新同品・未開封品・美品・ニアミント… 「状態表記」
「状態表記」 とは、もっぱら書籍類やコレクションのための アイテム、とくにトレーディングカード （トレカ） などで、それ自体の物理的な傷み具合を示すための記号や言葉のことです。
Ｓ・Ａ・Ｂ・Ｃといったアルファベット表記が分かりやすく、またよく使われますが、その他に新品・新同品・未開封品といった表現や、それぞれの英語表記 （ミント （新品）・ニアミント （新同品）、さらにスライトリープレイド （僅かな傷あり） プレイド （傷あり）、あるいは極美品・美品・良品・難ありなどなど、様々な表現方法があります。 動作部分がある場合は、完動品とか不動品、動作不良品、ジャンク品 （動かないか、動かない可能性がある、動作未確認品） といった表現を使うこともあります。
また何らかの問題があるとして、その問題を備考として直接表現する場合もあります。 例えば微細な傷ありとか折り目ありとか、日焼け による退色や変色、水濡れの跡、一部欠損、サインや落書きがあるなどです。 機械類で複数のパーツで構成されている場合、傷や欠損ありといった状態の他、元箱ありとか取説 （取り扱い説明書） のありなし、修理や修繕、部品交換のあるなしといった説明がつくこともあります。
特定の物品特有の考慮されるべき問題や瑕疵 （かし） がある場合は
特定の機材や ガジェット などで、それ特有の要注意項目を別途付け加えることもあります。 例えばカメラ用のレンズなら、鏡筒やレンズ面の傷はもちろん、レンズに曇りやコーティング剥げ、カビや鏡筒内の ゴミ やチリの混入のあるなし、プラスチックやゴム部分のベタつきのあるなしが項目として重視されるなどです。
カード類なら白欠け （カードの側面や縁の部分などが白く剥がれたようになる） とか凹み、擦り傷などがあります。 あまりに汚損が酷かったり、もの自体に問題はなくとも ゲーム のルールやレギュレーションの大幅な変更 （制限改訂） によりそのカードが使えなくなった場合などは価値がない （Ｄとか使用不可とかプアとか） と判断されることもあります。 その他バッテリーの劣化具合とか、保存のための 環境 （防湿庫で保存とか、スリーブやトップローダーに入れて保管とか）、また修繕歴とか所有者の喫煙の有無などがアピールあるいは免責事項として書き添えられることもあります。
これらは統一された基準などはなく、とくに外装の傷などに対する評価は個人差もあり、判断は難しいものです。 ショップなどで実物を見ることができるならともかく、通販 やオークションサイトでの個人間取引だと、この状態表記の認識の違いで トラブル になることもあります。
また一般に個人間売買の場合は、メーカーや 問屋 からいったん小売を挟んでいるので新品はありえませんが （なので未開封とか開封確認のみとか新同品、未使用品みたいに呼びます）、新品に近いものが必ずしも最良の状態ではないこともあります。 とくに古い書籍やカード、機械類は、保存のための適切な メンテナンス を経た方が状態がよいなどはよくあります。
基本的に商品パッケージや元箱などは輸送のためのもので長期保存には適しておらず、パッケージや元箱から出して温度や湿度をしっかり管理したものの方が工場出荷時の状態をよく維持しているケースは少なくありません。 また美術品ならともかく、機械類で実用品の場合は、壊れやすい部分の修理歴や交換歴、定期的な動作歴がある方が、より価値も高まるでしょう。 また基本的に オリジナル の状態、かつ部品交換の場合は正規品や純正品によるものが最も高価値とされますが、場合によっては 互換性 が保たれた上で改造品や社外パーツ交換品の方が価値が着くこともあります。
なお農産物や一部の半導体のように、同じ新品の商品でも品質に個体差がある場合は、個別の格付けや評価が与えられることもあります。 農産物なら見た目 （形質）や大きさ （階級） などで等級が設けられ、特秀（特選）・秀・優・良やＬ・Ｍ・Ｓ、半導体 （CPU） なら SPスコア （Silicon Prediction score） で数値化され、当たり個体・外れ個体を 厳選 する目安として使われます。 このあたりは販売価格にもダイレクトに反映しますが、実用上で値段ほどの違いを体感できることは少なさそうです。
ゲームの世界における状態異常の示し方として
ゲームの プレイ において、キャラクター や ユニット などに何らかの 状態異常 （ステータス異常） が生じた際に、ゲームの 画面 に表示される情報を状態表記とすることあります。 毒状態でキャラの顔色が悪くなったり周囲に毒っぽい演出がされたりなどです。 これらは状態アイコンとか状態マーク、あるいは ステータス の一部とされることもあります。
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