同人用語の基礎知識

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ゲームのアイテムを現金で買う 「RMT」

 「RMT」 とは、主に オンライン のコンピュータゲーム (ネトゲ) の中の アイテム やゲーム内通貨、あるいは キャラクター (そのキャラが使える ゲーム のアクセス アカウント など) を、ゲームの外の現実のお金で売買 (リセール) することです。 「RMT」 それ自体は、「リアルマネートレーディング」(Real Money Trading) の略語となります。

ゲーム内のアイテムや仮想通貨を現実のお金でGET… 「RMT」
ゲーム内のアイテムや仮想通貨を、
現実のお金でGET… 「RMT」

 初期の RMT の場合、旧知のユーザー同士で個人間取引きを行うケースのほか、ネット のオークションサイトなどでゲーム内アイテムを販売するスタイルをよく取っていました。

 購入希望者はオークションで欲しいアイテムを落札し、現金 (日本円) を銀行振り込みなどで出品者に支払います。 その後ゲームの中で待ち合わせをして、アイテムの受け渡しを行います。

 ネトゲが盛り上がり RMT が定着してくると、アイテムの 需要、なかでも レアアイテム の人気と需要が急増。 個人や法人によるネットアイテム販売専用の通販サイトが作られてそこで取引を行ったり、「RMT」 のための専門コミュニティや 掲示板 なども登場するようになりました。 「売りたい人」 と 「買いたい人」 とで個人間の交渉をしたり、取引の打ち合わせなどを行ったりもします。

 通常、ゲーム会社やネトゲの 運営会社 はこうした行為を 「不正」 としており、また チート などと同様、ゲームの外の要因でゲームのバランスを壊す バランスブレイカー として、嫌う プレイヤー がとても多いものです。 ちなみに 筆者 は、大の苦手です。

時間だけはある学生と、時間はないがお金はある社会人と…

 元々コンピュータゲームでは、裏技を使ったり、一部のツール類などを使ってゲーム内の セーブデータ設定 を書き換えたりなど、「ズルをしてゲームプレイを楽にする」 という方法がたくさんありました。 また セーブデータ の通販などが行われるケースも パソコン通信 の時代からあり、「最強セーブデータ」 などとして販売するケースも多くありました。

 これらを店などで購入して手にすると、キャラクターが最初から最強の 装備品を持っていたり、本来は高難易度モードでクリアしていないと使えない 限定品 のアイテムや隠し要素 (マップやストーリー、ゲームモード) がいきなり使えたりします。

 わざわざお金を出して 「遊ぶために買ったゲーム」 を、さらにお金を払って 「楽にする」 というのは、ちょっと理解しがたいところもありますが、難易度が高すぎてどうしてもクリアできない、何十時間もやり続けないと出現しない要素を通常プレイで出すのは時間的に無理だ、などのプレイヤーが、「手抜きのため」 に、利用するケースが多かったようです。 一部の社外品のセーブデータメモリーなどでは、人気ソフトの最強セーブデータがあらかじめ書き込まれたようなものも1990年代から出回っていました。

 その後、アメリカなどで本格的なネットワークゲームが登場すると、そのゲーム内で使えるアイテムや仮想通貨を交換するための掲示版などが登場。 プレイする時間に余裕がある学生などで 「アイテムを余らせている人」 と、社会人などで時間はあまりないものの経済力はある人とで金銭による交換が行われるようになり、「RMT」 と呼ばれるようになりました。

 ネットに接続をしない オフライン のゲームなら、自分で買ったゲームソフトをどうしようが、最終的にはユーザーの勝手だとも云えますが、ネットワークゲームの場合、ゲーム会社のシステムを規約に則って利用することが求められる上、個々人のユーザーのゲームプレイスタイルが、他のユーザーのゲーム内容にも直接的に影響を及ぼします。 その意味でも、「俺の勝手だ」 とは云えないブラック、もしくは限りなく黒に近いグレーなのが、この 「RMT」 なのでしょう。

人件費の安い国で大量のアルバイトを雇ったり、BOT を走らせたり…

 「RMT」 の存在については、「時間がないならそもそもゲームなんかするなよ…」 とのもっともな話もあります。 しかし一方で、オンラインゲームの多くがゲームの寿命、賞味期限を延ばすためにやたら難易度を上げたり、数十時間、数百時間を費やさないとロクな 装備 がそろわないような設定になりがちなこともあり、「時間のある人が時間のない人に時間を売るアルバイトみたいなものだ」「必要悪だ」 との意見を持つ人も、よく聞かれたものでした。

 その後、オンラインゲーム人口の増加や人気タイトルにおけるアイテム価値の高騰などもあり、より大規模な RMT が専門業者などによって行われるように。 個人による初期の素朴な 「RMT」 に比べ、大人数、あるいは組織ぐるみの 「RMT」 も増えてきています。

 人件費の安い国や出稼ぎ外国人労働者などに時給いくらでアイテムを集めさせ 転売 したり、BOT (ゲームを自動運転するプログラムやスクリプト、ゲームサーバに余計な負荷をかけるなど実害も多い) を使い、24時間体制でかき集めたアイテムを売りさばいたり、アイテムの相場を操作するため、RMT 業者による通常プレイヤーへの嫌がらせやプレイ妨害が起こるなど、無視できない状態にもなっています。

一部では不正行為とし、BAN 対象となることも…

 なおこうした行為をオンライン上で行っているのが発覚した場合、アクセスするためのアカウントを剥奪すると宣言しているゲームタイトルやゲーム運営会社もあります (垢BAN)。 ただし実際にまともな 「取り締まり」 を継続して実施しているケースは稀で、建前とは裏腹に、単なるイタチゴッコ、あるいは事実上野放しになっている状況もあります。

 一方で、ゲーム内アイテムなどを積極的にリアルマネーで取引することを奨励しているようなケースもあります。 有名なところではアメリカのメタバース 「Second Life」(セカンドライフ) などが、ゲーム内アイテムやツール、土地や建物などの売買や、ゲーム内仮想通貨と現実通貨の換金、ゲーム内広告宣伝などにより、「お金が稼げます」 というのを売り物にユーザーを増やそうとしていた場合もあります。

 また事実上黙認となっているケースなどは、実験的なものを含め、いくつかのタイトルがありますし、「アイテム 課金 制」(ゲームプレイは無料で、アイテム購入にリアルマネーやリアルマネーで買うポイントが必要な課金制度) や DLCダウンロード コンテンツ 方式)、アンロック方式 などは、「実質的な 公式 RMTだ」 などの批判もあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年10月16日)
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