同人用語の基礎知識

オク禁/ オークション禁止

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オク禁といっても2通りの意味合いがあります

 「オークション禁止」 とは、文字通り、Yahoo! オークションやビッダーズ、楽天フリマなど ネット のオークションにて、同人誌 などのサークル発行物の出品や落札を禁止すること、あるいは発行者としてそれを禁止しますとの 「意思表示」 の事です。 「オークション禁止」 とか 「ネットオークション禁止」、略して 「オク禁」、当て字で 「奥禁」 なんて書いたりもします。

 本来的な意味では、人気 同人サークル新刊限定本 などを 同人誌即売会 において不正な手段で入手 (サークルチケット の不正使用や購入列への割り込み、徹夜 などで購入) し、高値で 転売 する一部の不心得者に対する牽制でした。 と同時に、こうした 「転売屋」(ある種の 同人ゴロ) を利用して同人誌を購入する人たちに対するお願いや決意表明でもあります。

 その後 同人 の世界が大きく膨張する中、純粋に 「自分の作品を勝手に売り買いしないで」 とする、サークルや作者側の 「気持ちの問題」 で取り沙汰される場合もあります (後述します)。

800円の同人誌が、その日のうちに4,000円、8,000円などと…

 「オークション禁止」 ですが、そもそもは、同人の人気が上がるにつれ増えてきた、最初から転売目的で人気のある 大手サークル の限定本などをまとめ買いする業者やセミ業者が横行しているのに業を煮やしたあるサークル関係者が、同人誌の 奥付 に 「オークション出品禁止」 などと宣言を書き込みしていたのがその発端となっています。

 その後こうした宣言が少しずつこの世界で広まっていった訳ですが、ルールを守って イベント で購入してゆく ファン に同人誌が行き渡らなくなくなったり、あるいは作者や発行サークルとは無関係の 二次流通 の部分で金銭的なトラブルが起こってイメージを悪くするなど、ほとんどの同人関係者にとっては迷惑行為以外のなにものでもなかったりするので、こうした禁止事項を支持する人は非常に多いですね。

 もっとも、いわゆる 「ダフ屋」 などと同じで “一種の必要悪である”…なんて云う人も、いるにはいるようですが…。 オークション転売の前に、いわゆる同人誌専門書店でのアルバイト動員によるまとめ買い&高値転売が流行った時期もあり (やってる人はかなりダブっていると思います)、こうした問題は実はかねてから存在するものでした。 それがネットオークションの人気と共に一般レベルにまで広まってきたのに危機感を覚えている人は多いようですね。

 ただ コミケ などで サークルスペース が 「壁際」 にある 壁サークル のような、自他共に認める大手人気サークルがこれを宣言するぶんには大方の了解を得られるところですが、どう考えても転売されそうにない弱小サークル、ピコ あたりが 「オク禁」 を宣言すると、「自意識過剰の被害妄想」「脳内大手も大変だな」 的に叩かれるケースもあり、かといって何もしないでいて転売が横行すると 「大手の自覚がない」 的にも叩かれるといった事もあったりして、微妙なラインにいるサークルさんにとっては非常に判断が難しいところです。

「ずっと大切に持っていて欲しい」 との気持ちは分かりますが…

 一方、人気同人誌とか高値転売うんぬんとは無関係に、ただ単純に 「あたしの作品を勝手に売り買いしないで!」 とする、サークル、作家側の気持ちの問題、あるいは 「わがまま」(?) が発端の場合もあります。

 例えばまだサークル側に在庫があり、イベントで 頒布 している真っ最中の同人誌をすぐさまオークションに出されてしまうと、イベントで売れなくなる可能性があります。

 また人気のない同人誌などですと、オークションに出品されても応札が全くなかったり非常に安い値段で落札されたりして、人気がないのがバレバレになってしまう…ってな心配もあります。 あるいは同人からとっくに卒業した何年後かに突然、自分の古い本が不特定多数の人が訪れる場に出てくるかも知れないという漠然とした不安もありますし、もちろん自分の思い入れたっぷりの作品を、古本として売り買いされる事への純粋な反発もあるのでしょう。

