秘されたものを見せるという意味の俗語化も 「御開帳」
「御開帳」(ごかいちょう) とは、仏教の寺院などにあって普段は秘されている仏像や宝物 (秘仏・秘宝) を、特別に参拝者らに公開する宗教行事・催しのことです。 何らかの周年記念や年に一度、あるいは数年・数十年に一度の特定期間のみの 限定 で行われます。 公開範囲は様々で、限られた 信者 や関係者ら、あるいは事前の予約受付ができた者のみに公開されることもあれば、当日参拝した者なら誰でも拝観できることもあります。 御開帳のほか 「御開扉」「啓籠」 と呼んだり、とくに大規模で盛大なものは 「大開帳」 と呼びます。
いつもは閉じられている帳 (とばり) や厨子の扉が開かれる御開帳ですが、これが転じて、隠されたものが大っぴらになること、秘密を公開することを指す俗語としてもよく用いられます。 例えば著名な おたく やコレクターが門外不出の秘蔵品やお宝をメディアに見せたり公開したり、そこまでいかずとも、人には見せていない 趣味 の イラスト を友人だけにはちょっと見せたりといったケースですね。
また エロ な文脈では、女性の秘所が露わになる、それも女性本人が足を広げ、場合によっては手で秘所を広げるなどして見せる行為を御開帳や大開帳と呼ぶことがあります。 エロ・同人用語 でいう M字開脚 や まんぐり返し みたいなポーズで行うものですね。 足をパカッと開くので足パカとか、両足がそれぞれ左右に開くので観音開きみたいに呼ぶこともあります。 また手で秘所そのものを開く行為は くぱぁ と呼ぶこともあります。
これが見たかった…ありがたや ありがたや
本来の御開帳では、参拝者は普段見ることのできない仏様や宝物に 祈り を捧げ、厄除けや特別な護符やご利益を授かったり、札の 頒布 を受けることができます。 また御開帳に合わせて歴史絵巻さながらの古式ゆかしい壮麗な儀式や法要なども営まれます。 一生のうちに一度しか参拝のチャンスが巡らないような貴重な行事の場合もあり、熱心な仏教徒や仏像・文化財や歴史の ファン にとっては是非とも訪れたい イベント でしょう。
御開帳で全国でもとくに有名なのは、長野県 善光寺で行われる善光寺前立本尊御開帳でしょう。 7年に一度、絶対秘仏である ご本尊 の一光三尊阿弥陀如来の御身代わりである前立本尊 (鎌倉時代/ 重要文化財) が公開され、大勢の信者や観光客らが一目見ようと訪れます。 公開中は本堂前に建てられた高さ約10mの回向柱との間に善の綱と呼ばれる金糸から五色の糸へと変化する綱が繋がれ、善光寺御開帳奉賛会によれば回向柱に触れることで仏に触れ縁を結んだのと同じ計り知れない功徳があるとされます。 仏様が柱や綱を通じて善所に導てくださるというわけです。
この他、比較的気軽に参拝できるものとして、毎年3回、お正月、5月、9月15日に秘仏の黒本尊阿弥陀如来が公開される東京都港区 増上寺の御開帳があります。 天下人・徳川家康の念持仏であり、健康長寿・子孫繁栄・商売繁盛にご利益がありそうです。 日本には寺社がたくさんありますし、年に一回といった御開帳も少なくないので、一度くらいは地元のそれに訪れるのも楽しそうです。
ひと昔前は絶対秘仏が公開されないのはもちろん、それ以外の秘仏もめったに公開されない感じでしたが、近年は公共霊園の整備で市民の檀家離れもあってお寺との縁も薄くなっていますし、文化財保護のための市民の理解や協力を得るためか、積極的に御開帳を営むところも増えている印象です。 開帳時期は毎年、3年目、7年目、33年目、50年目といった故人の法要・法事における回忌と同じスパンが一般的です。 秘仏や御開帳の情報をまとめている ホームページ などもありますので、チェックしてみても面白いでしょう。
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック



















