子供なのに積み重ねた年輪があるような振る舞い… 「人生〇周目」
「人生〇周目」 とは、現実の世界で、まるで転生なりタイムリープ・ループなりで過去の記憶を持ったまま新しい人生を何度も繰り返している (人生周回者) ように見える人物や行動や仕草を、もっぱら称賛するために使う捻った言いまわしのひとつです。 主に若者や ネット の世界で使われます。
例えば小さな子供がやたらと大人びた判断や知識・経験が豊富そうな態度をしたり、年齢からはありえないほどの落ち着いた適切・効率的な言動をした時に 「人生何周目だよ」「二周目だな」「いや三周はしてる」 みたいに用いられます。 一方、単に見た目や言動・仕草が年寄りくさい、おっさん・おばさんくさくて風格や貫禄がある場合に、「見た目は子供だが中身はおっさん・おばさん」 という意味で使うこともあります。
逆に子供が子供らしい年相応の無邪気で自然な行動をした場合には 「人生一周目過ぎる」「たぶん一周目の人生」 みたいに表現したり、いい年をした大人が子供っぽい幼稚な振る舞いを見せた時に同じ表現で腐したり、転生やタイムリープ・ループによる 周回 を自明のものとして 「初めての人生か、肩の力抜けよ」 みたいに人生の周回者のふりをして 煽っ て揶揄することもあります。
なお過去の失敗や経験を活かしたような余裕のある人物を、ゲーム のそれにならって 「強くてニューゲーム」 と呼ぶこともあります。 ゲームを一度 クリア した後に、そのクリア時点の ステータス や アイテム を引き継いだ状態でまた新しく最初から プレイ し始めたような状態に感じられる時に使われます。
若者・ネット言葉でありながら、日本人の宗教観も見えたり
こうした状況に対応する言葉には 「大人びている」「ませている」「早熟」 といった言い回しが昔からあります。 もちろんこちらもそのまま使われていますが、マンガ や アニメ、とくに ラノベ などで転生ものとかタイムリープ・ループものが人気になり 概念 が基礎教養となるにつれ、ちょっと おたく っぽい称賛表現として良く用いられるようになっています。
元々仏教の世界では、人 (の魂) は輪廻転生によって何度も生まれ変わり、その都度現世での辛い生を通じて修行し魂を磨き高めて悟りを開くとされます。 日本の転生ものや時間を旅する 物語 にもその影響は多かれ少なかれあるのでしょうから、この 「人生〇周」 という言い回しには、おたくっぽいシャレがありながらも古くからの日本人の宗教観や 世界観 ともさほど遠くない、初見ですぐに意味が分かるしっくりさがあるのは面白いです。





