発想力で売る! 当たるか外れるかは時の運? 「企画もの」
「企画もの」 とは、目新しさに着目した発想・アイデアで勝負するもの、本質的な部分でアピールできない場合に独創的で奇をてらったアイデアや市場投入のタイムリーさを重視して 開発・生産される商品やサービス、そのためのあれこれを広く指す言葉です。 例えば喫茶店に付加価値として何らかの テーマ や コンセプト に沿った装飾やサービスを行う コンセプトカフェ とか、品質を向上させるのではなく新しさや流行を取り入れて販売される 限定 の商品などが代表的です。
もともと 企画 という言葉自体は何かを実行するために計画を立てたり、計画そのものを指す言葉です。 アイデアなどはそのごく一部でしかありません。 またどんな商品でもサービスでも開発したり実際に 顧客 に提供するまでに様々なアイデアが盛り込まれるものであり、企画のない商品やサービスなど存在しません。 なのでわざわざ 「企画もの」 と呼ぶ場合は、ある企画に先だって考えられた出発点たるアイデアが優れているとかダメだった場合に、それをやや俗語的・誤用的に強調し揶揄するような ニュアンス を強く持つことが多いかもしれません。 地道な正攻法ではなく、アイデアによる一点突破みたいな状況ですね。
なお企画が優れていても途中で頓挫したり実際に提供を開始しても全く売れずに 爆死 した場合は 「企画倒れ」 と呼びます。 こちらも最初のアイデアは良かったけれどそれを実施するための予算や時間、人員といった体制がお粗末だったとか、市場の ニーズ を読み違えていたといった意味で使われます。 アイデア倒れとかコンセプト倒れなどと同じ使われ方で、企画という言葉が本来が持っている調査研究や実現のための計画性といった意味をあまり顧みない言い方ですね。 ただし計画倒れといった意味で使うこともありますし、企画力などは、本来の企画に対する網羅的な要素が過不足なく揃っている力を指す本来の使い方も多いでしょう。
テレビや雑誌といったメディアの世界では企画=アイデアみたいな ニュアンス でも使われがちですし、斬新な企画は斬新なアイデアなどとほぼ同じ意味でしばしば使われます。 世の中の流行りや重大な関心事に沿って出されるタイムリーな雑誌増刊やムック本を 企画本とか企画誌 と呼んだりもしますし、使われる場の文脈で判断する必要があるでしょう。
女性の容姿を揶揄するような使われ方も
なかでも 「企画もの」 という言葉がよく使われ、前述したような傾向と印象がとりわけ強いのはアダルトビデオ (AV) の世界でしょう。 AV嬢 (セクシー女優) の ルックス や知名度だけではセールス的に厳しいと感じられる場合に、何らかの突飛な シチュエーション や 設定、ニッチ でマニアックな ジャンル のフォーマットや テンプレート に沿った作り方をするものを 「企画ものAV」 と呼んだりします。 正統派・王道・直球勝負ではなく イロモノや 邪道、変化球みたいなニュアンスです。
このあたりは夜の街の面白風俗 (性風俗) なども同じで、アイデア勝負の実験場みたいになっている部分があります。 単に 変態的 な嗜好に留まらず、「これで 抜け る奴がいるのか」 と驚くような珍アイデア・ぶっ飛び プレイ が生まれ、その大半は マイナー の 枠 を超えられないものの、場合によっては時代の空気や多くの顧客の隠された ヘキ を刺激し、一躍ブームとなる場合もあります。 例えばコンセプトカフェの一部でもある1980年代に一世を風靡したノーパン喫茶 (フロア担当のウエイトレスが ミニスカート に ノーパン だという触れ込みの喫茶店) などは 昭和 の語り草のひとつでしょう。
一方、AVにしろ性風俗にしろ、出演・接客する女性が若く美人で大勢の常連客や ファン を掴んでいれば、それだけで十分に集客やヒットが見込めるわけで、当たるか当たらないかわからないような企画を練る必要はありません。 「本人の魅力だけでは売れない」「ブス を何とか売ろうとする 作品 やサービス」 と見なされがちで、女性に対して 「企画ものなら何とかなる レベル」 みたい言い方をして容姿を揶揄する使われ方がされたりします。 とくに最上級の罵倒とも言えるのは 「AV ならウンコ食わされるレベル」(スカトロ みたいな狭くて過激な内容なら何とか一部のマニアに訴求する) などでしょう。






