同人用語の基礎知識

人気熱量/ ファンカロリー

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同じ1人なら、ライトなファンよりガチファンの方が強い? 「人気熱量」

 「人気熱量」(にんきねつりょう/ ファンカロリー)とは、ある作品なり キャラクター なりタレント・声優なりに ファン がついて人気となっている際に、その人気をファンや支持者の単純な 「人数」 ではなく、個々人の好きだという感情、あるいは熱心さの結果生じる強い行動力や購買力そのものに着目し、対象への 「熱意の総量」 で測る考え方です。

 例えばある作品でキャラの人気投票があったとして、その投票条件に商品の購入があったとします。 普通のファンは商品を1つ購入して1票投じるとしたら、熱狂的なファンは1人で10個商品を購入して10票投じるかもしれません。 1票入れる人が10人と、10票入れる人が1人。 同じ10票でも内容は大きく異なりますが、投票数だけで見たら同じ10票です。 後者を 「ごく少数の熱心なファンや 信者 が繰り返し投票して水増ししてるだけで、実際のファンの数は少なく人気はたいしたことがない」 と切って捨てることもできます。

 しかし一方で、「1票しか入れないライトなファンと10票も入れる極めて熱心なファンを同じ1人のファンとしてカウントするのが公平か」(それは 「人気」 ではなく、単なる知名度ではないのか) との疑問も生じます。 また 「そこまで熱心なファンがつくのは、熱心なファンをつけるための魅力や努力があるからで、それを公正に判断せず単なるファンの人数だけで人気のあるなしを見るのは作品やキャラを評価するには逆に不公正だ」 との意見もあります。

ファンの数ではなく熱心なファンがどれだけいるのか、「好きの熱意の総量」で測る

 とくにアイドルや声優、アニメやゲームなどほとんどのコンテンツが 「ビジネス」 として人気の獲得を目指している以上、こうした 「売り上げに直結する熱心さ」 は、現実問題として無視できるものではないでしょう。 当たり前の話ですが、お金を全く使わないファン10人より、お金をがっつり使ってくれる熱心なファン1人の方が、全体の売り上げに貢献するのですから。 その結果、マイナーな単なる 閉じコン (閉じたコンテンツ) がそのジャンルの話題の中心になることだってあります。

 ゲーム における 無課金勢・課金勢もそうですが、こうした比較は身も蓋もない結論になりがちですし、仮に個々人の熱量が同じでも、それぞれの懐具合や自由にできる時間などに活動内容が左右される場合もありますから、厳密に公正な評価を得るのは難しいでしょう。

 売り上げがなければビジネスにならずコンテンツとして存続できなくなるので、きれいごとでは済まない部分もあります。 それはコンテンツを販売する人も分かっていますから、それぞれの投票や購買行動に重みづけをして、ある程度客観的・統計的にそれらを盛り込むことが多いものです。 身銭を切れるファンがどれだけいるか、そのファンの熱意や覚悟がどの レベル なのか。 「売上こそが真の人気のバロメーター」 という考え方はシビアすぎますが、ビジネスである以上、あって当然の考え方でもあるのでしょう。 ライトなファンがいくらいても、ガチ なファンがいなければ 覇権 は取れません。

売上こそが真の人気のバロメーター?

 そこで、ファンの人数はどうであろうが、実際に投票された数、購入された数だけで判断しようということで生まれたのが 「人気熱量」(ファンカロリー/ ポピュラーカロリーとも) という考え方です。 この場合、投票制なら投票人数ではなく投票結果だけを、売り上げなら DVD やブルーレイなどの実売数や、セールスランキング (セルラン) の数値をそのまま受け入れるという分かりやすい判断基準となります。

 ライブやコンサートなら、実際に売れたチケット数、現場 に訪れたファンの数だけを見て、ネットで大きな声で応援してはいるけれど現場に全然行かないような 在宅組 の声は無視します。 もっともこれはこれでごく少数の意見が全体に影響を与えすぎてかえって現実が見えなくなり不公平だとの意見も当然ながら根強く、各行動の重みづけやビジネスがどの段階や時期にあってどう進めていけばいいのかなど、判断が難しくなっている場合もあります。

 通常は軽いファン、普通のファン、熱狂的なファンが入り乱れ、その時期その時期で比率が変わりながら推移するものです。 初期のころは軽いファンや普通のファンが多く、人気の過熱とともに熱狂的なファンの比率が高まり、末期にはごく一部の熱狂的なファンが最後まで残って支える…なんてのがありがちなパターンです。 ビジネスにおいては、初期にどれだけ軽いファンを集め普通のファンから熱心あるいは熱狂的なファンに育てるのか、そして中期から末期は、それら育てた熱狂的なファンをいかにつなぎとめるかが大切だったりもします。

 最終的に熱心なファンの数がどれだけ小さくなっても、その人の熱量が圧倒的であれば、コンテンツ として成立する余地は十分あります (実際に重課金者数名で回っている ネトゲ とかあったりします)。

身も蓋もないけれど、ある意味平等すぎる数値が全ての世界

 なお熱狂的なファンが生まれるステージとなると、それと歩調を合わせるような アンチ も生まれてくるものです。 ファンとアンチは本来正反対の対義的な存在だと思われがちですが (なので、ファンカロリーの考え方の中でも、アンチやその声をマイナス要因としてカロリー総量から差し引くなどといった考え方をする人もごく一部にいます)、実際はファン (あるいは 「好き」) の対義は無関心だったりもするので、「アンチも人気のうち」 とする考え方がふさわしいような感じもします。

 ちなみにビジネス的なお金には直接結び付きませんが、ファンサイト の立ち上げ、手の込んだ 二次創作ファンアート などなど、作ったり行うのに大変な労力を伴うファン活動の質と量も、どれだけ熱意を持ってファン活動している人がいるかを図る、一つの目安にもなるでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2015年2月20日)
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