエシリーズのパスワード式ではゲーム内容が複雑になると最大52文字もの長文入力が必要で、かなり辛いものがありました。

 当時多くのゲームが、いわゆる家庭用ゲーム機専用のカートリッジの形で 供給 されていました。 従ってカートリッジ内部に電池を持ち、それでバックアップをする方式がファミコンからスーパーファミコンの時代まで続くことになります。 その後 CD-ROM による供給が始まると、メモリーカードといった名前で外部記憶媒体が アクセサリー として 別売り されるようになります。 これにより、お金さえかければ自由にセーブデータを保存できるようになりました (このカード方式にも、電池式と非電池式があります)。

 なお1990年代末から2000年代初めにかけ、パソコン (もしくは携帯端末) と ネット を使った ネットワークゲーム (ネトゲ) が流行したり、家庭用ゲーム機を使ったネットワーク対戦・共同プレイなどが広がります。 この頃になるとセーブデータを改竄することによる不正行為 (チート) を防ぐため、プレイヤーのプレイ記録をそれぞれが ローカル 環境 の記憶媒体に保存するのではなく、ゲーム提供側のサーバの中など、ネット上でまとめて記録するようになります (クラウド方式)。 これはプレイヤー側にも 「万が一パソコンやメモリーカードが破損しても容易に復旧できる」 という点でメリットがあるものでした。

 その後ネトゲがますます普及すると、ゲーム提供のプラットフォームごとに複数のゲームのセーブデータをまとめて管理するようになったり、逆に同一ゲームの複数ハードウェア (例えばパソコンとスマホなど) での 共有 が可能なセーブ方式も登場するようにもなっています。 これは クロスセーブ と呼ばれます。

ゲームでの実際のセーブの取り方

 プレイヤーがセーブをする際には、いくつかの手順があります。

 代表的なのは、特定の場所に セーブポイント (セーブができる場所) が設けられ、そこでセーブをするかどうか尋ねられて行う方式でしょう。 またゲームのプレイ 画面 に機能一覧メニューが表示され、そこにセーブするための機能が割り当てられている場合もあります。

 前者はあらかじめ定められた場所・タイミングでしかセーブできませんが、挽回できず 詰む ような場面でのセーブをある程度防ぐ効果があります。 後者はおおむねどのタイミングでも自由にセーブができますが、例えばゲームオーバー寸前の状態で誤ってセーブをしてしまい、ゲームオーバー以外の再開ができなくなるなどの恐れがあります。 いずれの場合も、1つから4つ程度、ゲームの ジャンル によってはそれ以上のセーブデータを保存できるケースが多いでしょう。

 これらはユーザーが任意でセーブを行うものですが、ゲーム側で自動的にセーブを行うもの (オートセーブ) もあります。 こちらはユーザーが意識しなくてもプレイ記録を取ってくれるものとなりますが、通常は記録されるのが1つだけであり、「以前の場所やタイミングに戻ってプレイし直す」 といった遊び方はできません。

 厳選行為 といった、ランダム要素で良い目がでるまで リセット を繰り返すといった遊び方もできませんが、オンラインゲームなどではプレイヤーごとに記録内容が異なるとゲームとして成立しませんから、同期を取るためにもやむを得ない部分があります。 それでもやりたいならゲーム開始直後に繰り返す (リセットマラソン/ リセマラ) か、途中でいわゆる 取り返しのつかない要素 があった場合も初めからやり直すしか手段がないことになります。

電源不要 (非電源ゲーム) でのセーブ

 上記のセーブはコンピュータゲーム (要電源ゲーム) におけるものですが、電源 を必要としない TRPG といったアナログゲーム・電源不要ゲーム でもセーブの概念はあります。 将棋や囲碁における棋譜に相当するもので、冒険を文字によって記録します。 これは一般にログ (LOG/ 航海日誌などの意) などと呼ばれ、要電源のセーブ&ロードと同様、ゲームを中断した後の再開のために用いられます。

 通常はノートなどに 行為判定 の結果を中心に冒険の内容を記しますが、ゲームごとに専用のログブックが作られたり、販売されている場合もあります。 こうした記録はゲームが終了した後もプレイ日誌や戦史として大切に保存されることも多く、これを元にした 作品リプレイ (Replay) があります。

 またゲーム再開を前提としたセーブではないものの、「冒険の記録」 という点でのみ考えれば、要電源のコンピュータゲームにおいても、プレイ内容の録画や 動画 配信 による 実況 なども、広義のセーブと云えなくもないでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2007年3月16日)
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