同人用語の基礎知識

荒らし/ 荒らし行為

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せっかくの楽しい掲示板がだいなし! 「荒らし」

 「荒らし」「荒らし行為」 とは、ネット 上の 掲示板チャット、コメント欄などに大量の無意味な書き込み、レス をしたり、法律や規約、マナーなどの点で禁じられている非常識な書き込み (名前や住所、電話番号などの個人情報を書き込む、その場所と無関係な差別用語、わいせつ な用語の羅列、あるいはその掲示板の管理人などを名指しして 「死ね」 などと罵倒したり 叩く ような行為をする) を連続的に行い、その掲示板やコミュニティの運営を妨害し、破壊する行為のことです。

 アダルトサイトなどの執拗・膨大な宣伝の書き込み、スパムなども 「荒らし」 と同一視されますが、「そのサイトを潰す」 のが目的ではないので、狭義の 「荒らし」 には当たらないとの意見も多いものです。 ただしホンモノの 「荒らし」 が、宣伝書き込みのフリをして荒らしている可能性は排除できません。

 英語では 「Vandal」(Vandalism/ 文化の破壊者) などと呼ばれ、日本では 「荒らし」 のほか、「サイトクラッシャー」「クラッカー」(ハッキングによる不正アクセスによる内容改ざんや、田代砲 などを使った DoS攻撃 攻撃を含む) などと呼ぶ場合もあります。

様々な 「荒らし」 のタイプ

 「荒らし行為」 の実行方法には大きく分けて2種類があり (手動で行うものと、「DUKE」「GaburiDuke」 などの荒らしプログラムやスクリプトで自動的に行うもの)、動機にも大きく分けて2種類あります (通り魔的な単なる愉快犯と、その掲示板なり管理人なりに個人的な憎しみ、恨みを持つものの執拗な嫌がらせ)。 さらに実際の 「荒らし」 の 「スタイル」 は膨大な種類があり、これらが複雑に絡み合って 「荒らし」 という状況を作っています。 途中から破壊活動の傾向や目的が変わることもあり、全体を把握するのが困難な状態となっているといって良いでしょう。

 代表的なものは、同じ文章を何度も何度も連続で貼り付ける 「コピペ荒らし」「連投荒らし」、これの派生で、巨大な アスキーアート (AA) を連続で貼る 「AA荒らし」、長大な文章をコピペする 「巨大容量荒らし」、何も書き込まずに、ただひたすら改行だけを繰り返す 「改行荒らし」、一見普通の文章、書き込み内容に見えて、実は 縦読み で罵倒している 「縦荒らし」、さらには ブラクラマイクラ、パソコンに有害な ウィルス へのリンクやそのコードを貼り付ける極めて悪質なものまであり、枚挙に暇がありません。

 「荒らし」 の対応をする側にも対策が様々あり、書き込む人が少数もしくは個人なら、その人のIP(ネット上の住所のようなもの、アクセス元) を調べてレスや投稿ができないようアクセスを弾いたり、特定文字列が含まれる投稿を スクリプトや CGI で無効化したり (サニタイジング)、「荒らし」 が利用するケースの多い プロキシ からの投稿を規制するなどの対応があります。

 ただし 「荒らし」 かそうでないか判断が微妙なもの、スクリプトやプログラムなどで自動排除できないものは人力で対処せざるを得ず、「荒らし」 に晒された掲示板や ホームページ の管理人 (中の人) の精神的な疲弊感は大変なものがあります。 最悪その掲示板なりサイトなりが閉鎖されることになったり、管理人が管理を諦め放置状態となり、それまで機能していたものが台無しになってしまう場合もあります。

「荒らし」 の登場と広がり

 こうした 「荒らし行為」 は、パソコン通信 の時代からありましたが、会員登録が原則として必要で、その登録に手間がかかる時代だったこともあり、電波 な人による 「見るからに完全な荒らし」 の対応は、少なくともシステム上は比較的容易でした。 問題のある会員のアクセスを禁止する、すなわち BAN (アカウント剥奪) すればシャットアウトできるからです。

 しかし 「荒らし行為」 を主体性を持って行っているのはコンピュータソフトではなく 「人間」「どこかの誰か」 なのですから、ことはそう簡単にいきません。 アクセスを制限することにより「荒らし」 さんの怒りが爆発し、嫌がらせがリアル行動を伴う直接行為となり、暴力沙汰などの犯罪行為にエスカレートする場合もあります。 「パソ通」 時代は通信するために多額の費用 (1分間いくらの課金と電話代がかかった) が必要だったこともあり、後の インターネット 掲示板の時とは規模が違っていましたが、誹謗中傷が昂じて新聞沙汰になったような事件もありました。

 その後1996年頃からインターネットの利用者が本格的に増える時代となり、いわゆる アングラ系 の匿名掲示板などを情報中心地として、いくつかの 「荒らしグループ」 が活動を活発化 (有名なものに 「ゲスッ掲示板」 など)。 一部は官公庁のサイトなどに荒らし行為を行い、1997年には 「農水省オウムソング事件」 が発生。 「サイバーテロ」 という言葉が日本のマスコミで初めて取り上げられるきっかけともなりました。

