元気いっぱい、白とえんじ色&紺色のコントラストがかわいい 「体操着」
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女子用体操着のブルマー仕様 (同人する子) |
「体操着」 とは、運動や主に小学校から高校あたりまでの体育の授業などで児童・生徒が着用する衣服のことです。 体操服や体育服とも呼ばれます。 トレーニングウェア全般を指すこともありますが、一般に体操着と呼ぶ場合は、学校の体育で用いられるもの、とくに トップス を指すことが多いでしょう。
伸縮性に優れた肌触りの良い素材で作られていて、動きやすさや吸汗性・速乾性にも富み、汚れが落ちやすかったり高い耐久性があって繰り返しの洗濯にも耐えるなど、様々な機能を持つものが多いのも特徴です。
野外での季節ごとの運動や活動に対応するため夏用・冬用が用意されたり、アレンジされたカラー体操着があったり、ジャージ といった上に着用するアウターが別途存在することもあります。
裁縫の練習を兼ね、体操着を下級生が仕立てることも
日本においては明治時代に軍隊の教練用に用いられた 「演習服」 がその始まりとされています。 その後も児童用の体操着は和服が基本でしたが、近代化や欧米に追いつけ追い越せ・富国強兵の掛け声のもと、男子用を中心に少しずつ広まるようになります。 戦前 には女子、あるいは内地・外地を含め、おおむね全国に広がりますが、地域によっては普及が進まなかったところもあります。
なお普及時には市販品などの購入や支給ではなく、学校や地域のつながりの中で、下級生女子が裁縫の練習もかねて毎年上級生のために仕立てたとの記録が残っていることもあります。 まだまだ日本が貧しかった時代、上級生や兄・姉 のお下がりも 普通 で、近所同士でお互いに助け合ったり、洋服などは手作りも当たり前の時代です。 当時の記録映画などを見ると、同じ学校で細部が異なる体操着での体育授業の様子などがよく映っています。
当時の体操着は形状的には丸首ではなく襟のあるものも多く、どちらかと云えば ポロシャツ に近いイメージのものもありました (現在でもそうした体操着も使われています)。 現在もっともポピュラーな丸首の形になったのは昭和の中頃で、体育の授業や運動会で着用されるのはもちろん、各種部活動や清掃活動、遠足や修学旅行時の室内着、登下校時の着用など様々な用途にも用いられ、学校指定のジャージなどと同様に 制服 に準じた扱いがされることもあります。
いわゆる 無地 のアパレルであり、様々なメーカーが同様の製品を製造販売していますが、国内メーカーで有名なところではカネマス (1953年) や C.A.B.(キャプ/ 1930年)、学校指定品としてよく選ばれる GALAX (ギャレックス/ 1963年)、sporlesh (スポレッシュ) で知られるオゴー産業 などがあります。 また制服の4大メーカーと呼ばれ、江戸末期から明治・大正時代に創業した菅公学生服 (1854年/ カンコー学生服)、トンボ (1876年/ トンボ学生服)、明石スクールユニフォームカンパニー (1852年/ 富士ヨット学生服)、瀧本 (1925年/ スクールタイガー学生服) なども、様々なブランドの体操着を販売しています。
大手メーカー製はおおむね国産品が多く、児童・生徒が体育用に購入するのはもちろん、社会人が快適さや高い品質、コスパ を期待して部屋着や寝巻として購入するケースも多いでしょう。 とくに1990年代あたりから、スポーツウェア全般の普段着使いが当たり前になったことで、あまり違和感も覚えなくなってきました。 実用性は他の衣服の追従を許しません。
学校を舞台にした作品では、欠くべからざる重要な衣服
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体操着の様々なパターン (有明いく子・同人する子・寐津菟かき子) |
一般的な体操着はトップスに丸首 (クルーネック) もしくは襟つきの半袖でやや厚手のシャツ (Tシャツ 状の白シャツ)、ボトムス に一分丈から二分丈程度のショートパンツ (短パン・半ズボン) や ハーフパンツ、身体にフィットするスパッツや、ひと昔前までは ブルマー がセットになっているケースが比較的多いでしょう。
