お得? 割高? 頒布スピードアップの切り札 「新刊セット」
「新刊セット」 とは、同人誌即売会 に 参加 した 同人サークル が、自分たちの 同人誌 の 新刊 とその他の グッズ とをセット・同梱にして 頒布 するものです。 「新刊セット」 の他、イベント の ナンバリング がされた名称がつけられることも多いでしょう。 例えば80回目の コミケ なら、「C80 新刊セット」 みたいな感じです。
グッズは クリアファイル やポストカード (イラストカード)、キーホルダーや缶バッチ、それらをまとめて入れる袋やバッグ (ビニール手提げ袋 (ビニバ) などで、そのイベントで初出・限定 のものが多いでしょう。 いわばそのサークルの新頒布物のセット売りみたいな位置付けです。 新刊が複数ある場合、キャラ 違いの同一グッズが複数ある場合は、それぞれの新刊やグッズごとに異なる新刊セットを用意することもあります。 企業ブースによくあるAセット・Bセットみたいな頒布方法ですね。
行っているサークルは 壁 や非常口、シャッター前 と呼ばれるような 大手サークル が多いでしょう。 大手には人が殺到して長大な 待機列 が作られますから、頒布物をまとめることで手渡し作業を迅速化し、混雑対応 ができる点が大きなメリットのひとつです。 1.000円とか2.000円といった おつり があまり出ないキリの良い価格として新刊セットを中心に頒布すれば、注文やお金のやり取りを含めてかなりの部分を ショートカット できます。
時短以外にも、頒布の単価を上げることである程度の利益確保がしやすくなるとか、複数展開したグッズの中で偏った頒布による売れ残りを未然に防ぐ効果、さらに同人誌の 書店委託 をしている場合、それと 会場 での手売りとの差別化も見込めます。 新刊はもちろん、その他のグッズも同時に用意して並べられ、またそれをある程度頒布できる人気サークルとしての体力が求められる方法と云えるでしょう。
混雑対応の必要がないサークルの場合、単純にサービスとして新刊セットを作ることもあります。 この場合は新刊単品と同じ頒布価格として、同梱するグッズは無料のおまけ扱いの場合もあります。 グッズそのものも ラミバッチ や 便箋 など、手作りやそれに近い心づくしのものとなるケースも多いでしょう。
自分たちの読者・ファンに何を伝えたいか、渡したいか
一方でこうした頒布方法は、独占禁止法によってしばしば不公正な取引方法とされる違法な 「抱き合わせ販売」 を強く連想させます。 もちろん抱き合わせやセット売りの全てが違法というわけではなく、また事業として 同人 を行っていない 趣味 の同人活動ではおおむね該当もしませんが、頒布価格も新刊単品よりは当然ながら高くなり、この方式での頒布を嫌う人も少なくありません。 大手でもないサークルの新刊単品より割高な新刊セットは、内容によっては反発も受けやすいでしょう。
大手サークルにおける新刊セット方式の第一の目的はスムーズでスピーディーな頒布にありますから、時間帯によって新刊セットのみと新刊セット・通常のバラ売り (個別頒布) とに分けたり、様々な工夫がされることもあります。 また割高感を緩和するためにバラ売りよりは安い値段に抑えたり、何らかのおまけや付録 (おまけ本とかセット本と呼ばれるような新刊セットのみの同人誌とか) を別途付ける場合もあります。 こなれたサークルと よく訓練された 一般参加者 との阿吽の呼吸で行われる頒布は凄まじいスピードとなり、俗に サーキット と呼ばれることもあります。
印刷所 も同人誌の 印刷 と同時に各種グッズ類の制作をパッケージにしたサークル向けのお得なセットサービスや フェア を行うところが増えています。 自分のサークルの規模感や 需要 のあるなし、何よりどんなものを頒布したいかの自分の気持ちを第一に考え、上手く利用したいものです。 適切であれば自分のサークルの 読者 や ファン に対するサービスにもなって一石二鳥かも知れません。 ただし売れなかった場合の心理的・経済的な ダメージ は新刊単品より大きいですけれど。






