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ガチャ商法/ ネットガチャ商法

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店頭のガシャポンからネットのガチャまで…「ガチャ商法」

 「ガチャ商法」 とは、一部のオンラインゲーム・ネットワークゲーム (ネトゲ)、ソーシャルゲーム (ソーシャルゲー) などで導入されている、アイテムを賞品・景品とした仮想ガシャポンサービス (ネットガチャ/ アイテムくじ) を批判的に指すための言葉です。 「悪徳ガチャ商法」「ネットガチャ商法」「ガチャゲーム商法」 とも呼びます。

 ガシャポン (ガチャガチャ) とは、昔から存在する子供向けのカプセルトイを販売する自動販売機のことですが (外れても必ず商品がでてくるので、ランダム販売方式であってプライズゲームマシンではない)、これと似たようなサービスをゲームのシステムに組み入れ、1回参加ごとに費用を負担させ、ゲーム内で使うアイテムや特殊なアバター性などを一定の確率によりランダムで出現させてプレイヤーに賞品・景品として与えます。

子供の携帯料金の多額請求問題などで、批判に晒されるガチャ商法

 こうした一定の確率によってランダムでアイテムを出現させるシステムは、それ以前のゲームでも運・偶然の要素を手軽にゲームに加えるアイデアとして、しばしば見かけるものでした。 戦闘で敵を倒した時に出現するアイテムが抽選で選ばれたり、アイテムとアイテムを合成した時に生成される新アイテムの出現条件に確率が設定されたり、さらにはゲーム内に景品を引くためのミニゲーム (ゲーム内景品くじゲーム) が設けられる場合もあります。

 多くのネトゲやソーシャルゲーにもこうしたシステムはそのまま引き継がれていますが、それとは別に独立したシステムとして存在するのが 「ネットガチャゲーム」 で、ほぼ全ての場合で 「ガチャを一回引く」 ために、数十円から数百円もの新規課金 (別料金) が発生するのが普通です (通常、100円から500円程度)。 この料金はゲームサイトなどで使われる仮想通貨で支払われます。

 アイテム課金制の一種であり、ゲーム本体は無料で楽しめるので、「やりたい人だけやればいい」 というオプション扱いですが、無料プレイでは手に入らない魅力的な レアアイテム が手に入ったり、やたらと射幸心 (射倖心/ 確率的、まぐれ当たりの利益を願うこと) を煽る宣伝文句がされているなど、「まだ経済観念、金銭感覚が身についていない子供」 が利用することもあるネトゲで、ここまであからさまな手口でお金を取ろうとすることには、強い批判も生じています。

 店頭設置のガシャポンでは現金がなければゲームを続けることができないという制限があります。 しかしネトゲの場合、携帯電話の料金引き落としによる後払い、ゲーム内通貨やポイントの購入などのクッションが 「お金を使っている」 という感覚を鈍らせますし、親が気づくまでの間ならば、子供でも大金をつぎ込むことが可能となっている点も問題を大きくしているといって良いでしょう。 いわゆる 「携帯料金の多額請求問題」 の温床となっているとの指摘もあります。

11連ガチャとコンプガチャやレベルアップガチャ、様々なルールが存在

ガチャ (通常ガチャ)
1回300円ほどの課金で引けるくじ。 アイテムやカード、アバター性などが手に入る。
連続ガチャ、連ガチャ (セットガチャ)
複数回 (3〜10回) のガチャをセットにしたもの。 例えば10回セットのものは、10回分の料金 (課金) で、11回引くことができる。 いわゆる 11連ガチャ。
コンプガチャ
通常カード (数十〜100枚以上) の中に、少数の限定カード (6〜10枚) が入っていて、この限定カードを全て揃えると、別の希少な限定カードが報奨として手に入るもの。
テーマガチャ
少数の限定カード (6〜10枚) のみで構成されたガチャを引き、全種類揃うと別の希少な限定カードが報奨として手に入るもの。
レベルアップガチャ
通常カードの中に少数の限定カードが入っており、それらを引くと、その後の限定カードの入手確率がアップするというもの。 続けて引くとさらに確率がアップするが、確率上昇がリセットされる場合もある。
なお前提として、ガチャゲームのアイテム・カードの入手確率は一切公表されておらず、さらにゲーム途中での確率の変更や、ユーザーごとの確率調整などもゲームによっては行われています。