色 はトップスが白地で、襟や袖口のフライス部分に女子はえんじ色、男子は濃い紺色がアクセントとして入ったりします。 身体によくフィットし、またフライス部分を軽く絞って、袖やお腹のあたりが少し脹らんで見えるシルエットになるものが比較的多いかもしれません。
ものによっては一般のTシャツやトレーニングウェアのように襟や袖にフライス編みがされておらず、縫い合わせただけのすっきりしたものもあります。 また胸の部分に校章が入ったり、肩にストライプが入ることもあります。
素材はニット生地で、かつては綿100%のものが多かったのですが、時代を経ると丈夫さや速乾性や洗濯のしやすさやを重視しポリエステルを入れたものがよく使われるようになっています。 ボトムスはショートパンツは白かトップスのフライス部分と同じ色、スパッツは濃紺や黒などの暗い色、ブルマーやハーフパンツ、ジャージなどはそれぞれの色地に白い2〜3本のストライプが入ることが多いです。
その他、競技に合わせてたすき (襷) や鉢巻を用いたり、小学生用のものでは、裏表にそれぞれ白と赤の色がついた顎紐付きの帽子 (体育帽やソフト帽) がセットになることもあります。 足元は白い 靴下 に バレーシューズ や スニーカー などの 運動靴 が 定番 です。 他の学用品と同様、いわゆる学販品として学校側で販売購入の取り次ぎをしたり具体的な製品・販売店を指定するケースが多く、全国展開する有名メーカーの他、地域ごとの ローカル なメーカーのものが採用されることもあります。
近年では女子のブルマーが部活動以外の一般の体育授業用としては用いられなくなったり、デザインや色使いなども ユニセックス な対応により、男女での違いがあまり生じなくなっています。 色の入らない白シャツと男女共用の濃紺パンツになったりですね。 時代に合わせ、高機能素材やエコ素材も採用されるようになっています。
学校を舞台にした マンガ や アニメ、ゲーム といった 作品 にもよく使われ、制服や水泳の授業で用いる スクール水着 (主に女子用の ワンピ水着 の旧型) などと共に、重要な 萌え要素 のひとつとして扱われています。 また創作・実写問わず、ロリコン や ロリ、あるいは U-15アイドル や 妹系、お菓子系 と呼ばれる カテゴリ でも人気があり、多くの ファン がついているようです。
なんだかんだ言って、子供向けの商品や書物は優れたものが多い
前述したように、大人もその品質の確かさとコスパの良さから、体操着やスクールジャージを愛用する人は少なくないようです。 ひと昔前までは学用品を扱う地域のスポーツ店でしか入手が難しいといった状況もありましたが、現在は ネット の 通販 で気軽に購入することができますし、サイズ表記は子供基準ですが、大人が身に着けられるサイズ (LL や 3L とか高校生用とか) もちゃんと揃っています。 20代30代だと自身の学校生活時代が近くて敬遠しがちですが、中年以降となると部屋着の見た目など気にならなくなりますし、サイズアウトや卒業で不要になった子供のそれをお下がりで身に着けることもあるでしょう。
体操着やスポーツ用衣類だけでなく、書店で一般売りしている学校の教科書や副教材などを大人になって改めて購入する人もよくいます。 自分が子供の頃に習った内容を振り返ったり、その後の学術研究の進歩で内容が変わった部分の アップデート を図るのも楽しいものです。 子供だろうが大人だろうが、基本的で優れた教材から教養を得るのは、偏った極端な意見に惑わされないための知恵というものでしょう。 とくに教科書や副教材には良書が揃い、それが僅か 1,000円程度で手に入るのは驚異です。 訳の分からないネットの情報や 動画、専門外の人物が書いた 陰謀論・オカルトまみれの本を読むよりずっと良いでしょう。
このあたり、学校給食のあれこれや、全てとは云いませんがほとんどの善良な教員の方々の奮戦ぶりも含め、日本の子供に関する仕事に就いている人たちの志の高さ、作るものの品質の高さ、仕事への取り組みの真摯な姿勢は誇れるものと思います。 国の子供や教育に関する施策や予算執行には、こうした部分への手厚い支援をしっかりして欲しいと切に思います。 子供は国の宝であり、その子供の心身を育てるものも、それを作る人たちも宝だと思います。 それを支えられないようなら、政権がどうであれ、もはや国の体をなしていないでしょう。
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