切ない恋心か刹那の快楽と肉欲か 「アバンチュール」
「アバンチュール」 とは、フランス語で冒険や珍しい経験といった意味の言葉 aventure と、それを語源とした日本語表現のことです。 日本においてはもっぱら恋愛や性的なあれこれについて使われることが多く、恋の冒険とか旅先での火遊び、あるいは浮気・不倫など、日常 の恋愛や人間関係とは異なる特別な関係、非日常あるいは常識や倫理に反するような関係や行為を指すことが多いでしょう。
例えば 「ひと夏のアバンチュール」 と云えば、ひと夏だけの切ない恋愛や経験になりますし、「一夜の」 ならその夜限り、その場限りの刹那的な恋愛や肉体関係を指すこととなります。 とくに冒険やいつもとは違った経験といった言葉の ニュアンス から、旅先だとか夏といった開放的な場での明るいけれど危険な恋を表現するのに適していると云えるかもしれません。 場合によっては一対一ではなく一対複数人とか、複数人での行為といったものを含めることもあります。
創作物におけるアバンチュールの使い方は限定的
マンガ や アニメ といった創作物でもアバンチュールを テーマ とした 作品 は数多くありますが、一般的には読み切りとか一話完結みたいな扱いが多いでしょうか。 テーマが明確なだけに混乱がありません。 一方で長期に渡る人気連載作でことさらにアバンチュール的な シチュエーション をあえて出す作品は多くありません。
何だかんだいって人は自分の好きな創作物の キャラクター に対しても恋愛や性的なあれこれで一途な 愛 や 純愛 や誠実さ、生々しくない 健全 さを求めがちです。 多くの ファン は続き物の登場人物がその場限りのゲストキャラ (というか モブ) に一時とはいえ心を奪われ、あるいは キス だの ハグ だの セックス だのに至るのを好まないでしょう。 それは作中で 推し が苦楽を共にした相手なり恋人なり ヒロイン への裏切りでしかないですし。 一時の気の迷いがギリギリ許される相手は、異性に見えたけれど実は同性だったとか、親戚のお兄さん・お姉さん といった恋愛関係になりそうもない人物 (小2後期男) がせいぜいです。 そしてそのような相手へのほのかな恋心は、一般にアバンチュールとは呼ばないでしょう。
一方で危険な恋といった刺激的でキャッチーな言葉でもあるため、恋愛ソングなどではしばしばアバンチュールをテーマにした曲や、曲名とか歌詞にそれが含まれるものがあります。 アイドルをテーマとしたマンガやアニメ、ゲーム などでも、登場人物が歌う形でしばしばアバンチュールが登場します。 実際に誰か相手がいてアバンチュールを楽しむのでなければ、概念 としてのそれは便利に使うといった感じでしょうか。
なお恋愛やら性行為やらで何でもありな エロ な作品の場合は、そもそもがモラルに反し性的な誠実さとも無縁な 物語 を含む ジャンル なため、アバンチュールをテーマにした作品が多いのはもちろん、ジャンルそのものがアバンチュールだとも云えるかもしれません。