 ガチャのルールはゲームタイトルによって色々あります。 料金体系は単発ガチャ (1回300円ほどでガチャを1回引く) と、連続ガチャ (3回とか10回連続で引くもので、10回連続の場合では1回のチャレンジに3,000円が必要になりますが、1回おまけで11回引けたりする、いわゆる11連ガチャ) の大きくわけて2種類があります。

 またゲームルールには通常ガチャ (1回ごとにアイテムを引く) と、コンプガチャ (カードなどを指定された枚数揃える (コンプリート、フルコンプ) と別のレアなカードなどが貰える) というものの2種類があります。

 例えば 11連のコンプガチャで揃えるカードが6〜10種類などですと、最初の3枚4枚までは比較的簡単に揃うものの、その後は同じカードのダブりが頻発し、最後の1〜2枚を出してコンプリートするまでに10万円や20万円の出費は当たり前のような、恐ろしくお金のかかるシステムとなっています。 しかも躊躇なくプレイすれば、数分間に数十回のクリックをするだけでそうなります。

 このコンプガチャの仕組みについては、懸賞やギャンブルにおける 「絵合わせによる景品提供」 そのものでもあり、以前から違法性が強く示唆されていました。 ユーザー側のコンプガチャ商法に対する評判もかなり悪く、ネットを中心に批判が続出していました。

 国も規制に向けて動き、2012年4月末から5月になって消費者庁が 「懸賞にあたる」 との見解を発表したと伝わり、業界に対して業務を中止するよう要請する方針であると伝えられると、その後業界も一斉に自粛 (自主的な廃止) を決定しています (後述します)。

 さらにこれらをアレンジしたものには、レベルアップガチャ などもあります。 こちらは、ガチャで比較的レアなカードをゲットすると、その後のガチャの確率が上昇 (確率変動) するもので、引けば引くほど有利になるものですが、上昇確率のリセットが起こる場合もあります。 いずれの場合も確率数値などは一切公表されておらず、レベルアップの有無によらず、ゲーム途中での確率の変更も頻繁に行われています。

似ているようで似ていない、ガシャポンとネトゲのガチャゲーム

 昔から玩具店などの店頭に設置されている子供向けのガシャポン自販機を、ゲームのプログラムで再現しただけとされるネトゲのガチャゲームですが (現金と仮想通貨の違い以外のシステムは、内容がとても似ている)、大きく異なる点もあります。

 店頭に設置されているガシャポン自販機は、販売するものが有体物 (物理的に実体のあるもの) であり、購入者はその景品を実際に手に取り、所有権も得ることになります。 これはガシャポンの原型となっている、お祭りの屋台や駄菓子屋などにあった 「くじ引き」 や、お菓子類のおまけ (食玩) などとも原則的には一緒です。

 一方ネトゲのガチャゲームは、販売するものが無体物 (物理的な実体のない単なる電子データ) であり、購入者はその景品 (アイテム) のゲーム内での 「使用権」 は得られますが所有権は得ておらず、いわばそのゲームのサービスが終了するまでの利用権、無料レンタル権を得ているに過ぎません。

 店頭のガシャポン自販機や、ゲームセンターなどに設置されている賞品・景品獲得系のゲーム (クレーンゲームその他) は、景品表示法を始めとした各種法令により、利用者が支払う費用と景品の価格、出現する確率などがある程度定まっており、それを超えるものについては賭博禁止法で制限されています。 しかしネトゲのガチャゲームについては何の法的規制もなく、全てはゲーム運営企業の自由裁量、関連団体の 自主規制 になっています。

 これは別に野放しになっていると云うわけではなく、例えば景品表示法や賭博禁止法をネットガチャゲームに当てはめても、絵合わせを伴うコンプガチャ以外のガチャは、現行法では違法性はまず存在せず、ようは 「モラル」 の問題になってしまう点が、この問題をさらに複雑にしているからです。 景品表示法などでは、「高額商品を賞品に用いて射幸心を強く煽る」 ことは賭博とされ禁止していますが、普遍的・一般的に価値があるとは認められないもの、原価が安いものを賞品にしてはいけないなどとはなっていません。

 ゲームのレアアイテムなどはゲームの ファン にとっては喉から手が出るほど欲しいもの、価値のあるものでしょうが、社会通念上、広く一般大衆に対して強い射幸心を煽るほどの高額商品だとは云えないでしょう。 また自社製品を魅力的なものだと宣伝するのは虚偽に基づかなければ違法ではありませんし、「欲しがる人間の勝手」 とも云えます。

