釣りだろうが煽りだろうがかならず食らいつく…鱗が見えてますよ 「ピラニア」
「ピラニア」 とは、ネット の 掲示板 において、おかしな意見、事実と異なる意見、偏った意見などが見つかり次第、それが 釣り だろうが 煽り だろうが粗悪な 燃料 だろうが疑似餌だろうが単なるコピペだろうが、徹底して食らいついて反論しまくることです。
一般に 2ちゃんねる をはじめ一部の掲示板などでは、見え見えの釣りや煽りには レス をせず、スルー (無視) することが良いとされます。 釣りや煽り、挑発的な 叩き などをする人はレスが欲しい 「構ってちゃん」 なのですから、わざわざ相手のペースに乗って喜ばせることはないからです。 またレスを返すと釣りや煽りが効果のある掲示板やスレッドだとされて、別の釣りや煽りを行う人 (釣り師や煽り師、荒らし など) が寄り付く危険性もあります。 結果、不毛な論争が続き、その掲示板やスレッドが潰れてしまいます。
一部の アングラ系 の掲示板やコミュニティでは、あからさまなコピペなどに反応をするのは ネットリテラシー のない人や、それがコピペだと知らない初心者や新参が多く、自分の経験不足や無知を晒す恥ずかしい行為だとの独特な認識、それを避けようとするある種の美意識もあります。
ピラニアは、そうしたこととは無関係、もしくは一定の配慮もしつつ、釣りだとわかっていても喰らいつき、そのまま釣り人ごと食い尽くしてしまうようなレスの返し方だと云えます。
荒らしに反応するのも荒らしです、という考え方を 「悪用」 するケースも
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2ちゃんねる」 の 「ハングル板」 略称 「ハン板」 は、銀色の鱗が 輝くピラニアの生息地 |
なぜこのようなレスの返し方が登場したのかと云えば、スレッド参加者の耐性が高く、釣りや煽りが無視され マジレス が返ってこない状況を 「悪用」 する人がいるからです。 つまり煽りや釣りを装って、デタラメや自分の偏った意見を書き込む人たちです。
例えば誰しもが白だと理解しているスレッドで、あえて黒だと挑発的に発言するとしましょう。 そのスレッドに参加している人の多くが高いリテラシーを持っていると、そんな煽りのレスなど無視されますが、そのまま誰も反応しない場合、偶然そのスレッドを軽く見ただけの部外者が、「黒という意見に誰も反論していない、黒という意見もあるんだな」 と勘違いしたり信じてしまう可能性があります。
さらにスレッド終了間際に黒だといってる煽りや荒らしが、「誰も反論できないようだな、やっぱり黒だった」 などと勝利宣言を行うと、それを鵜呑みにする人が現れるかも知れません。
こうした状況は、保守的な人たちが行う 特定アジア (韓国や北朝鮮、中国) などの話題や、歴史問題などを話し合っているスレッドではとくに問題視される状況です。 元々荒れがちな話題ですし、煽りや釣りなどが多い話題でもあるので、いちいち反応していたら有意義な話ができませんから、本来はスルーするのが 「大人の対応」 です。
しかしその一方で、あからさまな虚偽、誤りをログとして残すのも、後々誰でも見ようと思えば見ることができるネットの掲示板の情報、書き込みとしては困ってしまいます。 嘘も100回云えば真実になるなどとも云いますが、釣りや煽りを装いこうした 「刷り込み効果」 を狙ったような嘘情報の積み重ね、既成事実かのような書き込み内容をそのまま放置するのは、長い目で見ると危険だとの考えもあります。
そこで、相手の意図はどうであろうと、おかしいと思う意見、客観的事実に反する意見にはその都度必ず反論を加えるという利用法が提唱されるようになりました。 それがこのピラニアです。
このピラニアには疑似餌にやすやすと喰らいつく 煽り耐性 のない人に対する蔑称のような意味もありますし、可能であればそうしたレスは無視すべきなのだとも思いますが、これはこれで評価する人もいますし、善悪の判断はケースバイケースといったところでしょうか。
「反論したら相手と同じレベルに降りることになる」 などと無視をしているうちに、相手が調子に乗り、事態がどんどん悪化してゆく…。 こうした状況は、ある意味で日本の東アジア外交で見られる 「失敗例」 でもあるので、こうした保守的な掲示板ではとくに 「避けよう」 という雰囲気が強まるのは、ある意味で当然とも云えます。 また誤った情報が広がることで問題が生じるのは歴史問題だけでなく、例えば反ワクチンやインチキ代替医療、放射能デマなど、話が広がり信じる人が出ることによって生命財産にかかわるような重大な結果を生じかねない悪質なものもあります。
ただし釣りや煽りとピラニアとが 「論争」 までしてしまうと、結果的にスレッドがどんどん消費され内容が流れてしまう (スレが潰れる) ので、長々とレスの応酬をせず、ピンポイントで一度だけ論破して終わりにするとか、自分以外のピラニアが反論したらあとはスルーする…のような、阿吽の呼吸による様式美を持つ場合もあります。
アマゾン川のピラニアは獰猛ではなく、実は臆病
ちなみにピラニアの語源は、南アメリカのアマゾン川などに生息する肉食淡水魚のピラニア (Piranha/ 特定の種があるわけではなく、肉食淡水魚の総称) です。 血の匂いに強い反応や興奮を示し、鋭い牙を持った魚たちで、川に入った動物などを獰猛に食い殺す川の殺し屋、凶暴な殺人魚としてよく知られています。
ただしこの獰猛で何にでも喰らいつくというイメージは映画などの創作物による影響であって、実際のピラニアはとてもおとなしく臆病な性格を持っています。 しかし臆病なため大きな群れを作って生活しており、群れ全体が血の匂いなどから興奮状態となると、パニック恐怖映画のイメージそのままに、獰猛さを発揮する場合もあります。
銀色に輝く姿は美しく観賞魚としても親しまれ、筆者も小学生時代に親に駄々をこねて飼育したことがありますが、おとなしくて 「イメージと違う…」 と落胆したものです。 ただし牙は鋭く不用意に指などを近づけると怪我をすることはあるので、十分な注意が必要な魚であることは間違いありません。
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