何でもない日だけど、そんな日々が愛しい… 「日常」
「日常」 とは、常日頃のこと、普段からの平凡で 普通 な日々のこと、毎日繰り返す何気ない生活のことです。 何を持って日常とするかは人それぞれ、その人の人生におけるポジション・ステージ次第ですが、子供なら朝起きて学校に行き勉強したり部活をしたり放課後に塾に行ったり友達と遊んだりして、その後また家に戻ってお風呂に入って寝るといったものが多いでしょう。 特別なことが何もない、ありふれた日やその行動となります。 対義語は非日常で、何らかの イベント があったり特別な事件が起こる日になります。
同人 や おたく の世界でも同様の意味で使われますし、マンガ や アニメ といった創作物の世界でも 物語 や 作品 の傾向・ジャンル の一つとして扱われ、そのための言葉などもあります。
日常回と、日常系
日常に関する言葉でよく使われるのは、「日常回」 でしょう。
創作物では非日常が日常になっているものがたくさんあります。 巨大な悪の組織や モンスター、超能力者や宇宙人と日々戦ったり、冒険や命のやり取りは日常茶飯事です。 そうした創作ならではの非日常のできごとの合間に、現実の 一般人 でも行うような日々の生活の行為、例えば学校で友だちと無駄話をする、放課後に寄り道をする、学校行事に参加するといったエピソードが挟まれると、「日常回」 とか 「日常話」 などと呼んで、その他の回とは区別します。
こうした回を挟むのは、作中のひとつの物語に一区切りがついて、次の話に進む前の一休み、あるいは 「溜め」 という意味があります。 食事の際の箸休めみたいな存在ですね。 また 読者 や視聴者に対して自分たちと同じようなありふれた生活を送る キャラ の姿を提示して、感情移入 を促すなどの効果もあります。
この場合、日常回で触れられる内容は作品全体の テーマ とはほとんど無関係で、あってもなくても全体の物語の流れに影響しないものが多いでしょう。 しかしキャラの何気ない日常生活の描写から人となりも伝わりますし、創作されたキャラに実在人物のような深みや奥行きを与える効果もあるでしょう。 しばしば作中屈指の人気回になったりもするのが面白いです。
同じことの繰り返し、でもそこに平凡な幸せが
一方 「日常系」 と呼ぶ場合は、こうした日常生活の描写のみで描かれた作品となります。 学校生活を描いたものにせよ社会人の生活を描いたものにせよ、誰でも経験したことがあるような平凡な毎日の描写、あるいは日常における 「あるあるネタ」 で構成され、小さな笑いを誘うようなものが多いでしょう。
この場合、日常に存在する一つのテーマを掘り下げるようなことはしません。 例えば部活を掘り下げてしまうとスポーツ物語になりますし、恋愛にフォーカスすると恋愛物語になってしまいます。 それぞれの要素を少しずつ入れつつ、学校が舞台なら勉強とか試験とか、あるいは文化祭とか修学旅行とか、歳時的なイベントも挟みつつ、淡々と毎日の生活を描くものとなります。
日常系はバトルものの作品などに比べると物語にさしたる起伏はなく、原則一話完結の形式で描かれることが多く、内容が薄くてぬるい作品だと評価されることが多いのですが、現実世界で他人との競争を強いられがちな現代の読者や視聴者にとっては、創作物の中に 「癒し」 を求める部分もあるのでしょう。
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