同人用語の基礎知識

垢消し逃亡

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トラブルや炎上で思わずアカウントを削除 「垢消し逃亡」

 「アカ消し逃亡」 とは、それまで利用していた ネット 上の登録型サービスの アカウント) を消すなどし (退会する・削除する)、そのサービスからいなくなること、あるいはネットの世界から姿を消したり逃亡することを揶揄・罵倒するような意味の ネットスラング です。

 なぜ特定サービスのアカウントを消さなければならないのか、さらにそれを 「逃亡」 と呼ぶのかについては、それなりの理由があります。 もっとも多いのは、不特定多数から 叩かれる ような行為や発言を行って 炎上 してしまい、謝ったら死ぬ病 を発症して見苦しい言い訳などを重ねたり、一時的にアカウントを 鍵付き にして隠蔽を図ったりするものの収まらず、進退窮まって謝罪や説明を放棄したままアカウントを消して 「なかったこと」 にするような状況でしょう。

 この場合などはいかにも 「逃げている」 ような印象を見るものが受けますし、またこうした状況に至った人がやりがちなわかりやすい行動なので、揶揄のレッテルとして 「垢消し逃亡」 の使い勝手が良いという部分もあります。

 一方、おたく腐女子 の世界でいえば、何らかの派閥やグループ同士の対立、いざこざに加わったり巻き込まれるなどして敵対するユーザーから個人攻撃を行われ、やむなく一時的に身を隠したり、その世界から身を引く必要が生じるなどでしょう。 この場合も敵対するユーザーらからは無責任な逃亡だと揶揄されることとなります。

逃亡したつもりでも、実際は本人の未練から逃げきれなかったり

 「逃亡」 したユーザーはそのままそのサービスやネットから消えることとなりますが、ほとぼりが冷めた頃に舞い戻るケースも多いでしょう。 とりわけネットで活発に発言していた インフルエンサー と呼ばれるようなネット論客や、ネトゲ がらみで生じた炎上の場合、逃亡したユーザーはまだまだネットや ゲーム に未練たらたらであり、完全に 引退 するようなケースは極めて稀です。

 場合によってはこっそり別垢を取得して エゴサ (自分で自分の情報を検索する) を繰り返して反応をうかがい、別人のふりをして 自作自演 の自己弁護をしたり、Aサービスのアカウントは消したけれどもBサービスやその他のサービスの利用は継続したままになっていたり、それぞれのアカウントの連携や紐づける情報があった場合はそこだけを削除して、本人はまったくの別人のつもりで活動を続けるような状態になったりもします。 これは 「別垢や別サービスだからバレないだろう」 という意識の場合もあれば、炎上などで気が動転して、以前登録した別垢 (副垢) や別サービスのアカウントの存在を忘れていたり、削除するほど気が回らない状態になっているだけの場合もあります。

 もっとも別垢や別サービスのアカウントであっても、よく見れば アカウント名 が同じか極めて類似した状態で複数のサービスで 設定 を行っていたり、同じような アイコン、共通する話題、見る人が見れば同じ 作者 だとわかる イラストコスプレ画像 などの 投稿、そもそも両アカウントを紐づける情報が古い コメントプロフィール自己紹介 部分に消し忘れて残っているなどにより、周囲からバレバレだったりもします。 こうしたアカウントは転生などと呼ばれますが、特定班 が目ざとく発見して 拡散 され、さらなる 燃料 になる場合もあるでしょう。

うっかり早まってアカウントを消すと、逆に面倒なことになったり

 トラブル や炎上に巻き込まれると精神的に疲弊したり焦ったりしてアカウントを消したくなるものです。 精神に余裕がない時に反論や釈明をしても考えがまとまらずに逆効果な対応になり、結果的に火に油を注ぐだけになる場合もありますし、ネット上の お祭りレベル まで騒動が 加速 すると個人での対処も不可能に近く、とりあえずアカウントを消して頭を冷やす、その場から離れてストレスを避けた方が精神衛生上も良い場合があるでしょう。

 一方で、アカウントを消してしまった後はそのアカウントの利用ができなくなるのはもちろん、自分がそのアカウントを所持・運用していたとの証明ができなくなるケースがあります。 そうなると、自分の SNS でのコメントをどこかの誰かにまとめられたり拡散されたりアーカイブ (ネット魚拓など) された際に、「そのコメントの権利者 (本人) としての削除要請や訴え」 が難しくなります。 結果的に何も対応ができないままにどんどん情報が拡散し、電凸スネーク など実生活に影響が生じるほどの騒動に発展してしまう場合もあります。

 一度アカウントの削除や停止をしても一定期間内であれば復旧できる場合もあるので、万が一そのような事態に陥ったら、落ち着いて手続きや対応を行うようにしましょう。 例えばツイッターの場合、削除した日から30日以内なら、登録時のメールアドレスや IDパスワード などの ログイン 情報が削除したアカウントに紐づけられたままであり、削除後にログインを試みると復活させるかどうか訊ねられ、復活処理を行うことができます (30日を経過すると復活はできなくなります (2021年2月現在)。

 一番良いのは炎上させないことですが、人間ですからちょっとした過ちや間違いはあるものでしょう。 また自分に非がないのに誤解や悪意ある第三者から濡れ衣を着せられる場合だってあるでしょう。 全身火だるまになって何も考えられなくなる前に、状況をよく見て逃げるならうまく逃げる、逃げられないなら真摯な対応をするのが結局は自分のためなのでしょうね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2006年3月21日)
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