同人用語の基礎知識

ネットスラング/ ネット用語

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あらゆる人が集まり、あらゆる言葉が交差するネット 「ネットスラング」

 「ネットスラング」 とは、ネットパソコン通信インターネット、それらを含むオンラインゲーム (ネトゲ)、主に携帯電話やスマホによる利用を中心としたコミュニティ (SNS やメッセンジャーアプリなど) の世界で作られた言葉、もしくはそうした場で頻繁に使われる言葉、言いまわし、流行語のことです。

 もっぱらコミュニティの 掲示板チャット のサービスなどで利用され、「インターネットスラング」「ネット用語」「ネット言葉」「ネットミーム」 の他、「ネット語」 あるいは 「ネットスラング」 の略語で 「ネスラ」 などとも呼びます。

 個別の用語の分類方法は非常に多岐にわたり、またそれぞれが密接に関連しています。 さらに本来は別のコミュニティで別の意味で使われていたものが、時代を経て別のコミュニティで別の意味で使われるケース (単に文字列が偶然一致したわけではなく、関連性はある) もあり、元ネタ や定義、好んで使う人が錯綜したり入れ違ったりして、全体を把握するのはかなり困難です。

 しかしある程度の傾向は見て取れ、いくつかのパターンに分けられます。

発生し使われた 「時期」 で分ける考え方

 分類パターンの最初は、発生したり使われたり流行った 「時期」 で用語を分類するケースです。 パソコン通信の時代なら 「パソ通用語」 や 「波動用語」、インターネット時代ならインターネット用語などとカテゴライズされます。 ただしパソ通とインターネットの言葉の連続性はかなり強く、両者をまとめて 「ネット用語」「ネットスラング」 とするのが一般的でしょう。

 その一方で、2000年代になり、パソ通時代にはあまり接点がなかった 1990年代からの女子中高生などの 「ポケベル」 → 「携帯による メール」 派生の ギャル 用語がインターネットで混ざり合い、語彙の数の増え方や関連性において、コミュニティによってはかなり明確に違いも生じています (未成年者が使うコミュニティなどは、同じネットとくくるのが不可能なくらい、文化も使われる言葉も離れてきています)。

 パソ通時代は、利用者の傾向から 「パソコン用語」「コンピュータ用語」 からの転用が多く (ROM や ROM のアレンジの DOMデフォ など)、その傾向はその後も続きますが、その割合は年々減少している印象です。 また世代ごとに使われるサービスが変遷し、元のコミュニティでも古くなってあまり使われなくなった言葉がその都度いったんリセットされる印象もあります。

言葉の構造、作られ方によって分ける考え方

 言葉の構造や作られ方、成り立ちによって分類される言葉は種類も多くネット特有のたたずまいがあり、一般的にネットにあまり詳しくない人、初心者や部外者が 「ネットスラングだ」 と強く認識する言葉の多くが、このパターンに含まれる言葉たちでしょう。

 まず代表的なのは 誤変換 (例えば ロリ炉利 や、中坊 → 厨房 など) でしょう。 複雑なものでは、略した後に誤変換や、略した後にさらに略して誤変換するもの (お疲れ様 → おつ → や、サーチエンジン → サーチ → サチ → 幸 など) もあります。

 さらに 当て字 (三次元惨事 など)、誤読 (既出 → がいしゅつ など) や 略語 (常識的に考えて → 常考、これをさらに ローマ字略語 化して 「JK」)、英語のローマ字読み (Image → イマゲ、Warez → ワレズ など)、英語のローマ字書き (OUT → AUTO など) もよく見かけるパターンです。

ここの用語が分かるって少しヤバイかも…

 一部に例外はあるものの、基本的にパソコンのキーボードや文字変換ソフトなどを使って打ち込む 「文字キャラクタ」 がほぼ必須という点で、他の俗語、流行語、専門用語と異なり、これらは見た目からしていかにもネットスラングらしいネットスラングと云えます。

 こうしたパターンにはこの他、倍角文字 (神 → ネ申 とか 死ね → タヒね) や、検索避け の意味と隠語 (ジャーゴン) のような役割を果たす 伏字 のための 「置き換え」(チート → チト → や スマン → スマソ) のように、見た目が似た別の文字に置き換える) などもあります。

