同人用語の基礎知識

シュッとしたゴミ

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シンプルすぎて訳が分からない… 「シュッとしたゴミ」

 「シュッとしたゴミ」 とは、公共施設 や製品・サービスなどのデザインが、あまりにシンプル・おしゃれ・かっこよさにこだわりすぎて分かりにくく使いづらくなっている状態のことです。

 あるいはそうした分かりにくさ使いづらさによって、利用者らが本来のデザインを無視した改変を行ってせっかくのデザインが台無しになって役に立たない ゴミ のように感じられる状態をあらわす場合もあります。 ネット の世界では、「デザインの敗北」 と同じような批判的意味で使われます。

 こうした言葉が使われるようになったのは 掲示板 2ちゃんねる (5ch) で、再開発に伴う渋谷駅の改装工事において、あまりに分かりづらい駅構内の案内看板に触れた 「【悲報】デザイナー「渋谷駅をスタイリッシュにするぞ、駅名無しで番号のみが最先端」→結果」 でした。 そこにつけられた 「デザイナーに騙された」 と評する 書き込み が話題となり、定着することとなりました。 ちなみに当該 スレッド では参考写真も貼られていましたが、実際は他の駅 (上野駅) の案内版でした。

「シュッとしたゴミ」 書き込み

11:番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です(ワッチョイ ba44-qZMj) 2019/05/17(金) 23:57:04.96 Lm7lLXT/0

サラリーマンになる奴は絶対に覚えておいたほうが良い慣用句

 デザイナーに騙された

おまえら マジ で気をつけろよ。
シュッとしたゴミを売りつけるデザイナーがマジで多いからな日本には。

正直、渋谷駅はほんと分かりづらいです…

 元々渋谷駅とその周辺は、多数の路線が乗り入れ駅ビルなどとも一体化し、迷路状の複雑な構造となっていました。 新宿駅などと並んで、いわゆるリアルダンジョン・初見殺し の駅として知られる存在だったりします。 地域の再開発と合わせ、乗り換えの利便性向上を目指して駅舎・ホームの新設を伴う大きな改装工事は2009年から行われ、2016年と2018年、2019年には大規模な運休を伴う線路切り替え工事を実施しますが、工事期間中の臨時措置とはいえ人の動線を無視するような移動経路への変更もあり、使いにくさに拍車がかかることに。 結果的に多くの利用者が迷ったり極端な混雑の発生が度々起こるなど、批判的に見られる傾向が強まっていました。

 しかも人ひとりすれ違うのもやっとの細い通路もあり混雑に拍車がかかりながら、人が通れない見てくれだけの広大な吹き抜けが設けられたり、やたらと スタイリッシュ でおしゃれなデザインが改装部分に取り入れられるなど、朝夕のラッシュ時に先を急ぐ不慣れな利用者の神経を逆なでするような要素もありました。 こうした経緯とはあまり関係がないとは思いますが、2010年までは新宿・池袋に次ぐ全国3位だった利用者数は減少し、2013年に東京・横浜に抜かれて5位に転落。 それ以降も減り続けて、2016年には品川にも抜かれて6位となっています。

 前述したスレッドで触れられた 「駅名無しで番号のみが最先端」 については、乗り換え口の柱などに設置されたもっとも大きい案内看板のことで (スレの参考 画像 は上野駅のもの)、表示部には 「1」 とか 「G1」「G2」 といった番号や記号のみが記されています。 ぱっと見ただけではそれが何の路線でどこ方面行きのホームなのか最初は判断がつきません。

 もちろん 「G1 (銀座線1番ホーム) は銀座・渋谷方面行きホームだ」 と事前に知っていたり、番線や略号の付与ルールを押さえていればある程度は問題なく使えるのでしょうし、少し進めば小さい案内板ながらどこ方面行きかの表示もあったりするのですが、いつも使っている通勤・通学客ばかりではなく初めて訪れる観光客や数年ぶりで改装工事前しか知らない人も大勢利用している渋谷駅 (や上野駅はじめ JR の乗り換え駅) では、この表記はさすがに分かりにくいのではないかとの批判がされることとなりました。

 結果、スレッドに貼られた画像のスタイリッシュでおしゃれな案内看板には 「渋谷方面 ※浅草方面は後方2番線です」 などといった急ごしらえのプリント紙などがべたべたと貼られ、せっかくのデザインも台無しになってしまったのでした。

駅利用者が多様化する中、ある程度の情報の切り捨ては確かに必要ですが…

 こうした駅の表示変更は、大規模改装工事があった渋谷駅やJR山手線以外にも近年様々行われています。 理由としては、インバウンド拡大による外国人観光客の増加と、相次ぐ各種路線の接続・相乗りにより乗り換え用のターミナル駅などでは1つのホームが数多くの異なる行き先を持つ列車で共用するようになったことなどがあります。 また同時に、乗り換え用のスマートフォンアプリなどの利用者が増えているのも理由の一つでしょう。

 「ホームの刻々と変わる行き先駅名を延々といくつもいくつも、しかも各国語で書き連ねるのは無理」「だったら目立つ表示は現在位置だけを知らせるようにした方が結果的にわかりやすくなる」「後の詳しい情報は、手元のアプリや電光掲示板でご確認を」 という判断がそこにはあるのでしょう (実際、そういう観点で評価する人も少なくないです)。 とはいえ、不慣れな駅で案内板を見ても何が何やらの状態で、後ろからどんどん乗客が押し寄せて先に進まなければならない状況におかれ、あれよあれよの間に誤った場所に着いて 「騙された」 と感じ、予定時間通りの移動が無理となってイライラが募る気持ちは十分に分かります。

 結果、「デザインの敗北」 と呼ばれた 「セブンカフェ」(2013年) の筐体デザインのあれこれや、2015年に 上級国民 という言葉を生んだ 「2020年夏季東京オリンピック・パラリンピック」 公式 エンブレムのコンペ騒動のあれこれを含め、何やら気取って上から目線のいけ好かないデザイナーのイメージに対する八つ当たりも含め、「はいはい、オサレ オサレ」「分かりにくいんだよ!」 との怒りを素朴にあらわす言葉として、定着することとなりました。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2019年11月18日
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