同人用語の基礎知識

著作権/ 著作権と二次著作権と同人

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的所有権の1つで、同人の世界では避けて通れない重要で非常に難解なテーマです

 「著作権」 とは、著作物を生み出した創作者だけが持つ、著作権法で保護されるべき権利の事です。

 著作物の定義ですが、『思想や感情などを創作的に表現したもので、文芸や学術、美術、音楽の範囲に含まれるもの』 とされています。 小説や マンガ、音楽、、彫刻、写真のようなものが分かりやすいですしすぐ頭に浮かびますが、例えば踊りの振り付けや茶道華道などの際の 『作法としての身のこなし』 など、人の動きそのものもここに含まれます。 およそ創造性が発揮されているあらゆるものに適応されると考えてよいでしょう。

 また特許や実用新案、意匠、商標権のような工業所有権と違い、届出や登録を必要とせず、著作物を生み出した瞬間に作者に自動的に発生する自然権であるのが、我が国の著作権の特徴です (手続きを踏むことにより、法人が著作権者となる場合もあります)。

 一度生まれた権利は、我が国の場合は作者の死後50年間は保護されるのが原則となっています (アメリカなどではミッキーマウスの著作権切れの直前に、企業の場合は50年から75年間、そして95年間と、著作権の保護期間を何度も延長していますが)。

 保護期間を経過した著作物は 「権利消滅状態」 となり、誰でもが自由に利用できるものとなります (社会の共有財産/ パプリック・ドメイン)。 ただし正確には 「著作財産権の保護期間が終了した」 状態になっただけで、著作人格権までが完全に消失した訳ではないので、全て オリジナル だと主張して自分名義にして発表しても良い訳ではありません。

著作権法の目的

第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

著作者人格権、同一性保持権、複製・頒布・上演・上映・演奏・貸与権…
複雑で分かりづらい、著作権のもろもろの権利

 著作権法により著作者の保護されるべき権利としては、著作者人格権として、自分の著作物を公表する権利(しない権利もあり、公表するならどのような形で公表するかも全て選べます)、自分の著作物を公表する際、作者である著作権者が自分の名前を作者として表示する権利 (当然しない権利もあり、ペンネームなど変名による表示も選べます)、および、自分の著作物 (内容や題名など) が他人によって勝手に改変されるのを防ぐ権利として、同一性保持権などがあります。

 また著作財産権として、コピーや出版、上映放送などを行って対価を得ることのできる複製・頒布・上演・上映・演奏・貸与権などがあり、自らの作品を原作品として、新しく別の作品を作ること (小説の映画化やマンガの アニメ 化など) を保障する二次的著作物の利用権などがあります。 これらは原則として著作権者の同意がなければ、第三者が勝手に行うことは法律違反となります。

 ただし著作物には必ず著作権がある、という訳でもなく、憲法やそのほかの法令、条例、規則や、国や地方公共団体などの告示、訓令、通達、裁判所の判決、決定、命令などには、どれだけ創造性が発揮され著作物としての要件が満たされていても、誰でもが自由に利用ができる公共のものとされ、著作権は発生しないとされています。

 また新聞の報道文章や歴史年表のような事実の羅列は、一般的には著作権で保護されるべき著作物の対象外と考えられていますが、一定の規模を超えた場合は『事実の羅列を編集』したとされ、編集著作権が発生するとされます。

著作者の権利をどう守るのか

 具体的にどう著作権者の権利を守るかですが、これらの権利が他者によって 「侵害された・犯された」 と著作権者が判断した場合、訴えを起こすことにより司法の判断によって保護を受けることになります。 つまり著作権法違反は親告罪であるので、著作権者が 『侵害された、違法だ』 と主張しなければ罪にはならない、問われないことになります。 ただし罪とならないのと違法性がないのとでは、必ずしも同じではなかったりします。

 なお著作物の利用者には著作権法で定める引用権もあり、公表された著作物は報道や批評、研究その他の引用の目的上、正当な範囲内で行なわれるものであれば、著作権法32条により誰でも自由に引用して利用することができるとされています。

 引用とは著作権者に無断で行えるものなので、逆に言うと許可を得なければいけないほどの 「引用」 は、引用の範囲を逸脱しているので引用ではないと言えます。 これらは 「フェアユース」 (正当な利用/ Fair use) などとも呼ばれます。

規制するのか、共存するのか…一次著作者と二次著作者…同人

 完全にオリジナルな作品ならともかく、アニメや ゲームパロディ二次著作物 (二次創作物) の同人作品の場合、明確に法に違反しているかどうかは、古くて新しいテーマです。 前述の通り著作者が 『これは著作権法違反だ』 と訴え出て、それが裁判で認められれば明白に違反となりますが、かといってこれらの手続きを経ていないから完全に合法であるとも言えず、いわゆるグレーゾーンにその多くが存在していると思ってよいでしょう。

 同人やコミケの世界がどんどん大きくなり、また商業作家と同人作家の垣根がなくなってゆくにつれ、例えば 『エロ以外なら二次著作を認める』 といった独自のガイドラインを示す出版社やソフトハウスも増えてきていますが、一方であらゆる同人、ファンアートを認めないと公言しているところもあります。 キャラクター の版権ビジネス市場が大きくなるにつれ、同人グッズ と無許可版権商品との違いもなくなってきました。

 昨今、文化庁や経産省、各種シンクタンクなどの提言により、アニメやマンガ、ゲームなどの 「産業としての価値」 を評価する動きが急ですが、それらには必ず 「著作権の保護」 が緊急の課題として提示されていて、それが海外や国内の違法コピーの取り締まりや締め出しだけでなく、同人誌 や同人グッズなどの規制や制限、取り締まりに向かう可能性もあり (音楽におけるジャスラック/ 日本音楽著作権協会/ JASRAC のような著作権管理団体の設立なども含めて)、予断を許しません。 いずれ近いうちに何らかの衝突か、あるいはすり合わせは避けられないのかなという予感はしています。

 作り手が買い手でもある同人の世界、うまく著作権者とその ファン、同人作家との共存共栄を図れれば良いのですけれどね。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2001年12月11日)
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