同人用語の基礎知識

尺足し

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写真の長さが足りないから加工して延ばしたり 「尺足し」

 「尺足し」 とは、足りない を足すことです。 ありがちなのは何らかの視覚的な制作を行う際、そこで用いる写真や 画像 の大きさや 尺が足りない 場合に、必要な分をつけ足すといった使い方が多いでしょう。 一方、動画 などの時間軸を持つ制作物や 作品 の場合は、尺埋め尺合わせ といった言い回しをすることもあります。

 よく使われるケースでは、例えば別々に写された人物写真を並べる際に、それぞれの写真のレイアウトや画角がバラバラで、揃える時に行われる画処理の時などでしょう。 ある人は上半身全体がきちんと映っているけれど、ある人は首元までしか映っていなかったり、頭の上部が画面から 見切れ てしまっているような状態の場合、他に合わせる形で足りない部分を継ぎ足したり描いたりして体裁を整えます。

 時間がない場合は、逆に見切れている写真にその他の写真を合わせることもあります。 こちらの場合は他の写真を トリミング すれば良いだけなのでとても簡単です。 しかしそれでは顔のドアップになって見苦しく感じられることも多いでしょう。 また大量の写真のうちほんの一部だけが見切れているのなら、そちらにつけ足した方が見栄えもするし作業も楽になるでしょう。

 印刷物用の写真を撮影をする際、後々のことを考えて余白を多めにとって撮影するのは大切です。 トリミングするだけでレイアウトできるのはとても楽です。 自分で撮影までする場合も、それを考えて撮影に臨むケースも多いでしょう。 しかしありものの写真を使うとか、フリー素材 にちょうど良い画角のものがない場合、尺をつけ足す作業はどうしても生じがちです。

 また写真などは一般にある程度定まった縦横比 (アスペクト比) を持っています。 極端な縦長・横長で使いたい場合も、足りない部分をつけ足す必要が生じるでしょう。 例えば人物写真ならつま先が欠けているところを描き足すとか、空を広くするとか、写真の上に文字を乗せるために被写体の後ろの背景を広げるなどですね。

ある種の職人芸から、生成AI による塗りつぶしツールへ

 こうした作業はひと昔前までは、ある種の職人芸が必要なものでした。 パソコンを使った DTP の場合、フォトショップ などのツールを使うことが多いでしょう。 頭の一部が切れている程度なら、似たような 髪型 の写真から似たような部分を切り取って コラージュ し、 や明るさを合わせてつなぎ目をなじませるなんてのが一般的です。 アナログの時代ならレイアウトでごまかすか、デザイン的な処理でなんとかするみたいな方法もありました。

 その後2020年代に入ると画像生成 AI などが進歩し、前述したフォトショップなどでもつけ足し部分を生成して描写する機能などがつけられるようになっています。 とはいえ初期段階では青空とか草原、森林みたいな自然物では上手くいっても、人の服とか室内の様子などは精度も低く、違和感も生じやすいものです。 また街中風景なども、「現実には存在しない建物」 が生成され、用途によってはまるで使い物にならない部分はあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2007年10月7日/ 項目を分割しました)
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