壊れて欲しくない時に限ってパソコンが不調に…バックアップ大事 321ルール
「321ルール」（The 3-2-1 Rule） とは、パソコンなどで使うデータ類をバックアップする際に、理想的とされる方法３つをひとまとめにした考え方・ルールのことです。 名称の 「321」 は、大切なデータを守るための冗長性を確保する３つの方法、それぞれの要点を数値としてまとめたものの略となります。
その要点は、
・データは３つ作れ
・２種類の方法で作れ
・そのうち最低１つは別の場所で作れ
となります。
データの重要性はいや増すばかり…
３つのルールの最初 「３」 は、「データはオリジナル・バックアップを含めて同じものを３つ作る」 からきています。 オリジナルは通常１つでしょうから、バックアップを２つ、すなわち予備を含め二重にバックアップせよとのルールになります。
次の 「２」 は、データを保存するメディア （デバイス/ 記憶媒体） は２つ （２種類もしくは２か所） に分けましょうとのルールになります。 例えば外付けハードディスクに１つバックアップをするならば、もう１つは異なる外付けハードディスクを用意する、あるいはテープメディアや MOディスク、DVD やブルーレイディスクに保存するなどです。 写真などの 画像 の場合は、デジカメのメモリーカード類をこれに含めてもいいでしょう。 ただしそれぞれの媒体には初期不良や不備の可能性のほか、そもそもの寿命もありますから、長期保存を行うならそれを考慮し故障前提でそれぞれ定期的なバックアップと機材の更新を行う必要があります。
最後の 「１」 は、これら複数のバックアップ媒体のうち最低１つは、異なる場所に 隔離 （離れた場所、オフサイト） して保管しましょうとのルールになります。 例えば会社と自宅に分けて保存管理するとか、自宅と実家に分散するなどです。 オフライン （ローカル） と オンライン （クラウド/ cloud やストレージサービスなど） に分けて管理するのも有効です。
かつては個人のデータを自宅以外に保存管理するのは近所に実家でもない限り費用的にも容易ではありませんでしたが、その後は安価な個人向けクラウドサービスなどが次々に登場し、通信速度の向上も相まって、ギガ単位、テラ単位の アップロード や保存も現実的になってきました。 「321ルール」 も現在は、これらサービスの利用を前提としたものだと考えて良いでしょう。
バックアップは定期的にやらないと意味がない…とはいうものの
データが喪失してしまうには様々な原因があります。 パソコンの内臓ハードディスクがクラッシュした、コンピュータウィルス や悪質なランサムウェアに感染してバックアップまでも壊された、使えなくされた、あるいはユーザーが単に誤って自ら削除するケースもあるでしょう。
またこれら 「コンピュータの トラブル レベル の原因」 以外にも、パソコンや外付けハードディスクが盗難に遭った、紛失した、地震や火災といった災害でパソコンまるごとの喪失だってあります。 自宅のPCならともかく、日ごろ持ち歩くことが前提のスマホや タブレット のデータは、とくに注意が必要でしょう。 また一見堅牢そうなクラウドサービスによるバックアップも、サービスそのものが終了したり、サービス側の機材トラブルでデータ喪失したり、アカウント の ログイン 方法を忘れたり停止処分 （BAN） を受けるなどで、失ってしまう可能性がいつでもあります。 「321ルール」 を守ることで、これらあらゆるデータ消失のリスクを限界まで減らすことができると云えるでしょう。
ただし 「そもそも 「321ルール」 を守るのが大変だ」「そのうちやろう…」 という人的要因があらゆるリスクの中で最大なので、そこらへんは本人が努力しないとどうしようもありません。 クラウド関連サービスやそれらと連携した一部のバックアップツールなどで 「321ルール」 に則ったサービスを提供している場合もありますが、いずれにせよ、日頃から注意を払い、データ復旧が可能な状態を維持し続ける努力はしないといけませんね。
よほど 不運 が重ならない限り、データを喪失するのはおおむね利用者本人の不注意やミスが発端となるケースが多いものです。 二度と復旧が不可能な思い出の写真の保管や、切迫した段階での 同人誌 作りのための データ入稿 用の 原稿 などは、失くして泣く前にしっかり守りたいものです。
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