 現実的にはネトゲのアイテムなどは RMT で換金も可能ですし、いわゆる 「相場」「時価」 のようなものも実体として存在します (あからさまなマネーロンダリングに利用されたり、億円単位の詐欺事件なども起こっています)。 しかし原価からかけ離れたプレミアム価格をガチャ終了後に購入者がつけるのも、それを別の第三者が買うのも合意があれば取り締まれませんし、それを法的に取り締まったりすると、有体物としてのグッズやフィギュアなどを含むプライズ系ゲーム全体がダメになってしまいます。

法律で規制するよりも、子供にしっかり理解させることが大切

 ゲーム開発の最上位に面白さやゲーム性の追求ではなく、「課金機会の創出」 を堂々と掲げるような企業がリードする業界に、モラル (あるいは最低限の建前) を期待しても仕方がないのかも知れません。 数十万円もの、親が生活に困るほどの大金を子供から巻き上げるような商売をする相手と争うより、子供にしっかりとお金の話をし、モラルのないサービスは利用しないと教育することが大切なのでしょう。 モラルのない相手と戦うには、モラルがもっとも強い武器になるのですから。

 何でもかんでも国や警察に法律で規制しろと叫ぶのは、教育や躾を通じて子供と対話し、モラルを身につけさせるという親として当たり前の義務の放棄でしょう。 できれば国や警察がネット規制の足がかりとして、こうしたサービスを口実とする前に、利用する側の意識の向上と、可能であれば業界の自主的な自浄作用も期待したいものです。

 もっとも、2011年から2012年にかけ、ガチャ商法が批判的にクローズアップされる中、さらに11連コンプガチャなどを新たに展開、より短期間で強烈に収益をあげようとしている状況は、「近いうちに当局の規制がありそうだから、ボロ儲けができる今のうちにボロ儲けしとけ」 のような悪意すら感じられ、善意に期待するのは無理な感じもしますが。

2012年5月、消費者庁により、コンプガチャの中止要請と新見解が

 2012年5月、GREE (グリー) や Mobage (モバゲー/ DeNA) による 「コンプガチャ」 について、消費者庁が景品表示法における 「懸賞」 にあたると判断、新しい見解を発表すると同時に、この仕組みを使ったビジネスに対して中止の要請を行う方針を表明しました。 ゲーム企業や配信業者がこの要請に従わない場合、景品表示法における措置命令を出す方針とも伝えられます。

 これにより、新規のゲームにコンプガチャシステムが搭載できなくなるのはもちろん、すでに稼働しているゲームタイトルでも、対応せざるを得なくなると思われ、事実上コンプガチャが禁じられたとみて良いでしょう (ただし当局と争うつもりなら争えますし、まだまだ抜け道はたくさんあるのですが (例えばガチャを引くのではなく、宝箱を開きレアアイテムを出すためには実質上有料アイテムが必要になるなど)。

 コンプガチャに対して行政が規制強化を近々に行うであろうことは前年から様々噂されており、GREE や Mobage もその対応を始めていたところでしたが、誰の目にもその対応は遅く、また不十分で、結局行政のネット規制を自ら呼び込む形となってしまいました。

 その規制が今後、景品表示法によるのか風営法によるのか、あるいは賭博禁止法によるのかはわかりませんが、回避する方法はたくさんあったのに、イケイケドンドンで突っ走った挙句にこれでは、ユーザーの理解も得られないでしょう。 感情的な物言いはあまりしたくありませんが、「限度をわきまえろよ」 とは思ってしまいます。 もっともこれらの業界の多くの企業は、そもそもゲームに興味があるのではなく金儲けに興味があるだけなのでしょうから、ゲームがダメになったら別のビジネスにシフトするだけなのでしょうが。

「コンプガチャ」 は全面廃止に

 コンプガチャ違法判断との報道は連休中に流れましたが、連休明けの5月7日、GREE や DeNA の株価はストップ安まで売り込まれ、株価は2割を超す下落率。 コンプガチャやガチャシステムを使ったゲーム会社、ソーシャルゲーム開発企業なども軒並み大幅下落し、「コンプガチャ違法ショック」「ガチャバブル崩壊」 の状況となっています。

 両社は5月9日から10日にかけ、新規コンプガチャの配信を中止し、既存ゲームのコンプガチャも順次中止すると発表しています。 異常なほどテレビCMや広告類を流し、ある種のマスコミ批判封じをしてきたとも噂される両社ですが、これからが正念場と云えるのでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2010年6月10日)
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