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インスタ映え

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キラキラ写真を撮るとみんなに見てもらえる! 褒められる! 「インスタ映え」

 「インスタ映え」 とは、写真や動画などを 投稿 する SNS 「Instagram」(インスタグラム/ インスタ) に日常生活のあれこれを写真・動画に撮って アップ する際に、その写真や動画が 「見栄え」 することです。 インスタ内で映えて多くの フォロワー などに見てもらえる、好意的な感想を貰える、シェア されるなどが楽しい、嬉しい、そのために映える写真を撮影してアップするとの意味となります。 単に 「映え」(ばえ) とも云います。

 こうした言葉が生まれた背景としては、インスタの利用者 (インスタグラマー) に若い女性やそうした層に支持される女性タレントなどが大勢いたこともあり、単なる情報発信・共有ツールと云うよりは、「キレイ」「おしゃれ」「リッチ」 といったファッション誌的なビジュアルイメージが重視される SNS となっていた点があります。 ビジネス利用が比較的初期から盛んで、かつ 費用対効果 も高いと見られていたことから、著名人なども積極的な参加をしていました。

 この傾向はアメリカなどで先んじて起こっており、いわゆるセレブと呼ばれるような女性らのリッチな日常生活の発信が注目されていましたが、インスタに日本語版 公式アカウント が開設された2014年頃から日本でも関心や人気が高まり、その少し前から普及し始めていたスマートフォンの広がりと共に利用者も激増します。

スマートフォンの普及が大きな原動力に

 「インスタ映え」 の盛り上がりでは、とりわけスマートフォンの普及が背景として大きなポイントでしょう。 日本ではそれ以前から高性能カメラ機能をうたう携帯電話 (ガラケー) が普及して 写メ が人気を得ており、誰でも手軽に美しい写真を撮ったり ネット に投稿したりといった習慣が根付いていました。 しかしスマホはカメラ性能もより向上し、何よりそれを見るディスプレイ部分が大きくなったこと、画像加工アプリなどで簡単に美しく加工できることで 「自撮り」 もしやすいなどもあり、「インスタ映え」 の写真撮影に大きな力を発揮するものでした。

 その結果、「おしゃれに盛り付けた料理の写真」 や 「美しいネイル」「ちょっとした美しい風景」「センスある家具」「流行のファッションに身を包んだ自分」 などの 「キラキラしたライフスタイル」 のグラフィックイメージが、インスタと結び付けられる形で盛んに触れられるようになりました。

 翌年2015年にインスタの日本人利用者は810万人、2017年には2,000万人を突破し、インスタグラムで大勢のフォロワーを持ち人気と注目を集める一般人なども次々に出現。 彼らは大きな影響力を持つ人 「インフルエンサー」 と呼ばれ、マーケティングなどにも活用されるようになります。 大手メディアなども好意的にこれらの現象に触れ、2017年の流行語大賞では 「インスタ映え」 が年間大賞を受賞するまでになっています。

人気店に群がる様を 「インスタ蠅」 などと揶揄することも

 一方、それまで 2ちゃんねる といった 掲示板Twitter などを利用してた人たち、とくに男性と思われる ネット民 たちからは、こうした傾向やブームは冷ややかに見られがちでした。 これはかつてお菓子をスイーツと呼んでありがたがる女性を スイーツ(笑) と呼んで侮蔑していたことと同様に、若い女性の薄っぺらく見える興味関心事や、それを好意的に扱う大手メディアなどへの反感と同じでした。 また投稿の意図にあざとい 承認欲求 が感じられるのも、醒めた目で見られがちな原因でしょう。

 その結果、それ以前から SNS で広がっていた自撮りと合わせ、「インスタ映え」 や 「映え」 という言葉も揶揄・皮肉で使うケースが大半の状態に。 スイーツ(笑) と同様に (笑) をつけて 「インスタ映え(笑)」 などと表現したり、人気店のスイーツなどに群がり大騒ぎする様を 誤変換当て字 して 「インスタ蠅」 などと罵倒する ネットスラング なども生じていました。

 しかしスマホで写真を撮ってネットで見てもらうといった行為は、被写体は何であれ楽しいと感じる人が多いので、徐々に好意的な見方にも変化。 その後はことさらに 「映え」 を使うケースは減りますが、「なるべく見栄えがする写真を撮ってネットで共有する」 という楽しみは、老若男女問わずすっかり定着したといって良いでしょう。

 飲食店なども、SNS での情報発信力や口コミ効果に注目し、「インスタ映え」 や SNS 投稿を意識したメニューを作ったり、撮影のための様々な施策を行うようになっています。 また 「映え」 とは直接的な関係はありませんが、商業施設、とりわけ家電量販店などでは店舗内撮影や写真のネット投稿を認める方向に変わり、撮影可能エリアは拡大の一途となっています。

店舗内撮影などがしやすくなり、ありがたい 「インスタ映え」 の流行

 ちなみに 筆者 は昔から写真記録魔で、出かけた先でせっせと写真を撮ってはネットなどにアップしていましたが、店舗内や施設内での撮影、ましてそれをネットにアップするというのは許可を貰うのが大変でした (一体何の目的で? みたいな怪訝な顔をされたり…)。

 しかし 「インスタ映え」 が広がることで、撮影・ネット投稿が一般化し、許可を得るのがかなり簡単になりましたし、撮影や投稿を歓迎してくれたり、撮影・投稿OK といった表示をして明示的に許可をくれる店舗や施設も増えてきました。 個人的には 「ほんまインスタ映えさまさまやで」 みたいな感じです。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2016年2月21日)
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