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人間離れした圧倒的知力・センス・才能・ひらめき…「天才」

 「天才」 とは、天性の才能を持つ人、一般人 とはかけ離れた極めて高い能力を生まれつき持っている人の事です。 ほとんど同じ言葉に天賦の才や天資・天稟・天与 (の才)、やや軽い ニュアンス で非凡や 異能 もあります。 対義語は非才や無才 (才能がない)、凡才 (平凡な才能)、あるいは単にバカやアホ、無能 などがあります。 関連する言葉に秀才 (努力や研鑽によって磨かれた秀でた才能) もあります。

 一般的には天才は、普通 の人がどれだけ努力しても到達できないような高い能力を生まれつき持っていて、成長とともに更に能力が開花して、ある分野で顕著な功績を挙げた人を指します。 生来の知能や身体能力、センスや発想力といった部分で語られることの多い言葉ですが、苦労を苦としない我慢強い性格や集中力、困難に打ち勝つ強い精神力を含めて評価されることもあります。

 これらは近年、感情のコントロールや実行力・決断力などを含めて 「非認知能力」 と呼ばれて注目を集めていますが、いくら豊かな天性の才があっても忍耐力や精神力がなければなかなか功績には結びつかないものでもあるので、天才の資質としてより重視されてきているかもしれません。 場合によっては 「努力型の天才」「晩成型の天才」 といった、やや矛盾した言葉が使われることもあります。 このあたりは、元々天才だったけれどその才を発揮する場にずっと恵まれなかっただけといったケースもあり、やや複雑です。

 また社会的に意味や価値があるとされる分野で発揮できる才能でなければ、その先天的な能力が正しく評価されず、また天才とは呼ばれないかもしれません。 後の世になって、やっと時代が本人の才を理解できる状況になってから 「早すぎた天才」 といった呼ばれ方をする場合もあります。

IQ130以上の 「ギフテッド」 と 「天才」

 頭脳については、知能を測る IQ (知能指数) を物差しとして求めると、基準の値となる平均100を中央値として7割程度の人が85〜115あたりの間に入る中、130を超えるような知能については 「ギフテッド」(神から授けられた才) あるいはギフテッド児と表現することもあります。

 これをもって天才 (の知能) と表現されることも多いようですが、IQ 判定に広く用いられている WISC-IV において IQ130以上は全体の2%にもなり、一般に天才からイメージする人物像としてはやや数が多すぎるでしょう。 また IQ 判定はある年齢における成熟度を図るものでもあるので、子供の頃に高い数値を得ていても、成人したら普通の大人になりましたみたいなケースが大半でしょう (それでも一般より遥かに高い知能を持っていることが多いため、社会の中核を担う人材になっていたりしますが)。

 歴史上に天才と呼ばれる人は数多くおり、その多くが尊敬や憧れや崇拝すらも集める存在ですが、その本当の才能の神髄は、凡人にはなかなか理解できません。 天才を認定する人もいませんし、厳密な定義もありません。 凡人にとっては、せいぜいノーベル賞といった権威ある顕彰や、何十年ぶりに記録を塗り替えたといった情報によって、やっとその業績の価値が断片的に分かる程度です。 あくまで相対的なもの、他者が主観的にそう感じるあやふやなものなのでしょう (自称する人もいますが…)。

 また天才の仕事や功績は世の中を大きく変える力を持ちますが、それがその天才本人の幸福に必ずしも結びつかない部分もあります。 天才は周囲の無理解によってしばしば孤独になりがちですし、迫害されたり経済的に困窮し不幸なまま人生を終える人も少なくありません。 その分野に対する能力は高くても、それ以外の日常生活を営む能力には欠けている場合もあります。 常識がない、奇人変人といったイメージもありますが、世の常識は移り変わるものなので、それ自体はその人の価値を左右する要素ではありません。 そもそも一般人が作った常識の外にいて、むしろ新しい常識を作る存在だからこそ天才だという部分もあります。 しかし本人にとっては生きづらいものではあるでしょう。

 基本的に人の能力に対して優れているとの ポジティブ な使われ方をする言葉や 概念 ですが、例えば 「人を怒らせる天才」「トラブル を招く天才」 といった表現で、ネガティブ な使われ方をすることもあります。 またこうした状態を 誤変換当て字 で 「天災」 と書く場合もあります。

他者に対する気軽な誉め言葉として

 「天才」 という言葉は本来の意味はともかく、日常でもよく使われる言葉です。 他人を褒めたり、感謝する際に 「さすがだ」「ありがとう」 程度の意味でも用いられます。 とくに若者の間では表現が過剰になりがちな部分もあるので、別に IQ が著しく高いとか特別な才能を持っているといった訳ではなく、ちょっとしたアイデアのひらめきや ゲーム でナイスプレーをした程度でも使われるものでしょう。 対象が人ではなく動物や道具類の場合もあります。

 マンガアニメ にも天才と呼ばれる キャラクター は多数存在しますが、作者 が凡人なら天才らしさの描き方も凡人のそれに留まりがちかもしれません (凡天問題)。 天才は変わり者が多いというイメージに引きずられ、単なる奇人変人になっている場合もあります。 とはいえ、「シーザーを理解するためにシーザーとなる必要はない」 と云いますし、その作品を目にする 読者 や視聴者、ファン も恐らく凡人なので、さほど問題はないかもしれません。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2008年8月10日)
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