 また1996年6月より SEGA ホームページ 「Planet Cafe」 の一部として開設された 「セガ伝言板」、いわゆる 「セガBBS」 などは、この時点ですでにあらゆる種類の 「荒らし」 が見られる場所となっていて、他愛のない個人の荒らし行為 (荒らしを受ける方からしたら、たまったものじゃありませんが) から、複数人による組織的で大規模な荒らし (商用サイトへの攻撃という点で、業務妨害とも云えます) まで、様々な障害やトラブルが生じていました。

極めて難しい 「荒らし判定」 と 「荒らし対処」

 連投コピペ貼りのような 「誰が見ても分かりやすい荒らし」 はともかく、「悪意」 がある意図的な 「荒らし」 なのかどうか分からない書き込みのパターンもあり、その判別は極めて困難です。

 脱線や 馴れ合い殺伐 と 「荒らし」 の区別はとてもつきにくく、どこからが荒らしで、どこからが単なるマナー違反や間違い、非常識だけど悪意はなく、むしろ善意から出ている行為なのか、判別は難しいものです。 どちらも結果的には 「荒らしと同じ迷惑」 を相手側が受けるかも知れませんが、相手が 「荒らし」 でなければ、一度警告や注意をすれば悪いところを直し行動を改めてくれる可能性があります。 それを最初から 「お前は荒らしだ」 と決め付けてしまっては、逆恨みされて対処困難な本当の荒らしになってしまうかも知れません。

 またコミュニティ参加者の大半が 「問題ない」 と考えていれば、仮にそれが荒らし行為でも、その場所では荒らし行為には当たらなくなりますし、逆に荒らしの要素などほとんどないのに自分の意見に反論してくる人をそのまま 「荒らし判定」 して騒ぐ場合もあり、微妙なラインの判定は本当に難しいです。 厨サイト などでは、そのサイトの管理人が非道な行為 (他人の イラスト や文章を無断で全て転載し、自分が作ったなどと吹聴するなど) を行い、本当の作者がそれをやめるようお願いすると、「荒らしが来た」 と騒ぎ立てるなど、本末が転倒した全く逆のケースもあります。

 書き込みの意図や内容とは無関係に、単に同じ人が何度も投稿すること自体を嫌う管理人もいて (その書き込みが素晴らしいもので他の多くの利用者から感謝されるものであっても、「自分のサイトを乗っ取られた」「人気を奪われた」 などと感じたりするようです)、管理人が 「荒らしだ」 と主張しても、そうでない場合もあります。

「荒らしに反応する人も荒らしです」

 こういった傾向は、インターネットの時代となり、より深刻に、より広範囲で見かけるようになっていますが、荒らしは反応がなければ、手ごたえがなくつまらなくなっていなくなりますから、反応しないことが大切…あたりが、対処の第一歩になりましょうか。 私怨による粘着質な荒らしには効果がありませんが、「自分の荒らし行為により、その掲示板の利用者が慌てふためきコミュニティが崩壊していく様」 を喜ぶような愉快犯的な荒らしは、しばらく経てばこれでいなくなるでしょう。

 また 「生半可な対応はしない」 というのも大切です。 相手の荒らしの 「タイプ」 をよく見分け、対応するなら毅然として徹底してやるべきです。 タイプを見誤ったり中途半端にやると、火に油を注ぐだけ、燃料 になって終わるケースが多いものです。 時間的にそこまで掲示板やサイトに掛かりきりになれない、無理だという場合には、荒らしが燃え盛って活動している時には無視して、やり過ごすの手です (その場合、他の掲示板利用者と意思疎通がきちんとできるようにするべきです…同じ目的を持つ信頼している仲間から、「管理人は荒らしを放置しないでちゃんと管理しろ」 的な苦情がでたり、1人2人と常連さんが消えてゆくのが、実は一番堪えます…)。

 「荒らしに反応する人も荒らしです」 とは、掲示板利用者からよく聞かれる言葉ですが、けだし名言です。 荒らしに怒りを感じ反論や苦情を言いたい気持ちは分かりますが、それにより荒らしが効果があると判断して喜んだり、荒らしを スルー (無視) できない利用者と、スルーすべきだと考えている利用者とが論争や口論を始めたら、まさに荒らしの思う壺でしょう。 場合によっては荒らし本人が 自作自演 して、「荒らし役」 と 「荒らしを叩く役」 を演じて、掲示板の雰囲気を最悪にしてしまう場合すらあります。

 「スルーする」「無視する」 というのは、「卑劣な荒らしのなすがままにされること」「やられっぱなしになること」 ではありません。 その場を守りたい気持ちがあるなら、荒らしに反応するのはやめましょう。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 1999年6月18日)
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