 さらに特殊で、しかも歴史が極めて古いものに、みかか を代表とするキーボードのカナ・ローマ字・数字・記号などの意図的な誤入力、もしくは読み替えの変換を使う みかか変換 (「FILES」 → 「ハニリイト」「mp3」 → 「もせあ」) などもあります。

 また 空耳 (しゃべり言葉や歌声が、本来の言葉とは違って聞こえる) を元ネタとするようなものまであり (歪みねぇなふつくしい など)、その数は 「ニコニコ動画」 などの 動画共有サイト の人気により増加傾向にあります (一方で、それぞれの言葉の 「賞味期間」 は短くなる傾向が)。

 一風変わったものとしては、「誤変換」 に近いもので、打ち間違い消し忘れ の言葉もあります。 例えば三国志の武将の 「姜維」 という名前をキーボードで打つ場合、辞書登録されてない場合は、「生姜」 と 「繊維」 と打った後、「生」 と 「繊」 を消す必要がありますが、面倒くさがってそのまま 「生姜繊維」(もしくは 「生姜」) と書いて、それが定着してしまったようなケースもあります。

 これらにはある程度の法則性はありますが、ネットスラングを略語化して、さらに略語と略語をくっつけてそれを略語化するなど言葉それぞれに複雑な変遷があり、変異後の言葉が突然出てきた時に、それがどうしてその意味になるのかずっと追っていないとさっぱり分からないようなものもあります (全米が泣いた → 俺の中の全米が泣いた → 全俺が泣いた など)。

 なお言葉を省略するのは業界言葉や若者言葉など、一定の範囲内のコミュニティの言葉ではよくあることであり、略語そのものがネットスラング特有という訳ではないでしょう。 前述したローマ字略語もネット以前からよくあるパターンです。 しかし 一文字略語 (例えば 「了解した」 を 「りょ」 あるいは 「り」 であらわすなど) は、いかにもネットならではの文字列という気もします。

 またネット用語と云うよりは広義の若者言葉とも云える言い回しに 促音省略 があります。 例えば 「かっこいい」 を 「かこいい」、「いってくる」を 「いてくる」 とするなどです。 逆に促音を足すこともあります。 例えば 「ウザイ」 の 「イ」 を抜き間に促音を入れて 「ウッザ」、「キモイ」 を 「キッモ」、「ダルイ」 を 「だっる」、「クソ」 を 「クッソ」 などといったものです。 これらはネット以前から日常会話でも広く使われていましたが、その頻度はネットの普及とともにより一層上昇する傾向があるでしょう。

発生し使われている 「場所」 で分ける考え方

 「場所」 を意識するこのパターンでは、例えばパソ通時代の NiftY-Serve の アニメフォーラム (アニメの ファン のための会議室) のローカル用語なら ニフティ用語や FAN用語、セガBBS なら セガBBS用語、2ちゃんねる で生まれ使われている言葉なら 2ちゃんねる用語、はてな なら はてな用語、ニコニコ動画ならニコ動用語、ツイッター なら ツイッター用語 などになります。

 ただし利用者 (とりわけ活発なアクティブと呼ばれるような人) がある一定の 趣味 の人で占められ専門性の極めて高いコミュニティが中心だったものが、パソ通からインターネットになり、「あやしいわーるど」 や 「あめぞう」「2ちゃんねる」「ふたば」 などの流れの中で、複合掲示板 (大規模掲示板やメガBBSと呼ばれる、あらゆる ジャンルカテゴリ をまとめた巨大掲示板群サイト) が主流となると、利用者が積極的に外部の言葉を持ち寄ったり、持ち寄った言葉がその巨大掲示板を情報集積地、情報散布地となって広まるようになり、その区分はかなりあいまいになっています。

 またそれに伴い意味の反転なども生じるケースがあります。 例えばAコミュニティで賞賛表現だった言葉が、それと敵対するBコミュニティの利用者らによって、Aコミュニティやその利用者らを嘲笑するための罵倒語、差別語になるような状況です (胸が熱くなるなすごい一体感を感じる など)。 中には敵対するコミュニティを揶揄した言葉が同じコミュニティの参加者の揚げ足取りにあい、敵対コミュニティで賞賛表現になっているケースなどもあります (ただ天 など)。

