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創作物を分類・区分けして表す 「ジャンル」

 「ジャンル」(Genre) とは、絵画 や音楽、小説や映画、彫刻など、様々な芸術作品、創作物の内容を、特定の基準で分類して表したものです。 分類は作品ごとに行われますが、分類に使われる基準には様々なものがあり、分類を試みる人や団体などによって分類項目もその基準も本来はかなりバラバラです。

 もっとも分かりやすい分類は、前述した 「絵画」 や 「音楽」「小説」 などですが、それぞれはさらに細かく分類され、例えば絵画なら 画材 によって 「油絵」「水彩画」「水墨画」 などに別れ、描く テーマ によって 「風景画」「人物画」「静物画」 などにも分かれます。 それら絵画を複数集め、一部に共通した特徴を持っていれば、「具象絵画」「抽象絵画」 などに分類されますし、さらに制作された時代、制作された場所、制作に使った道具の種類、制作者の性別や国籍などでも、細かく分類されたりします。

 ようするに、膨大な数の芸術作品、創作物を、その実物で説明するのではなく、「言葉で説明する」 ための、あらゆる分類方法が 「ジャンル」 だといって良いでしょう。 「Genre」 とは元々フランス語の言葉ですが、ジャンルの定義や実際のジャンル分けは、画商や評論家、美術史家やそれを楽しむ鑑賞者、さらには 作者 自身が自由に作り、分けることができるものとも云えます。 ただしそれではあまりに不便で系統だった整理もできなくなってしまいますから、共有 されているある程度の 「ジャンル分け」 は、各芸術界ごとに芸術関係者の集まりなどで時代ごとに作られています。

 なおジャンルが違う場合は、「ジャンル違い」 となりますが、こうしたジャンル分けを カテゴリー (Category) と呼ぶ場合もあり、その場合のジャンル違いは カテゴリーエラー (カテエラ) と呼びます。 小説や ライトノベル の世界では、ジャンルよりカテゴリーやカテエラの方が、むしろポピュラーでしょう。

同人の世界での 「ジャンル」 と 「ジャンルコード」

 こうしたジャンルに対する定義や考え方は、伝統的な 同人 の世界でも、コミケ などに代表される マンガアニメゲーム やライトノベルにおける同人の世界でも原則的に同じです。

 とりわけこうした世界でのジャンルでは、同人イベントイベント会場 のどの場所に 同人サークル配置 を行うかを決める作業があり、こうしたジャンルはさらに作品ごとに細かく分類され、ジャンルコード のような形で イベント主催者 からアナウンスされています。

 最初の大きなくくりは、制作するものがマンガなのか、それとも小説や SS、評論や批評、さらには映像作品やフィギュアなどの立体造形物なのか、また コスプレ といった全く違った表現方法なのかといったものがあります。 加えてそれぞれに オリジナル なのか、何かの作品を 元ネタ とした 二次創作パロディ なのかにさらに分かれます。

 二次創作の場合、元ネタとなったアニメやマンガ、ゲームなどの作品タイトルがそのままジャンルとなり (例えばセーラームーンの二次創作なら、セーラームーンというジャンルになる)、さらにセーラームーンの中でもどの キャラクター をメインに扱っているのか、どんな カップリング を中心に描いているのかで分かれます。 そのカップリングが男女の組み合わせなら ノーマル (ヘテロ)、男同士なら やおいBL薔薇 になりますし、女同士なら 百合レズ になる場合もあります。

メジャー作品の二次創作の場合、ジャンルもカップリングごとに細分化

 元ネタとなった作品がメジャーな作品ですと、カップリングも様々なパターンが考えられます。 その場合はカップリングの組み合わせや方向性ごとに、それぞれ1つの細分化されたジャンルが形作られます (マイナーな作品の場合は、作品タイトルだけでジャンルが完結したり、あるいはその作品の作者で一括りになったり、もっと大きな枠で分類 (「1970年代マンガ」 とか、ツンデレ 全般) などといったくくりになる場合もあります。

 またこれとは別に、その作品が全年齢OKの 健全 なのか、それとも18歳以上は購入も閲覧も禁止となる 18禁成人向け なのかの分類もありますし、それぞれは作品の傾向 (ギャグなのかシリアスなのか、アダルトなら性行為のバリエーションなど) ごとに、さらに細かく分類される場合もあります。

 なお定まった特定のジャンルを持たない同人サークルの場合には、よろずサークル とか、ジャンルジプシー などと呼んだりします。 流行のジャンルを追いかける金儲けしか考えていないサークルを侮蔑的に呼ぶ場合は、とくに イナゴ などと呼ぶ場合もあります。

 ある程度定まったジャンルなら良いのですが、自分では判断がつきかねる微妙なラインのジャンルを追うサークルもあります。 その場合は、自分の作品と似た作品を出しているサークルがうたっているジャンルを参考にするのが、自分だけでなく 一般参加者 やイベント主催者側にとっても便利で良いのですが、新しいジャンルなどでそれが見当たらない場合、ノンジャンルというくくりになる場合もあります。 この場合のノンジャンルは、「ジャンルがない」 との意味ではなく、「ノンジャンルというジャンルに分類される」 という意味になります。

 なお同人誌を選ぶ際、もっぱらジャンルを基準にする場合は、とくに ジャンル買い (もしくはまとめ買いの意味も含めて 島買い) と呼ぶ場合があります。 その場合の対義語は 作家買い や サークル買い になります。

ジャンルごとに様々なイベントが開催

 こうしたジャンルごとの分類は、サークル参加 を行うサークルや、出品する 同人誌 などの作品の分類だけではなく、同人イベントそのものの分類で使う場合もあります。

 コミケや Cレヴォ のような大規模な同人イベントは、多くの場合で オールジャンルイベント となっていて、特定のジャンルだけに特化した場合には、オンリーイベント などになります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年4月6日)
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