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またやらかした…ガバガバじゃねーか! 「ガバ」

 「ガバ」 あるいは 「ガバる」「ガバい」 とは、ガバガバである、締まりがなくて緩んでいる、 だったり不注意だったり、いい加減、適当、手抜き、無責任、その結果間違えたり失敗したりやらかしをするような状態であるとの若者言葉、俗語のひとつです。 似た言葉に 「テキトー」「ゆるゆる」、対義語は 「キツキツ」「キリリ」「マジ」「ガチ」、あるいは 「締まる」「引き締まる」「芸コマ」 あたりになりましょうか。

 元々はごく 普通 の日本語、一般用語でもあるガバガバがそのまま使われているだけの言葉です。 服のサイズが体に合わずにガバガバしているとか、ネジやネジ式の蓋がゆるんで締まらないといった意味で使われます。 下世話な部分では、女性器が性行為のやりすぎで広がってガバガバ、あるいはガバガバなまんこの意味でガバマンなどと表現する場合もあります (だだっ広いとの意味で太平洋とかも)。

 ナウいとか ウザいダルい といった、1970年代から80年代に若者の間で作られよく使われた 「〇〇イ」 の変形・アレンジされたものの一つでもありますが、当時は別の意味で使われることが多く、現在のような 「締まりのないいい加減で適当」「失敗・やらかし」 の意味で使われるようになったのは、かなり後になってからでしょう。 とくに ネット が登場し広く使われるようになった頃から、使用頻度も爆上がりした傾向があるかもしれません。

方言・流行語としての 「ガバい」

 「ガバい」 という言葉自体は、佐賀弁で 「非常に」「とても」 の意味で使われる方言のひとつとしても知られています。 この言葉が全国区で広く知られているのは、1987年に島田洋七さんが著した自伝小説 「佐賀のがばいばあちゃん」 からです。 400万部を超える大ベストセラーとなったこの作品は、1980年代初めに起こった空前の漫才ブームにおいて、漫才コンビ B&B の ボケ役 として人気を得た島田さんが少年時代に一緒に過ごした祖母との貧乏生活を面白おかしく描いたものでした。 後には映画化やドラマ化などもされます。

 若者言葉にはお笑い芸人の発言や ネタ が語源や 元ネタ となっているケースがとても多いのですが、この小説による 「ガバい」 という言い回しは一部では話題になったものの、若者言葉として大流行するまでには至っていませんでした。 しかし当時は現在のようなガバいの使われ方もされていないか極めて限定的なものだったため、どちらも 「よく使われる言葉」 という扱いにはなっておらず、直接の関係はないと考えるのが妥当でしょう。 前述した 「テキトー」 の方が、使いやすく広がっていたという部分もあります。

 その後若者やお笑い芸人の間で、他人のやらかしを 「ガバガバじゃねーか」 と 突っ込む 使い方が広がり、それがそのままネット時代に若者言葉、あるいはある種の ネットスラング としても広がったといった感じでしょうか。

何かに接頭して 「ガバ〇〇」 といった使い方も

 「ガバ」 は、前述したウザ (ウザい) とかキモ (キモい) などと同様に、指し示す対象の言葉や名称に接頭し、一塊のセットとして使われることも多い言葉です。 例えば ゲーム で適当なプレイや失敗、やらかしをすることは 「ガバプレイ」 と呼びますし、楽器の演奏なら 「ガバ演奏」、適当に描いた イラスト なら 「ガバ絵」、ツッコミどころ満載 のいい加減な 世界観設定 を 「ガバ設定」 と呼ぶといった具合です。 このあたりは上で述べた、それ以前からずっと使われていた 「ガバマン」 などと同等の使い方でしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2014年2月10日)
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