 異コミュニティだけでなく、異文化との交流で生まれる言葉の宝庫といえば、海外との自動翻訳掲示板も忘れられない存在です。 日韓の自動翻訳掲示板として一世を風靡した 「enjoy Korea」(エンコリ) では、精度の低い自動翻訳による些細な言葉の行き違いで、様々な言葉が生まれています (ホルホルマトボッククリ など)。

 ネットスラングに限りませんが、極めて専門性の高い専門用語や学術用語が、字面や表面的な意味による誤用、一般用語と同じ文字列だったことによる混同などによって、掘内の意味とはやや異なる、あるいはまったく別の意味で広がることもあります。 これらは 学術用語への言い換え と呼ばれることがあります。 一見専門用語っぽい言葉であるため何らかのエビデンス (学術的な根拠) があるように受け取られますし、理知的で衒学的な語感を好む人からことさらに用いられて異なる意味で定着してしまうこともあります。

 こうした流れと同時に利用者の多いコミュニティでは言葉はどんどん改変され意味が変わったり、流行り廃りで淘汰されたりしますから、全く違う言葉で意味も正反対ながら、元ネタを辿ると実は一緒だった…なんて特異な言葉も表れたりします。 これらの 「異コミュニティ交流」 があまりなされない掲示板では、昔の言葉が昔のままの意味で使われていたりもしますが、一定の時を経て突然融合して元の言葉が死語状態になって消えてしまう場合もあります。

明確な 「元ネタ」 によって分ける考え方

 「言いだしっぺ」 がはっきりしている用語もかなりの数があります。 例えば人気 マンガアニメ の名セリフなどを元ネタにするものは、それがガンダムの作品中のセリフ (これはいいものだ など) や劇中設定用語 (黒歴史 など) なら、「ガンダム用語」「ガンオタ用語(ガノタ用語)」 となるでしょう。 あるいは有名人の コメント などを由来とするものは、その有名人の語録としての用語、ファン用語となります。

 ただしその上の 概念 として、「アニメ用語」「芸能用語」 などがありますし、さらにその上に オタク用語、萌え用語 といったくくりもあります。 「○○はネットスラングじゃなく、アニメ用語だ」 といった話はよくありますが、「ネットで触れられて流行し広く使われているなら、もうそれは 「アニメ元ネタのネットスラングだ」 との話もあり、考え方は人それぞれともいえます。

 なお流行した アスキーアート(AA) の一部が言語化してネットスラングになる場合もあります。 人が手を振る AA の手の部分のみを使った ノシ や、頬を染めた描写の ///、人が脂ぎってテカっている状態の擬態語から生じた ワクテカ (wktk)、隣の部屋から聞こえてくる音を取り出した ギシアン などが代表的です。

言葉の用途、使われ方やその目的によって分ける考え方

 他の参加者や他人を罵倒する言葉なら 「罵倒語」 や 「差別語」、賞賛したり好意的に表す言葉なら 「賞賛語」「褒め言葉」 などになります。 罵倒語としては DQNピザゆとりスイーツ(笑) などがあり、褒め言葉では 才能に嫉妬 とか コーヒー吹いた あたりが代表的でしょう。

 また来歴はともかく、そのあまりの意味不明な説得力からネット上で話題となり流行する パワーワード などもあります。 こちらは言葉の勢いや発せられた文脈、背景などによっては爆発的な 拡散 が生じて、そのまま一気にその年を代表するようなネットスラングとなるケースもあります。

 これらの用語はジャンルごと、カテゴリごとに数が非常に多く、意味を知らない人がその言葉からネットスラングとしての意味を正確に受け取るのが困難な用語となっているケースが少なくありません。 実際はさらに略されたり誤変換までされるので、さらに解読は難しくなります。

 ネットスラングは膨大な数があり、日々生まれ、また既存の用語も刻々と意味や使われる場所が広がり、定義も更新されています。 この同人用語サイトにも用語の一覧として掲載していますから、興味のある言葉を捜してみてください。 頭が痛くなる可能性はありますが、経緯を知ると面白さも10倍です。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2001年8月5日)
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