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画像謝罪

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姑息に見えて逆効果…「画像謝罪」

 「画像謝罪」 とは、ホームページ (ウェブサイト) で何らかの謝罪をする際に、テキスト (文字データ) ではなく、文字が書かれた 画像 で行うことです。 同様に、サイトのページではなく pdfファイルにおいても、文字ではなく文字画像を貼り付けて謝罪を行うケーもあります。

 またこれに合わせて、サイト作成時に一般的に行われることが多い画像に対する ALT 属性の指定 (画像 (HTML の img 要素) の概要をテキストで書くもの、代替テキスト) も行っていないのが普通です。 画像の作り方についても、他のテキストとフォントやサイズをあわせ、わざわざ透過処理や指定を行った png や gif にして貼り付け、あたかもテキストで書かれているかのように見た目を装うような場合もあります。

画像による謝罪例

画像謝罪

検索エンジンに拾われてインデックスされたくない、拡散されたくない…

 なぜこのような面倒なことをするのかと云えば、謝罪文をテキストで行うと、Google などの検索エンジンに謝罪のキーワードなどがテキストデータとして取得され、それが検索結果 (とくにサジェスト (関連性の高いキーワード候補の表示機能) に反映するので、それを防ぐため (検索よけ) です。 またテキストデータの場合、容易に コピペ (コピー&ペースト) で引用・転載されて 拡散 を促されるのを嫌う意図もあるでしょう (こちらも インターネット に拡散することでサジェストに反映されます)。

 もちろんウェブサイトを作るうえで、謝罪文やその他の文章は必ずテキストでやらねばならないといった決まりは別にありませんし (HTML などの仕様上や情報の 共有 という点で望ましくはありますが)、また見た目やデザイン性を重視するあまり、全ての文章を画像で行っているようなサイトもないわけではありません。

 しかし、謝罪以外の文章やプレスリリース・IR情報などはテキストデータで公開されていたり、他の画像にはきちんと ALT 属性の記述があるのに、謝罪画像に限ってそれがないのはいかにも不自然、あるいは何らかの意図があると勘繰られても仕方ないでしょう。

 こうした 「画像謝罪」 は、見る人が見ればすぐにわかりますし、そもそもサイトなどに謝罪文を掲載するからには何らかの トラブル や不祥事、事故を起こしたからでもあり、しばしば 炎上 を伴う 祭り のさなかに画像謝罪が行われると、それが燃料になってさらに話題になったりもします。 仮にコピペが防げても画像だろうがテキストだろうがスクリーンキャプチャ (スクリーンショット/ スクショ) で簡単に拡散だってできます (ただしテキストの引用や転載と異なり、スクショは 著作権 の侵害とそれに基づく削除要請を行いやすい (それゆえの抑止効果) のはあるかも知れません)。

いわゆる 「謝ったら死ぬ病」 罹患者の最後の悪あがきにも見え…

 これら姑息に感じられる対応を行う人や企業の場合、肝心の謝罪文章も 「誤解を招いた」「騒動となり迷惑をかけた」 など、問題の本質部分ではない部分への形ばかりの謝罪風文章に終始している場合が多いものです。 さらにいったんはサイトなどに掲載されても、他の情報に比べあまりに短い期間で削除されるといったケースもあります。 こうしたやり方はいずれも本気の謝罪や反省が感じられませんし、またごまかしや隠蔽の意図を感じさせ、しばしばより大きく批判される 燃料 ともなります。

 明らかに自分に非があるのにそれを頑なに認めない、謝ったり反省したりができない人や組織のことを、ネットスラング で俗に 「謝ったら死ぬ病」 などと呼びます。 そうした人や組織が批判の声に追い詰められ最後の最後にどうしようもなくなって行うのが、こうした 「謝ってる風の何か」 なのでしょう。

 一概には云えませんが、「画像謝罪」 に極めて強い反感を持つ人が少なくないこともあり、「謝罪文が画像の時点で反省していない」 と判断されがちなこともあるので、本気で謝罪するつもりがあるのだとしたら、無用な誤解を避けるためにも画像謝罪は避けるのが賢明かもしれません。

AI の画像解析・文字抽出技術の発展により、もはや無意味に

 2020年代に入り、Google などの画像検索において AI の画像解析 (OCR (光学文字認識) のようなテキスト抽出) の活用がより積極的に行われるようになり、その後は画像謝罪に技術的な意味はほぼなくなっています。 すなわち、画像のテキストがそのまま検索結果に反映するようになっています。

 当初は実験的に行われてたものですが、実装後は英文はもちろん日本語でも、横書き縦書きでも手書き文字でもかなりの精度で読み込むようになっています。 同時に Youtube などの動画サイトでも、音声からのテキスト抽出の精度がかなり上がっています。 長時間動画だと音声から抽出した文字を要約する機能すら実装されています。 もはや画像だろうが音声だろうが検索結果に反映されるようになっているので、謝るならすっきりと文章で謝る方が良いでしょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2010年1月12日)
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