柄や模様がないすっきりした状態 「無地」
「無地」 とは、布や紙などに 柄 や 模様、絵 などがなく、特定・単一の色 だけに染まっている状態を指す言葉です。 図案 などが何もない地のままというわけです。 例えば白無地の布地といえば白一色の布を指します。 英語では Plain と呼ばれます。 対概念は柄ものや色柄ものなどです。
印刷 関係や建築関係、その他様々な業界で使われますが、もっぱらよく用いられるのは服飾・アパレル関係でしょう。 無地服と柄あり服みたいな区分をします。 一般に白とか黒、グレー、クリームといった落ち着いた色みをあまり感じない場合によく用いられ、赤や青、あるいは派手目な 色 の場合は無地そのものより色の種類やピュアカラーとかプレーンカラー、ビビッドカラーといった色の鮮やかさを強調した云い方になることも多いでしょう。 いずれにせよ、指し示す範囲は同じです。
色や柄はないけれど、表面加工 (例えばエンボス加工により表面に凹凸がある場合など) により何らかの模様のようなものが浮き出る場合は、一般に無地とは呼びません。 一方、無地アパレルととくに呼ぶ場合は、例えば Tシャツ や 学校 の 体操着 などで後に文字や イラスト、あるいは校章やマーク、名前などを入れることを前提とした服飾品を指すことが多いでしょう。 これは小物や アクセサリー などにもよくある 「名入れ用の無地品」 と同じ扱いです。
柄ものとの対比で、目立たないとか地味といったニュアンスも
日本では柄や模様なしの意味が強いのですが、英語では前述した Plain や Plain color の他、solid といった表現であらわすことも多く、均一とか無垢、あるいはシンプルで明確、簡単なといった ニュアンス があったり、地味 だ平凡だといったスラングとしても用いられることがあります。
日本でも派手目の柄や パターン が流行すると、それに比して控えめでシンプルな無地の服を目立たない無難で地味な服とか、質素、素朴、簡素といった扱われ方をすることもあります。 これは ポジティブ な意味もあれば冷やかすような ネガティブ なニュアンスもあります。 一方で素材感がよくでるため、高級品などは無地を選ぶことが多いかもしれません。
無地と柄もの、使い勝手あれこれ
無地は柄ものと異なり、素材の良し悪しがもろに出てしまうという欠点があります。 また衣服の場合、布生地についた些細な汚れや染み、縫製の粗さも目立ってしまい、不良品として弾かれる率も高まるでしょう。 高級で厚手の生地はおおむね無地としてそのまま使われて比較的高価格帯の製品に用いられますが、一方で低級で薄手の布生地は主な用途が低価格帯の製品のため、アラを目立たなくするためにしばしばよくわからない柄とか謎英語がつけられます。 小物類などの場合はメーカーの OEM 製品で無地のものがある場合、ものは同じだけれど柄や文字入れをして差別化するということもあります。 安価なアパレルで無地のものを探すのは結構大変ですが、こうした理由からあまり見かけるものではありません。
また購入した後も、無地ものは取り扱いも大変です。 使用する中でついた汚れや染み、シワやほつれも目立ちますし、安物は洗濯などで生地もすぐに痛むので、無地のものは 清潔感 に乏しい、みすぼらしい感じがしてしまいます。 また身体にフィットするものは、身体のラインが思いっきり出てしまい体形をごまかせないのも辛いところです。
こうしたことは大人になって自分で服を選んだり自分で洗濯やお手入れをするようになると誰でも実感できるものでしょうから、いつも清潔で美しく無地の服を颯爽と着こなす人を見ると、すごいなぁ…などと思ってしまいます。 筆者 などはズボラな上に服にあまりお金をかけたくないと思う方なので、いつも謎英語のついたTシャツなんかを着ています…。
アパレル関係は原価自体は比較的低いですし、また流行ものでもあるので、高品質な布生地が必ずしも正当な評価を得て高値で取引されるわけではありません。 シーズンから外れるかその前になるとすぐに割引セールが始まりますし、余った布生地が叩き値で取引されて無名メーカーの安価な服として流通することもあります。 目利きができればお得なお買い物ができますが、いくら生地が良くてもシルエットや縫製が 雑 だと安っぽく見えるのは悲しいところ。 一方でミシンなどを持っていて自宅で生地から服作りができると、実益を兼ねた素敵な 趣味 になるでしょう。





