同人用語の基礎知識

コラージュ/ コラ

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面白ネタから、ちょっとエッチなものまで、素材を組み合わせる 「コラージュ」

 「コラージュ」(コラージュアート) とは、フランスで描かれるようになった絵画手法の ジャンル のひとつです。 Collage とは 「糊付け」 を意味し、一般的な 絵画 が絵筆でカンバスや紙に絵を描いてゆくのに対し、コラージュではその他の素材 (新聞や雑誌の切り抜き、写真、手紙や書類、お金、布切れや針やボタン、ビーズ、砂や花、落ち葉など、その他貼り付けられるあらゆるもの) をペタペタと貼りつけて、一枚の作品とします。

 こうした作品は、「絵」 と 「彫刻」、「写真」 との境界線が曖昧となり、本来は無関係なもの同士を組み合わせて、そこにはない別の意味を創りだすなど、それ以前のアートとは根本的に異なる表現・制作方法となっていました。 鑑賞方法も、目で見るだけでなく、触ったり臭いをかぐようなものまであります。

 創始者については様々な説がありますが、絵画におけるコラージュについては、パブロ・ピカソ (Pablo Picasso) や ジョルジュ・ブラック (Georges Braque) らを中心に20世紀初頭の大きな芸術的潮流となったキュビスム (Cubisme) 時代、彼らが始めたパピエ・コレ (papier collé/ 糊付けした紙、貼り絵やちぎり絵なども含む) からとされています。

色々なものを寄せ集めて一つの作品に… 「コラージュ」

 その後は、何かを寄せ集めて一つの作品とするような作品、アートを広くコラージュと呼ぶようになり、中でも写真を中心に扱ったもの (フォトコラージュ) が、大きな注目と人気を集めるように。 現在の日本のサブカル的な ネット の世界では、コラージュはほぼこれの意味でのみ使われるといって良いでしょう。 略して 「コラ」 とも、フォトマニュピレーションとも呼びます。

 作り方としては、いくつかの写真や絵、イラスト などを素材として組み合わせ、全体で一枚の写真や作品として完成させますが、パソコン上で手軽に作れるようになると作品数も爆発的に増えることに。 こうした作品類で代表的なのは、アイドルタレントの写真の顔部分を、エッチな女性の裸体の顔部分に貼り付ける アイコラ (アイドルコラージュ) や、パロディ の面白ネタ、ギャグとして作られる 「ダメコラ」「バカコラ」 ですが、毎日大勢の素人によって数多くの作品が作られるようになっています。

 これらの作品は多くの場合、ネットの 画像アップローダー や画像が投稿できるタイプの 掲示板 などに投稿の形で掲示され、同人 というよりはサブカル系全般、もしくは アングラ系ネタ コンテンツ として発表されます。

画像掲示板を中心に、ダメコラやバカコラの作品数と人気が拡大

 うち、「ダメコラ」「バカコラ」 については、話題となった芸能人やタレント、有名人や、犯罪容疑者や政治家などの報道写真を素材にしての、笑える風刺ギャグ・ネタもの、ブラックジョーク的な作品が、主に画像掲示板などを発表の場として、数多く制作されるようになっています。 似たような目的、方法で作られるものに、偽心霊写真や偽UFO写真なども良く見かけます。

 ネット上に出回っているものに関しては、制作手順などにより定義上は一般の 「アイコラ」 と同じ種類に分類されると思いますが、自分だけの楽しみとして作られる事も多い夜のオカズとしての 「アイコラ」 と異なり、圧倒的に他者の目を意識して作られる点が、この手のコラージュ作品の特徴です。

ビックリハウスの 「面コラ」、マッド・アマノの 「狂告の時代」

 こうしたサブカル的なコラージュ作品については、裁判沙汰にもなったパロディ作家、マッド・アマノ氏の一連の作品 (狂告の時代/ 1981年から) から触接的、間接的に大きな影響を受けているケースが多いようです (ちなみにマッド・アマノ氏といや、右も左もぶった斬る! といいつつ、右しか斬っているところを見かけないのはなんとも)。

アイコラの法的な問題点
肖像権・パブリシティ権・ プライバシー権の侵害
著作権・著作者人格権・複製権の侵害
名誉毀損
アイコラの規制の問題点
表現の自由の侵害

 さらに遡ると、「サブカル」 の世界を1980年代に強力に牽引した雑誌 「ビックリハウス」(パルコ出版/ 1974年〜1985年) の同種作品募集コーナーなどの影響がありました (当時は 「面コラ」(面白コラージュ) という呼称でした)。

 こうした作品に拒否反応を示す人は多いですが (筆者も個人的には、Hなヤツも含めてちょっと…って感じです (^-^;)、様々なものがごった煮で存在するのが インターネット の醍醐味のひとつ。 明確に法に触れるモノでもない限り、一方的に断罪したり規制したりには違和感を覚えます (もっとも、多くの作品が実際に明確に法に触れているから問題なんですけれど)。

 とりわけ 「ダメコラ」 とか 「バカコラ」、あるいはかなりの風刺を含んだ 「クソコラ」 などは、もう少しスポットライトを浴びても良いような気がするんですが、どうでしょう。 不快な事件の当事者を素材にしたり、あるいは特定の カテゴリ の人たちを差別的に扱ったものもあったりして、ちょっとモラル的にどうか…と思わせるものも多くありますが、素材の善し悪し、あるいは制作の動機が興味本位であれ真摯なメッセージが含まれているものであれ、清濁併せ呑むしたたかさと鷹揚さが、いわゆるパロディの持つ、一つの伝統なんですから。

アカデミックなジャンルでは、フォトモンタージュとも

 なお現代美術の分野では、フォトモンタージュ (Photo Montage) と呼ばれるジャンルがありますが、テーマや切り口が異なるのを除けば、こちらも限りなく同じような制作過程を経る創作形態と云えます。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2000年2月3日)
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