サイトが消えて残るのは 「跡地」 だけ…
「跡地」 とは、存在していた建物などが失われて残った土地、場所のことです。 一般的には不動産の世界で使われる言葉で、家屋や施設などが取り払われた後の更地となった敷地のことを指しますが、何らかの痕跡や遺構が残っている場合にも使われることがあります。
一方 ネット の世界では、個人が作った ホームページ (ウェブサイト) や ブログ などの 運営・更新・公開が終了し、閉鎖後に表示されるページを指します。 こうしたページには 「跡地」 と書かれたりサイト名を付けた 「〇〇跡地」 といった表示 (例えば 「する子のホムペ跡地」 とか)、あるいは 管理人 による「閉鎖しました」 といった文言が記されている状態が多く、これを直接的に指して使う言葉だと云って良いでしょう。
通常、サイトやブログを削除 (データやファイルの削除) をすると URL も消失し、いわゆる 「404 not found」(404エラー) となります (存在しないページへアクセスした時にブラウザ上に表示される HTTP のステータスコードのひとつ)。 しかし跡地の場合は、サイトやブログがあった サーバ や ホームページスペース・ブログサービスの アカウント 自体はまだ生きていて、管理人の管理下にあります。
この場合、それまで公開していた コンテンツ の削除や非公開の 設定 はされているものの、サイトやブログ自体は閉鎖を知らせる トップページ のみの状態でまだ稼働していると云えますが、通常はその後しばらくしたらサーバやアカウントも消え、404エラーが返ってくるだけの完全に消滅した状態となります。
「跡地」 ページが作られる理由
こうした跡地ページを設定するのには様々な理由があります。 いきなり閉鎖して 404 では 一般人 は単なるサーバや通信上の トラブル と見分けがつきませんし、サイトを閉じたことが周知されず都合が悪いという点があります。
また レンタルサーバ などの契約期間がまだ残っていて、サイトを閉じたけれど別のサイトを立てようと準備している時の一時的な閉鎖表示の場合もありますし、ネットに公開されたフォルダに index.html といった html や phpファイルが存在しないと、設定によってはフォルダの中身が丸見えになってしまうため、それを避けるために跡地とだけ記したファイルをとりあえず置いておくというケースもあります。
サイトやブログを作ってそれを閉じるというのは、ネットをかなりアクティブに使っている人でも人生でそう何度もあることではないのでしょうが、長年続いたサイトだと管理人の思い入れなどもあり、跡地とはいえこみ上げるものがあったりもするようです。
閉鎖ではなく移転の場合に、移転元で跡地ページを設定する場合も
なおサイトを移転した場合は、移転先へ飛べる リンク を設置してそちらへ誘導したり、リダイレクト (転送) される形が多いでしょう。 この場合、サイトの URL が変わっただけで削除や閉鎖という訳ではありませんが、旧 URL にアクセスしてきた人への案内のため、移転元跡地として残すことも多いでしょう。
ただしサイトの閉鎖がサーバ会社の消滅やホームページスペース・ブログサービスの終了に伴うものの場合、跡地ページを残す期間が定められていたり、そもそも残すことができないケースもあります。
消えてわかる寂しさ、ネット上の情報って儚いものですよね…
おたく や 腐女子 に限らず、長くネットを利用しているとお気に入りのサイトやブログができるものですし、それがある日突然消えてしまうといった出来事に遭遇することも良くあります。 久しぶりにリンク集や ブックマーク を辿ってみたらサイトがなくなっていた…なんてことも少なくありません。
馴染みのサイトやブログが消えるのは悲しいものですが、跡地ページが存在する限りはそのサーバや URL は生きているので、ある日ひょっこり復活したり、移転先の案内表示が追加されることもあります。 名残惜しいサイトやブログで跡地だけは残っている場合は、しばらく巡回してみるのも一つの手でしょう。