 ただ、いったん イベント会場 などで読み手側に 「有償」 で販売している以上、対価を支払って購入した 読者 が 「自分の所有物」 である同人誌をどう処分しようが、それを事前・事後にあれこれ規制・指図するのは、気持ちは分からなくもないですが、ちょっと行き過ぎでしょう。 まぁ無料配布の同人誌 (いわゆる 無料本) で無料の条件にそれがあるのなら、貰った側は尊重すべきかな、とは思いますが。

同人誌特有の切実な問題も

 なお J禁P禁 (いわゆる 二大禁18禁) といった 作品ジャンル の同人誌の場合、無用なトラブルを防ぐためにも作品を無関係の人間に見せるのを避ける空気が他ジャンルに比べとくに強くあり、誰でも簡単に閲覧できてしまうオークションサイトなどに出品されてしまってはジャンル的にも非常に困るので、それを防ぐために禁止するケースもあります。

 こうしたケースでは、ジャンルそのものを守るための切実な理由ともなっており、有償無償問わず作者・読者の間にオークション禁止・フリマ禁止が同意事項としてあるのなら、尊重するのが当然でしょう。

 2000年代に入り同人誌専門の書店なども増え、同人参加者同士のネットワークも様々なものが登場している中、無関係の不特定多数が見てしまう可能性が高いオークションやフリマなどをわざわざ介さなくても、「きちんとわかっている人たちのみ」 で古書をやりとりできる形も整ってきています (こうした仕組みを含め二次流通を全面的に嫌う空気も小さくありませんが)。

 ともあれ、そうした状況を踏まえると、頒布の条件や奥付の記述などにオク禁があるこれらの同人誌をオークションに出品するのは、参加者、あるいは同じジャンルの仲間としてのモラル・信義に欠ける行為になっていると考えて良いのでしょう。

オークション禁止、オク禁、その効果の程は…

 実際のところ 「オークション禁止」 と云ったところで、転売目的で購入している人たちはそんな注意書きやお願いなんか聞くわけがないですし、あまりに命令口調のものだと、サークルの純粋なファンでサークル側の意思を尊重するつもりの人でも、ちょっと違和感を覚える事もあるようです。

 かといって何の対策も取らないと、前述の通り 「大手の自覚がない」、「転売されているのがわかっているなら対策をとれよ」 なんて非難されたりする大手さんもあるようで、う〜ん、売れないのも辛いですが、売れすぎて人気があるのも辛いんだろうなぁ、とか思ってしまいますね。 実力行使とばかりに、「1人1冊のみ頒布」 のような 「販売制限」(1人1冊の場合には、とくに 1限 などと呼びます) を行う 「大手」 サークルも増えています。

 また 「オク禁」 を謳っているサークルの同人誌がオークションにかけられているのを目撃したサークル関係者やファンが、出品者を特定してどこかの 掲示板 上に晒したり、あるいは直接攻撃するようなケースもあるようです。 書籍類は同人誌といえど、古書流通、中古リサイクルの考え方を持っている人が多いですが、かといって作者と読者の両者で完結する同人の世界と商業書籍類の世界とで全く同じ考え方をして良いのかとの意見もあり、う〜ん、このあたりは一般論としてどっちが良い・悪いと決められない難しい問題になっていますね。

 書籍類には品物、商品として以前に、知識を綴じたもの、その時々の風俗を綴じたものという文化的な側面もあります。 仮に同人誌の中古リサイクルを認めないとなったら、歴史的な文芸同人の本や記録などの多くは、とっくにこの世から蒸発していたでしょう。 私たちのマンガやアニメの同人誌とそれは違うといっても、コミケ初期の同人誌には既に歴史的な価値がありますし、またそれを決めるのはしばしば後の世の人たちであって、当事者ではありませんし。

うちのような弱小サークルの場合は…

 ちなみにうちのサークルの古い同人誌や同人ソフトがヤフーオークションに出品された事は何度かあるようです。 筆者行きつけの古書がメインの同人誌専門店で偶然見かけて、苦笑した事もあります。

 個人的な感想では…よくもまあゴミとして捨てられずに残っていたね、「我が子よ久しぶり」 みたいな感想しか筆者は抱きませんでしたが…。 また随分と呑気な話ですが、弱小サークルには弱小の良さもあるのかも知れません…。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2002年8月20日)
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