常に危険と隣り合わせのクールな仕事 「スタント」
「スタント」(stunt) とは、舞台や映画・テレビなどの映像作品において、他の 出演者 である俳優などに代わって危険なシーンを演じることです。 アクションシーンの代役、吹き替えとして専門に担う人はスタントマン、そのスタントマンが 演者 として担った危険なシーンはスタントシーンと呼びます。 ちなみに元々の stunt は、妙技や離れ業を意味する言葉です。
一般にスタントと聞いて連想するのは、高所から飛び降りたり乗馬中に馬から落ちる、ワイヤーを使って演者が派手に動くシーンでしょう。 こうしたシーンはボディースタントと呼びます。 一方、クルマやバイクに乗ってカーチェイスや衝突・横転などの事故シーンを担うのはカースタント、爆発に巻き込まれたり耐熱・耐火スーツを着込んで炎に包ま火だるまになるなどは爆破スタントや炎上スタントなどと呼びます。
なおスタントマンを使わず俳優などが自ら危険なシーンに挑む場合はノースタントと呼び、この場合は演じる俳優をアクションスターと呼ぶこともあります。 スタントマンにせよアクションスターにせよ飛びぬけた身体能力と十分な訓練が必要な特殊な技能が必要ですが、スタントは原則として 画面 上に 顔出し などをせず出演者を支える裏方的な役割ですし、そもそも派手なアクションシーンが多数登場する作品は娯楽要素の高い子供や若者向けのキャッチーな 作品 になりがちで、作品や演じる人の評価に必ずしも結びつかない部分もあります。 また役者の個人名がクレジットされることも稀です (通常はスタントを専門とするプロダクション名のみクレジットされます)。
とはいえ戦争を含む重厚な歴史ものから子供向けの特撮ドラマまで活躍の幅は広く、とくに特撮を通じて おたく の世界では スーツアクター などと並び、「画面に顔は出ないけれど、しばしば高い評価を与えられる存在」 と云えるかもしれません。
なおコンピュータの性能や CG の技術が向上し、スタントシーンに CG を使うケースも増えてきました。 画面効果として CG を使うだけでなく、演者の代わりに危険なシーンを担う CG で描かれた キャラクター も登場し、CG スタントのように呼ぶこともあります。 アメリカなどでは 「役者やスタントマンの仕事を奪うものだ」 として演者らから強い反発がありましたが、その後合意し、現在では多くのアクションシーンで使われるようになっています。
この場合、完全にコンピュータ上のみで作られた存在もあれば、身体は CG でもその動きを人間が演じて、モーションキャプチャーによって付ける場合もあります。 この場合に演じる人は通常のスタント扱いですが、完全実写のスタントシーンに比べると危険度は大幅に低減していて、旧来のスタントとは同列には語れない部分があります。
危険ではないけれど、難易度の高いあれこれを代理する場合は…
ちなみにアクションや危険なシーン以外で他の出演者の代役を務める人は、他に吹き替えと呼ぶこともあります。 代表的なのは声優さんがセリフなどの声を当てる吹き替えですが、楽器の演奏とか達筆を披露するために手の部分だけを担うケースもあります。 また VTuber (バーチャル ユーチューバー) のキャラクター (アバター) の動きを、本来の演者とは別の人がモーションキャプチャスーツを着用して担うケースもあります。 ライブ映像などでダンスを踊るなどが代表的です。
ただしダンスにせよ ゲーム の 実況 などで本人に代わり他の プレイヤー が代理でプレイするような行為にせよ、それと 告知 しないままに行うと、吹き替えというより替え玉みたいな扱いで、一般に 「ズルい」「ファン を騙した」 として嫌われることが多いでしょう。 このあたりは、演劇や映画と違い、「本人がやっています」 が前提の VTuber ならではの感覚だと云えます。
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