レトロ風? 田舎っぽい? 一世を風靡した 「吊りスカート」
「吊りスカート」 とは、女性用の スカート の一種で、スカートのウエスト部分に肩紐 (吊り紐) がついているものです。 吊り紐はスカート部分と同素材 (共布) で一体化したものもあれば、取り外しができるもの、サスペンダーといった外付けの吊り紐を用いた状態を指すこともあり、アメリカ風にサスペンダースカートと呼ぶこともあります。
基本となるスタイルは、正面から見ると左右一対の肩紐がスカートのウエスト部分から直線的に肩まで伸びていて、肩に回った後は背中でクロスした形状が多いでしょう。 また胴の部分に ベスト や胸当てがついていて、ワンピース や ジャンパースカート (ジャンスカ)、サロペットやオーバーオールに分類されるようなものを含めた肩紐つきスカート衣の総称としてこの名称が使われることもあります。
昭和 を代表する女性用 ファッション、なかでも女児や女子の 定番 スカートであり、1960年代を中心に、流行したというよりは 「女子のスカートは基本的にこれ」 といったくらいの存在感がありました。 日本においては子供や若者の普段着として普及する一方、就学女子向けの 制服 などにも採用されています。 ジャンスカ形状のものもあれば、昔ながらの吊りスカートの形を持つものもあり、プリーツ のついたものが セーラー や ブレザー といった トップス と合わせられます。
いかにも昭和風の吊りスカートで一般に広く 認知 されているのは、マンガ 「ちびまる子ちゃん」 の 主人公 まる子の赤い吊りスカートでしょう。 1960年代から1970年代あたりまでは女児用や制服用の他に、オーソドックスなヨーロッパのドレスから影響を受けたり、アメリカのフィフティーズ (50s) ファッションの影響を受けたカラフルで派手めの 柄 がついたものまで、若い女性向けの豊富なバリエーションで人気を得ていました。
女子小学生の記号としても使われる吊りスカート
現在はスカートやズボン (スラックス) といった ボトムス はウェストをベルトやゴムで軽く締めただけで身につける形が圧倒的ですが、当時は男子も 半ズボン などでサスペンダーを用いる穿き方がわりとポピュラーで、このあたりは洋服に対する簡略化が現在ほど進む前の時代で、クラシカルな着こなしが 普通 だったという事なのでしょう。
その後はワンピースやジャンスカ、サロペットなどは用いられているものの、いかにも昭和風の女児向け吊りスカートはめっきり数を減らしました。 一方、やや長めのスカートで、幅広の吊り紐に落ち着いた 色 のものなどは、大人向けの優しいイメージのファッションとして2000年代以降は人気となっています。 ロングスカート は 日常 で用いるにはやや不便なところもありますが、カジュアルで女性っぽい 雰囲気 が出せることもあり、都市部を中心に好んで身に着ける人は多いようです。
創作の世界では、昭和レトロな雰囲気を持つ 作品 で触れられる他、田舎っぽい 地味 な女の子、あるいは ロリ な女の子を描く際によく用いられるようになっています。 なかでもちびまる子ちゃんのような赤い吊りスカートは おかっぱ や三つ編みの 髪型、ランドセル、あるいはよそ行き着のちょっとおしゃれな フリル つきのブラウスなどと並び、やや古風な女子小学生のある種の記号のような使われ方もされ、裸吊りスカートみたいな エロ に振った描かれ方もされるようになっています。
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
関連する同人用語・オタ用語・ネット用語をチェック














