異なる色や紙質の紙を本文で使い分ける 「紙替え」
「紙替え」 とは、1冊の書籍類を 印刷する際に、本文 の途中で印刷紙を別の紙に切り替えて仕上げることです。 商業 コミック雑誌などではおなじみですが、全てが手作りの コピー誌 はもちろん、費用をかければ 印刷屋さん に依頼しての 同人誌 でも行うことが可能です。
なお商業コミック誌では マンガ の 作品 が切り替わるタイミングなどで紙を変えると同時に刷りのインキ色を切り替える場合がありますが、刷り色を変える場合には 色替え、あるいは 「段取り替え」 などとも呼びます。
基本的に書籍類の本文は同じ色、同じ紙質の印刷紙を使うものですが、作品ごとにテンポよく紙が切り替わるのは 「アクセント」 にもなり、本の内容だけでなく装丁や質感を重視して凝った本作りをする一部の 同人サークル さんは、こうした小ワザを結構効かせた本作りをしているものです。 ただしある程度のページ数がないとあまり意味がありませんし、紙の選び方、タイミングによっては、ちょっと貧乏臭くなってしまうのは考え物です。
ちなみにコミック雑誌類で 「紙替え」 が行われるのは、戦後の物資不足の時代に寄せ集めの再生紙を使って印刷していた名残ですが、その後むしろ古紙の方がコストがかかるような時代となり、現在ではあえてコストをかけ、昔風に紙を替えたり、紙を替える代わりに刷りインキ色を変えるようになっているのは面白い点です。 雑誌には雑誌のたたずまいがあるということなんでしょう。
面付けを考えてページを割り振る
なお実際に自分たちの同人誌で 「紙替え」 を行う場合、印刷を頼む印刷屋さんにページで指定して刷り分けてもらうことになりますが、印刷する紙のサイズ (判サイズ) により、面付け が異なります。
「面付け」とは、大きな紙に数ページ分まとめて印刷する事から生じるページの固まり、区切りの事で、具体的には、A5版では8ページごと、B5版では4ページごとに 「面付け」 が行われます。 つまりそれぞれのページごとに切り替えると、無駄がないわけですね。 これらの指示は、台割 を作って行うことになります。
なお2ページ (紙1枚分だけ) の紙を替えるような場合、紙のサイズが違うものを折り込むような場合には 「差し込み」 などと呼ぶ場合もあります。 また綴じずに単に挟み込んであるだけの印刷物の事は、「投げ込み」 と呼びます。